数年前からチョコレートのカカオが健康にいいかも、と話題になっていることをご存じでしょうか。美味しいチョコレートを食べて健康にも良い影響があったらラッキーですよね。
実は、カカオが目の機能にも効果を期待できると思われる研究も行われているんです。
しかし、「チョコレート」と一口に言ってもその種類は様々。どのチョコレートを食べるとより高い効果が得られるのでしょうか。
これについて、甘いミルクチョコレートとビターなダークチョコレート、どちらを食べると目の機能に効果があるのか実験した研究結果(※1)が発表されました。
ダークチョコとミルクチョコを食べた後の目の機能を比較
米国・インカーネイトワード大学の研究グループは、ダークチョコレートとミルクチョコレートを摂取した後の目の機能を比較する実験を行いました。
研究グループが被験者として集めたのは30名の健康な成人男女。彼らをA、Bの2グループにランダムに分け、Aのチームにカカオを多く含むダークチョコレートを、Bのチームにはダークチョコレートよりもカカオの含有量が低いミルクチョコレートを食べてもらいました。
その1時間45分後に、被験者たちの視力とコントラスト感度を測定。コントラスト感度とは、例えば白い背景の中で、色の薄い文字がどの濃さまで見えるかということです。この実験では、大きい文字と小さい文字に対するそれぞれのコントラスト感度を調査しました。
測定が終わるとさらに3日以上開け、今度はAチームにミルクチョコレート、Bチームにダークチョコレートを食べてもらい、再び同じ条件で測定を行いました。
チョコを食べてから2時間後。目の機能に効果をもたらしたのは…
チョコレートを食べた被験者たちの目の機能は、約2時間後にそれぞれ以下のような変化がみられました。
まず、私たちにも馴染みのある「視力」に関しては、ダークチョコレートのほうがミルクチョコレートを摂取した後よりも、わずかながらではありますが改善傾向が見られました。
そして、文字の「コントラスト感度」についても、小さい文字と大きい文字の時で差は出たものの、視力と同様にダークチョコレートを摂取した後のほうが良い結果が出たのです。
コントラスト感度が衰えると、暗い中で車を運転するときに黒っぽい車などに気づくのが遅くなったりするので、車の運転にも大切な視機能です。
この3つの測定のトータルスコアから、ミルクチョコレートよりもダークチョコレートを食べたほうが、目の機能に良い効果をもたらす可能性があると考えられます。摂取してから約2時間後に変化が表れるという結果も興味深いですね。
勉強や仕事で文字が見えづらくなったと感じたらダークチョコレートを
今回の研究結果からわかるように、「文字が読みづらくなってきた」と感じたらダークチョコレートを食べてみるといいかもしれません。
勉強の合間やデスクワークの休憩時間には甘い物を食べたくなることがよくありますが、どのチョコレートを食べようかな? と迷ったときには、今回の研究がヒントになりそうです。
ミルクとダークのチョコレートがあったら、ぜひダークチョコレートを選んでみてくださいね。
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