メノコト365が推奨している目の健康を守るための体操、それが「メノコト体操」です。メノコト365主催のイベントでは多くのみなさんに体験していただき、「簡単にできて目がスッキリした」「子どもでも楽しくできた」などの感想をいただいています。
■イベントで行った「メノコト体操」レポートはこちら
・Let’sチャレンジ!目を守る「メノコト体操」
「メノコト体操」は、ビジョン(視覚)トレーニングのひとつ。ビジョントレーニングは、視機能を高める訓練としてアメリカでは広く認知されています。日本でも、WBA世界ミドル級元チャンピオンの村田諒太選手が取り組み、視力や視機能をアップしたということで話題になりました。
実は、この村田選手の指導もされた日本のビジョントレーニング第一人者である北出勝也先生こそが、メノコト体操の考案者なんです!
北出先生にご協力いただいたことで生まれた「メノコト体操」。今回は、北出先生に「メノコト体操」やその効果についてお話をうかがいました。
北出 勝也(きたで かつや)先生
米国の大学院にてオプトメトリスト(※)資格を取得。1999年に帰国し、視機能トレーニングに取り組む、日本のビジョントレーニングの第一人者。現在は、プロスポーツ選手の指導をはじめ、学校での普及活動にも取り組んでいる。ビジョントレーニングに関する本を、数々執筆。
※欧米先進国を始め、アジア・アフリカなどの多くの国で国家資格として認められている視覚機能検査・訓練士
目次
メノコト体操が生まれたきっかけとは?
大江編集長(以下、大江):メノコト体操は、視覚を訓練する「ビジョントレーニング」をベースに北出先生が考案された体操ですが、メノコト体操が生まれた経緯を、教えていただけますか?
北出先生(以下、北出):私はアメリカでビジョントレーニングの勉強をし、オプトメトリストという視覚機能訓練士の資格を取りました。1999年に日本に戻ってからは、主にビジョントレーニングを日本に普及させる活動を行ってきました。
「ビジョントレーニング」を普及させるためには、誰もができる簡単な体操を作り広めることも、ひとつの方法ではないか…。そんな考えから「メノコト体操」が生まれたといえますね。
大江:なるほど。メノコト体操は、ビジョントレーニングの入門編として最適な体操というわけですね。
メノコト体操は、お子さんにも手軽にできる体操として、イベントなどで紹介していますが、先生が考案される際にも「お子さんにも取り組めるもの」として意識されたのでしょうか?
北出:はい。メノコト体操は、どの年代の方がやっても何かしらの効果を感じていただけると思いますが、3歳~12歳くらいの間に「ビジョントレーニング」の土台ができていることは、とても望ましいことなんです。
この時期にビジョントレーニングの力が身につくと視機能のベースができあがるので、大人になってから毎日トレーニングをする必要はありません。
大江:幼い頃に身につけておけば、一生役立つ力になるということですね。すごい! 幼稚園や小学校でも取り入れてもらえるようになるといいですよね。
ビジョントレーニングとは?アメリカと日本の違い
大江:そんなビジョントレーニングについて、もう少し詳しく教えていただけますか。
日本では、ビジョントレーニング自体がまだ一般的ではありませんが、すでに認知されているアメリカとは、どのような違いがあると思われますか?
北出:視機能に対する認識がまったく違いますね。日本で視機能に関する検査というと「視力検査」くらいしかありません。それも、学校で保健の先生がチェックしていることが多いと思います。
大江:はい。それが一般的ですよね。アメリカでは違うんですか?
北出:アメリカでも視力検査を行いますが、担当するのはオプトメトリストです。また同時に、眼球の動きや認知力のチェックも行います。
日本で視力検査を行うことが当たり前のように、アメリカでは「視力検査」「眼球の動き」「認知力」などを検査することは当たり前のこととして、認識されているんです。
大江:日本はアメリカと比べて、「視機能の大切さ」についての認識がかなり遅れているということですね。
メノコト体操ってどんな体操?やり方とコツを教えてもらいました
大江:メノコト体操のやり方とコツを教えてもらえますか?
北出:メノコト体操には、4つの体操があります。
1つめは、親指を顔の両脇、目から30cmほど前に出し、目だけを動かして左右の親指を交互に見る体操。2つめは、親指を一方は上に一方は下に移動し、目だけを動かして上下の親指を交互に見る体操です。この2つは眼筋を動かす運動です。
眼筋は目の奥にある筋肉なので、目を動かすときに奥から引っ張られているようなイメージをしてもらうといいですね。
大江:ただ目を動かすだけじゃなく、筋肉を意識するんですね。
北出:はい、筋肉を意識することはとても大切です。
3つめは、親指を立てた状態で片腕をまっすぐ前に伸ばし、親指に焦点をあわせ、ゆっくりとひじを曲げながら親指を手前に動かすという動作を繰り返す体操。これは毛様体筋を動かす運動になります。
毛様体筋は目の中にある筋肉で、寄り目をしたときに使っている筋肉(ピントを調節する筋肉)というと、分かりやすいかもしれません。
大江:(寄り目をしながら)確かに、意識しながらやると筋肉の動きを感じられますね。
北出:最後の4つめは、目をぎゅっぱっと開いたり閉じたりする体操です。まぶたの筋肉のトレーニングになります。
大江:ただ開いたり閉じたりするだけではダメですよね。
北出:まぶたで開くという意識が大切なので、目を開くときは少し上を見るような感じでやるといいですよ。
大江:これをやるだけで、目がスッキリした感じがしますよね! 私も仕事で目を使って疲れたなぁと思ったときに、いつもやっています。
子どもがメノコト体操するときのポイントは?
大江:メノコト体操は、お子さんにもぜひやってほしい体操ですが、子どもが筋肉を意識しながらやるのって難しいですよね。何か良い方法はないでしょうか?
北出:お子さんの場合は、頭を動かさずに目だけを動かすということを意識してもらえるといいですね。
大江:大人でも慣れないうちは、頭が動いてしまう人がいますよね。
北出:はい。頭が動くと、目の筋肉がしっかり動かないので意味がありません。そこは注意してもらいたいですね。
大江:特に3歳くらいの小さなお子さんは、手の動きと目の動き両方を同時にやるのが難しそうだなと感じるときがあるのですが…。
北出:小さいお子さんの場合、親御さんがボールなどを吊り下げて、「目だけでボールを追ってね」というなど、道具を上手に使ってもらうとやりやすく、楽しく取り組んでもらえると思います。
大江:お子さんは、楽しくやれるのが一番ですよね。スピードはどうでしょうか?
北出:ゆっくりでいいので「正確にやる」ことが大事ですね。できるようになったら、スピードを上げると、さらにトレーニング効果をアップすることができます。ゆっくり正確に、だんだん速くやってみるというのが、いいと思います。
大江:コツを聞きながらやってみると、筋肉が意識できて、より目の運動をしっかりできている気がします。
北出:はい。何度も繰り返してやることで、身につけてもらえればと思います。1ヵ月ほど毎日続けることで、何かしらの変化を感じられる方が多いですね。
メノコト体操がもたらす、子どもにも大人にもうれしい効果とは?
大江:まずは1ヵ月が目標ですね。効果がでると、またさらに続けたくなると思いますが、メノコト体操をすることで、期待できる効果って何でしょうか?
北出:メノコト体操をして、眼筋や毛様体筋を鍛えると、目をしっかり動かせるようになります。
そうすると子どもたちは、
・字をしっかり目で追えるようになり、読むスピードが速くなる
・字をしっかり認識できるようになり、書き写すスピードが速くなる
といった効果がみられるようになります。勉強の基本ともいえる「読み書きの力」を鍛えられるので、学習能力がアップするんですね。
また運動面でも効果を発揮してくれます。例えば球技では、ボールをしっかり目で追うことが大事ですが、機能がしっかり発達していないとボールをキャッチすることも難しくなります。ところがメノコト体操を行うことで、飛んできたボールに対して反応できるようになります。
大江:なるほど。メノコト体操はお子さんの能力アップに欠かせないトレーニングということですね。大人はどうでしょうか?
北出:大人の方にも、もちろん効果がありますよ。最近はスマホを長時間見ていることで、目の筋肉が凝り固まっている人が多いんです。メノコト体操をすると、筋肉がほぐれるので視力低下を予防する効果も期待できます。
また、年齢を重ねると目の筋肉の柔軟性が衰え、ピントを合わせにくくなりますよね。
大江:はい。老眼がまさにそうですね。
北出:ビジョントレーニングをすると、ピントを合わせやすくなるので、小さい字も読みやすくなります。メガネがいらなくなるとまではいえませんが、老眼の進行を遅らせる効果も期待できると思いますね。
大江:メノコト体操、すごいですね! 私も、目の疲れを感じたときだけじゃなく、毎日やらなくちゃ、いや、やりたいと思いました。いろいろと教えていただき、本当にありがとうございました。
4つの体操といっても本当に簡単だし、3分ほどあれば十分できるので、効果のことを考えると、やらないほうがもったいない感じです。ぜひみなさんも、「メノコト体操」をやってみてはいかがでしょうか。
日本のみなさんに視機能の大切さについて知っていただく第一歩として、私たちも「メノコト体操」をもっと広めていかなくてはいけませんね。
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