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目に良い食べ物・栄養素と調理法

目の疲れに!現代人が知っておきたい食べ物・飲み物7選

スマホやパソコンなど、デジタル機器を目にする機会が増えている昨今。目の疲れを感じている方は多いでしょう。

「今日は一日中、パソコン作業をしていたなぁ…」

「タブレットで本を読んでいたら、あっという間にこんな時間に!」

「電車での移動中、ずっとスマホを見ていた」

など、気づけば自分で肩をもんだり目頭を押さえたりしながら、目の疲れを感じてハーッとため息をつくことが増えているのではないでしょうか。

そんな現代人にありがちな目の疲れ。目の健康をサポートするためにできることとして、普段口にする食べ物や飲み物を見直してみてはいかがでしょう。

必要な栄養素を効率よく摂取するコツ、おすすめの食べ物・飲み物を6つ選んでみたので参考にしてください。

いろいろある目の疲れ「こんな違和感ありませんか?」

目の疲れといっても、症状は人それぞれですよね。また症状が一つだけとは限りません。以下にあげるような違和感を覚える人は「目が疲れている状態」といえます。自分に次のような症状がないか、まずはチェックしてみてください。

①目がショボショボする

②目が重い

③目がかすむ、ぼやける

④目が充血する

⑤目の奥が痛い

いくつ当てはまったでしょうか。1つだけではなく2つ、3つと思い当たる方もいるかもしれませんね。これらに当てはまれば、あなたは目の疲れを感じているといえるでしょう。

 

スマホやパソコンがあふれる現代。目が疲れる原因とは?

目の疲れがあることが分かったら、次は原因を考えてみましょう。現代人が最近、陥りがちなものをあげてみました。あなたは、次のうちいくつ思い当たりますか?

①スマホの画面を長時間見てしまう

②夜寝る前に電気を消して、スマホ画面のライトだけで見ている

③同じ姿勢のまま何時間もパソコン作業をしている

④目が乾いてしまう環境でドライアイになりがち

⑤老眼症状が出ていて近くのものを見るときにピントを合わせづらい

⑥長時間の運転をよくする

どれも目の疲れの原因として一般的といわれている現象です。1つでもチェックが入った方は、これが目の疲れの原因となっている場合がありますよ。

現代人の目の疲れに!効率的に食べ物・飲み物を摂取するコツ

目の疲れを感じているビジネスマンの写真

疲れが気になるときには、身体にいいものを食べたいですよね。でも、身体にいいからといって何となく食べるのではなく、栄養素は何か、どれくらい含まれているのかを知って食べることが大切です。身体にいい栄養素を効率よく摂取するためのコツを考えるようにしましょう。

(1)必要な栄養素を知る

疲れにいいといわれる栄養素として代表的なのはビタミンB群です。ビタミンB1は筋肉疲労をやわらげる働きがあり、疲れの解消に役立つといわれています。ビタミンB2はエネルギー代謝をサポートする成分なので、不足すると目の充血、眼精疲労などの症状につながることも。

また、目が光を感じてモノを見るときに必要な物質「ロドプシン」の材料となるビタミンAも重要。不足すると暗い場所で見づらさを感じやすくなることがあります。

その他にも、パソコンやスマホのブルーライトなど光の刺激から目を守るといわれているルテイン目の筋肉のコリをほぐしたりピント調節機能を助けたりするといわれるカシスアントシアニンがあります。

(2)栄養素がどれだけ含まれているか割合をチェックしましょう

疲れにいい栄養素が分かったら、次にチェックしたいのが栄養素の含有量です。学生の頃家庭科の授業で使った覚えがあるかもしれませんが、「食品成分表」を見ると、どの食材に何の栄養素がどれだけ含まれているかを知ることができます。また、ネット上でも簡単に調べることができます。

基本的に可食部100gあたり何gと書かれていますが、グラム数の多さだけで選ばないのがポイントです。その食品を一度に200g食べるとすれば倍の量の栄養素が摂れますが、50gしか食べられない場合は半分の量になってしまいます。「一食で、この栄養素を何g摂取できるか」を見るようにしてくださいね。

(3)無理なく食べ続けられる食品を選びましょう

疲れにいい栄養素は、今日一日たくさん摂ったから、この後一週間は摂取しなくてもいいというわけではありません。なるべく毎日バランスよく栄養素を摂取できるよう、無理なく食べ続けられる食品を選ぶことが大切です。

例えば、ビタミンAが多く含まれている食材だからといって、毎日うなぎを食べるのは難しいですよね? 普段から身の回りにある食材で、毎日食べても飽きないもの、手軽な調理法で食べられるものなどを知っておくといいでしょう。

(4)食べ物ごとに効率的な摂取方法を知っておきましょう

栄養素が多く含まれている食材でも、熱を加えることでせっかくの栄養素が壊れてしまうものもあります。それを知らずに毎日熱を加えて食べていれば、せっかくの栄養素が減ってしまうという残念なことにもなりかねません。

また食材によっては、油と一緒に調理することで、より効率よく栄養素が摂れるものもあります。そういった食材はドレッシングで和える、油を使って炒めるなど、ちょっと工夫するだけで吸収量が変わります。調理法を含め、効率良く摂取するようにしましょう。

(5)コンビニや冷凍食品を上手に活用しましょう

疲れに悩んでいる人は、日々忙しく目を酷使しがちなので、料理する時間なんてないわと言われるかもしれません。

そんな方は、便利なコンビニや冷凍食品を活用しましょう。昼食や夕食の一品に、必要な栄養素が摂れるお惣菜を意識して食べるのもひとつの方法です。また、最近は手軽に使える冷凍野菜が豊富です。旬の時季に加工されていることが多く、瞬間冷凍によって栄養素もほとんど損なわれないといわれているので、冷凍庫に常備しておくといいですね。

疲れにいいとされる栄養素やその効率的な摂取方法を知っていただけたかと思います。

それでは、「現代人におすすめの食べ物&飲み物」として紹介した栄養素を含むおすすめの6つの食材をピックアップしましたので、疲れたときに意識して摂るようにしてくださいね。

1.安くて食べやすいビタミンB1が豊富な「豚ヒレ肉」

ヒレカツの写真

・ビタミンB1の含有量:0.78mg/80g(※1)

豚肉はビタミンB1の含有量が牛肉の10倍、約50gで1日の必要量の半分が補給できるといわれています。

ヒレ肉はやわらかく脂肪がほとんどないため、カロリーを気にする方にもおすすめ。にんにくの香り成分であるアリシンと一緒に摂ると、利用効率が高まるといわれています。にんにくオイルで豚ヒレ肉を焼いたり、ピカタ料理の卵液に、にんにくパウダーを混ぜて焼くといった調理法がおすすめです。

2.ビタミンA豊富!B群もバランスよく摂れる「うなぎのかば焼き」

うな重の写真

・ビタミンAの含有量:1500μgRE/100g(※1)

うなぎはビタミンAのほか、ビタミンB群・C・D、カルシウムなどをバランスよく含んだ食品です。

うなぎのかば焼き1串(約100g)で1,500μgREのビタミンAが含まれているので、成人男性の1日摂取基準850μgRE、女性の700μgREを上回る量を摂ることができます。

3.サラダがおすすめ!ビタミンAとβ-カロテンがうれしい「にんじん」

にんじんのサラダの写真

・ビタミンAの含有量:380μgRE/100g(※1)

ビタミンAだけでなく、β-カロテンも豊富なにんじんは、疲れにうれしい食材です。一年中スーパーで手に入る野菜という点も、おすすめポイント。

脂溶性で油と一緒に摂るのがおすすめなので、サラダの場合はドレッシングやオリーブオイルをかけましょう。

4.炒めものがちょうどいい!ルテインたっぷり「ほうれん草」

ほうれん草のおひたしの写真

・ルテインの含有量:9.2~11.9mg/100g(※2)

1日に摂ってほしいルテインは6~10mgといわれており、ほうれん草1/3~2/3束程度で摂取できます。

脂溶性のため、油と一緒に摂ることで吸収率があがります。

ほうれん草のバター炒めや、他にもルテインが豊富な人参と一緒に油で炒めるなどは手軽でおすすめです。生で召し上がる場合はドレッシングを使うといいですね。

5.食べ方いろいろ楽しんで!手軽にアントシアニンを摂るなら「ブルーベリー」

生果実も比較的手に入りやすく、冷凍果実であれば1年を通じて楽しむことができます。ブルーベリーは、アントシアニンの他にも現代人に不足しがちな食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれます。皮ごと手軽に食べることができるのも魅力ですね。

そのまま食べてもおいしいですが、ヨーグルトに入れたり、スムージーにしたり、コーンフレークのトッピングにと他の食材と組み合わせることでより美味しく、栄養価も上がります。

6.朝食にジュースで!カシスアントシアニンが豊富な「カシス」

カシスジュースの写真

・カシスアントシアニンの含有量:500mg/100g(※3)

摂取してから1~2時間で血中濃度が一番高くなり、8時間たっても血中に残るなど持続性があるといわれています。血中に残ることを考えると、日中によく目を使うと考え、朝食後に摂るのがおすすめです。朝食にカシスジュースを飲む習慣が持てるといいですね。

また、生の果実を見かけることが少ないので、冷凍果実を上手に使うのもおすすめです。冷凍カシス100gと砂糖50gを鍋で煮詰めると、目にも優しいカシスジャムのできあがりです。

7.ビタミンB2が特に豊富!ビタミンAもB1も摂れる「レバー」

レバにら炒めの写真

・ビタミンB2の含有量:0.9~1.8mg/50g(※1)

・ビタミンAの含有量(豚の場合):6500μgRE/50g(※1)

ビタミンB2含有量の観点からはレバーの栄養素は牛、豚、鶏であまり違いがなく、どの肉も栄養素の含有量に差異はあるものの、ビタミンA・B1・B2、鉄、たんぱく質が豊富です。

このようにレバーは栄養素が豊富に含まれていることから、疲れを感じた時に摂りたい食材ですが、特にビタミンAが豊富で、食べる量によってはビタミンAの過剰摂取となるリスクもあるので、食べすぎには注意しましょう。

臭いが気になるときは、カレー粉、にんにく、生姜などを加えると比較的食べやすくなります。

1食当たり50g摂れば、豚レバーで1.8mg、牛レバーで1.5mg、鶏レバーで0.9mg。成人の1日摂取基準(男性1.5mg、女性1.2mg)のほとんどを摂取することができますよ。

意外と身近にある食べ物が目を癒やしてくれそう!

目の健康をサポートしてくれる食べ物と飲み物、いかがだったでしょうか。

意外と身近にある食べ物が多いので、すぐに取り入れることができるし、毎日摂取しやすいなと思ってもらえたのではないでしょうか。

効率よく摂取するコツやレシピを参考にして、ぜひご自身でも、普段から目に優しい生活を心がけてもらえればと思います。

 

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※本サイトで紹介した各食材の栄養素含有量の比較はあくまでも一般的な品種などによる参考値であり、品種や保存方法などにより大きく異なることがあります。

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断・治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考】
※1:中村丁次監修『栄養の基本がわかる図解事典』 成美堂出版 2015年
※2:ホウレンソウのルテイン含有量の品種間差と寒締め処理の影響
※3:ポリフェノールがたくさん – 一般社団法人 日本カシス協会

【画像】
NoirChocolate, sunabesyou, gontabunta, momo2050, HandmadePictures / Shutterstock
gumigasuki, RitaE / Pixabay

この記事を書いた人

秋田 朱美

栄養士

わかさ生活在職中は、プロアドバイザーとして、豊富な目と栄養の知識でお客様をサポート。さらに長年のお客様対応で培った経験を活かし、社内教育、社外での講義など幅広く活動してきました。

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