カロテノイドの一種であるルテインは、目の老化を引き起こす活性酸素を抑えたり、有害な光によるダメージを抑えたりすることで、目を守る働きをしていることが知られています。
ルテインは主に緑黄色野菜に含まれているのですが、忙しくて毎日新鮮な野菜を調理して食べるのはちょっと難しい、という人もいるでしょう。そんなときは、ほかの食品からもルテインが摂取できたら便利ですよね。
そこで今回は、手軽に活用しやすく毎日の食生活に取り入れやすい、ルテインを含んだ食品について調べてみました。
目次
ルテインの含有量が多い食品は何?緑黄色野菜に注目!
ルテインは、目の黄斑部や水晶体に多く存在していて、不足すると目の老化が起こりやすくなるといわれています。しかし、ルテインは人の体内で作ることができないため、毎日の食事などから摂取しなければいけません。その望ましいと言われている摂取量は、1日6mg以上だそうです。
豊富に含まれている野菜の一例をあげると、ケール(21.9mg)、赤しそ(14.25mg)、モロヘイヤ(13.63mg)、よもぎ(11.26mg)、パセリ(10.01mg)などが挙げられます。
中でも毎日の食卓に取り入れやすいと考えられる野菜は、コマツナ(7.59mg)、チンゲンサイ(5.46mg)、ホウレンソウ(4.51mg)、ニンジン(0.24mg)やカボチャ(1.5mg)、ブロッコリー(1.12mg)、オレンジ色のパプリカ(1.6mg)などが挙げられるでしょう。
※( )内の数値は、それぞれ100g当たりのルテイン含有量です。
▼ルテインが豊富な野菜やおすすめレシピについてまとめてみました!
ルテインを多く含む食べ物・食材23選!野菜や果物の含有量はどれくらい?
とはいえ、野菜の中には日持ちしにくいものもあります。毎日野菜を買ってきて調理するのは大変、という人もいると思います。
では、買い置きしやすい冷凍食品はどうでしょうか。
毎日生野菜を買ってくるのは大変!買い置きしやすい冷凍食品からルテインは摂取できるの?
冷凍食品として販売されている緑黄色野菜にはどんなものがあるのか
ルテインを含む緑黄色野菜のうち、冷凍食品として販売されているものはどのようなものがあるのでしょうか。主なものとして、ブロッコリー、ホウレンソウ、カボチャ、コマツナ、スナップえんどう、グリーンピースなどがあります。また、ニンジンはニンジン単品だけでなく、ほかの野菜とミックスして、料理に使いやすいようセット販売されていることも多いですね。モロヘイヤも、オクラや長芋などの野菜とセットになったものが冷凍食品として販売されています。
こういった冷凍食品を、毎日の食事やお弁当づくりに活用している人も多いことでしょう。では、こういった冷凍食品からもルテインを摂取することができるのでしょうか。
冷凍してもルテインはなくならないのか
冷凍食品を使うとなると、気になるのがその栄養です。一般的な話をすると、冷凍食品は大量に収穫できる旬の野菜を急速冷凍して作るため、栄養がそのまま保存されていることが多いそうです。
1997年に国民生活センターがインゲン、枝豆、里芋、ブロッコリー、ホウレンソウの冷凍野菜について調査し、1998年に発表した「冷凍野菜の比較テスト結果」においても、「栄養価をそれぞれ日本食品標準成分表の値と比較したところ、全体的な傾向でみると大きな損失はなかった」と結論付けられています。
また、アメリカの研究では、加熱・冷凍したホウレンソウやケールにもルテインは含まれるという結果も出ています(※1)。さらに、ルテインの機能性表示食品として届出された冷凍ホウレンソウが日本でも商品化されています。
こういったことから考えると、生の野菜を取りにくい時期などは、冷凍食品を取り入れることでルテインを摂取することができそうですね。
野菜ジュースやハーブティーからルテインは摂取できる?
野菜を飲みやすくジュースに加工したり、ルテインを豊富に含むペパーミントなどのハーブをハーブティーとして楽しむ人もいると思います。野菜ジュースやハーブティーからもルテインが摂取できればうれしいですよね。
野菜ジュースの場合
野菜をジュースに加工するときに熱などによって、一部失われてしまう栄養素もありますが、ルテインなどのカロテノイドはほとんど影響を受けないといわれています。
また、市販の野菜ジュースや果物ジュースなどには、ルテインを配合した商品もあります。野菜ジュースからルテインを摂取したい場合は、こういったジュースを選ぶのもひとつの方法です。
ハーブティーの場合
ルテインを豊富に含む食品の中には、ハーブであるペパーミントがあります。また、植物ですが、マリーゴールドの花弁にもルテインが含まれていることが知られています。ペパーミントやマリーゴールドはハーブティーとしても楽しめるものですが、ハーブティーにした場合、ルテインはどれだけ摂取することができるのでしょうか。
ルテインには、油に溶けやすく水に溶けにくい性質があります。さらに、ハーブティーに使うハーブの量はティーバッグ1袋で約2gあまりと少量です。そのため、ルテインはわずかしか摂取できないでしょう。
野菜以外にどんな食品からルテインは摂取できる?
ルテインを摂取できる野菜以外の食品には、まず果物が挙げられます。中でも含有量が多いものは、プルーン(0.472mg)やアンズ(0.436mg)です。しかし、野菜と比べるとかなり含有量が少なくなってしまいます。
※( )内の数値は、それぞれ100g当たりのルテイン含有量です。
▼果物のルテイン含有量についても、こちらの記事にまとめています
ルテインを多く含む食べ物・食材23選!野菜や果物の含有量はどれくらい?
また、ルテインは鶏の飼料に添加されることがしばしばあります。ルテインを含んだ、あるいはケールなどを混ぜた餌を与えられて育った鶏卵の黄身はより色が鮮やかになり、ルテイン含有量が多く、吸収されやすくなります。高濃度ルテインと書かれた鶏卵も商品化されているので、スーパーなどでチェックしてみてはいかがでしょうか。
サプリメントや機能性表示食品も上手に使ってルテインを摂取しよう!
食事や食品から十分な量のルテインが摂取できない場合は、サプリメントや機能性表示食品を補助的に使う方法もあります。
わかさ生活のサプリメント素材図鑑『世界の素材発見』にあるとおり、サプリメントには、マリーゴールドから抽出された「フリー体ルテイン」と呼ばれるルテインが主に使われていると書かれています(※2)。
ルテインには、フリー体とエステル体の2種類があります。フリー体ルテインは、人間の体内にあるルテインと同じ形に精製されているため、そのまま体内に吸収されます。一方エステル体ルテインは、体内の消化酵素の力を借りてフリー体ルテインに変化したあと、体内に吸収されます。このことから、一般的に、フリー体ルテインを使ったもののほうがより吸収されやすいといわれています(※2)。
また、サプリメントや機能性表示食品の中には、ルテインと別の成分を混合したものもあります。機能性表示食品では、パッケージに科学的根拠に基づいた機能性(事業者の責任のもと届け出されたもの)、機能性関与成分の含有量や摂取の目安量などが表記されています。この表記を確認すると、自分に合った成分・機能のものが選びやすいですね。
さまざまな食品を組み合わせて毎日無理なくルテイン摂取!
ルテインが摂れる食品としては、野菜だけでなく冷凍食品やジュースなどの加工食品、サプリメントや機能性表示食品などの選択肢があるようです。
ホウレンソウやコマツナ、ニンジンなど、ルテインを含む緑黄色野菜を意識して食事に取り入れ、加工食品や良質なサプリメントなどを必要に応じて組み合わせることで、目安となる1日6mgのルテイン摂取を達成することができそうです。積極的にルテインを摂取したい場合は、今回の情報をぜひ参考にしてくださいね。
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※本サイトで紹介した各食材の栄養素含有量の比較はあくまでも一般的な品種などによる参考値であり、品種や保存方法などにより大きく異なることがあります。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考】
※1 : US Department of Agriculture, Agricultural Research Service. USDA Nutrient Database for Standard Reference, Release 21. 2008.
※2 : ルテイン|世界の素材発見
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