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目にまつわるお役立ちニュース

コロナは目からも感染する危険性が!? 感染対策にはまつ毛の洗浄も!

目からの感染予防

日本国内でも猛威を振るった新型コロナウイルスの感染者が減少し、以前と同様にとはいきませんが世の中も少し落ち着きを取り戻しつつあるようです。このまま新型コロナウイルスによるパニックは終息するのでしょうか。

ウイルスとの闘いはまだ続く?

世界的にみても、経済活動を再開させるために少しずつ緊迫した状況から日常を取り戻そうとする動きが出てきました。日本国内でも様子を見ながら段階的に緊急事態宣言が解除され、少しほっとされている方も多いのではないでしょうか。そのような中、有識者などのコメントに以下のような意見がみられます。

  • 気温が上昇する夏に一旦落ち着くが、秋から冬にかけて今よりも大きな感染流行の波が来る。
  • 現在と同じかもう少し小さな波が2年くらいの間続く。
  • 現在のような大きな波は来ないが、感染は緩やかに広がり季節が変わっても特に変化なく長期的に続く。

京都大学の山中教授が立ち上げられたサイト『山中伸弥による新型コロナウイルス情報発信』の中でも、

“緊急事態宣言中の皆様の頑張りで大都市では感染者数は減少し、感染者数が同定されない地域も増えています。しかし新型コロナウイルスへの対策はこれからが本番です。引き続き人と人との接触を減らす努力が必要です。私たちが一致団結して正しい行動を粘り強く続ければ、ウイルスとの共存が可能となります。自分を、周囲の大切な人を、そして社会を守りましょう!”                     2020年5月19日現在

と発信されています。

海外では、すでに第2波、第3波が来ているところもあるようです。まだ安心はできない、これまでどおり予防対策は必要だと考えるべきでしょう。これまでのヒトとウイルスの戦いを見ても2~3年は対策が必要で、それは集団免疫を手に入れない限りウイルスとの共存はできないからだといわれています。 

終息に必要な集団免疫とは?

「集団免疫」とは、ある感染症に対して免疫を持っている人が多いほど、感染症が流行しにくくなるという考えに基づいた予防対策です。私たちの体には、病気にならないように外部から侵入してくる菌やウイルスを攻撃してくれる「自然免疫」と、一度侵入されたことでその情報を覚えてピンポイントにターゲットを攻撃する「獲得免疫」があります

「獲得免疫」はしばらくの間、同じ病原体がはいってきても感染しにくかったり、感染しても症状が軽かったりします。この「獲得免疫」を人工的につくろうというのがワクチンです。

治療薬とともにワクチンの開発が急ピッチで進められていますが、ワクチンによって「集団免疫」の状態を作ることができれば、感染拡大が止められるといわれています。新型コロナウイルスに対抗するワクチンの完成が待ち遠しいですね。

予防の継続が大切

この約2ヵ月にわたる取組みで、感染拡大を大幅に抑えることができました。少しずつ日常生活が戻りつつある今だからこそ、それぞれができる基本の対策を徹底することが大切です。

感染予防対策の基本

  • マスクをする
  • うがい、石鹸での手洗い
  • 体調が悪いときには、外出を控える
  • 3密をさける(喚起の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発生をする密接場面)

目から侵入するウイルスへの対策

新型コロナウイルスは目の粘膜からウイルスが侵入し、感染するケースがあることが報告されています。話している相手がウイルスに感染していた場合、相手の飛沫が顔にかかってしまうと、唾液(つば)に含まれるウイルスが目の粘膜(結膜)から体の中に入る可能性があるので注意しましょう。

また、デスクや椅子、パソコンのキーボードなどに飛沫が飛んでウイルスが付いているかもしれません。それらを触った手で目をこすったりさわったりした場合にもウイルス感染の危険があります。逆に、自身が感染している場合、目をこすった手で回りのものに触れると他人にうつしてしまうことに…。日頃からの手洗いやアルコール消毒の徹底はもちろんですが、目からの感染対策も意識して行いましょう。

目からのウイルス感染予防対策

  • 目薬の貸し借りをしない
  • タオルを兼用しない
  • コンタクトレンズの着脱時には手をしっかり洗う
  • メイクの前に手を洗う。メイク道具の貸し借りはしない
  • 帰宅したら目元を洗う
  • 飛沫感染予防のために眼鏡を使用する
  • 目をこすらない 

感染対策に!まつ毛を洗う新習慣

”目もとを清潔にする”ことを「リッドハイジーン」といい、海外では既に生活習慣として根付いていて、様々な洗浄用の製品が店頭に並んでいます。

目もと(まつ毛の生え際)の汚れをしっかりとることが、まつ毛ダニの繁殖を防ぎ、目の不快感の改善、眼病やドライアイの予防、まつ毛の育毛にも役立つ、日本国内でも目もと専用シャンプーを使う人が増えてきました。
マスカラやエクステンションを使用している人は、特にまつ毛の生え際の汚れに注意しましょう。

最近では、この目もとを洗う習慣がウイルス感染予防の対策としても注目されています。

まつ毛はゴミや埃の侵入を防ぎ、目が傷つかないようにしたり、細菌やウイルスの侵入を防ぐことで目を病気から守ってくれています。また、上まつ毛が下まつ毛より長く反り返っていることで、視界を遮ることなく異物が目に入りにくいようになっているともいわれています。

さらに、まつ毛は目の周りの気流を変えることで異物が目に入りにくいようにしていると、米ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)の研究者、デービッド・フー(David Hu)氏率いる生物学者チームが英国王立協会の学術誌に発表して話題になりました。

せっかく侵入を食い止めたまつ毛には、裏を返せば菌やウイルスが付着しやすいともいえます。そんな状態で、うっかり目もとを触った時に目の粘膜から感染する可能性が考えられます。

まつ毛や目もとは汚れが付きやすいため常に清潔にしておくことが、まつ毛の健康に、さらに目からの感染予防にも良いといえます。

まつ毛や目もとを洗う習慣は、感染予防だけでなく目の健康習慣としておすすめです。手洗い、うがいとともに帰宅時の習慣として始めてみてはいかがでしょうか? 洗浄剤を選ぶときのポイントとして、目に入っても沁みることなく、優しく汚れをしっかり落としてくれるものを選びましょう

まとめ

日常生活を取り戻しつつも、まだまだ油断は禁物。これまでと同様に対策は続けていきましょう。一人ひとりが予防を心掛けることで、お互いの感染リスクを下げることになります。帰宅したら、手洗い、うがい、洗顔に加え、まつ毛や目もとの洗浄も毎日の習慣にしてくださいね。

 

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考】

【画像】
CGN089/shutterstock

この記事を書いた人

田中由香里

わかさ生活プロアドバイザー。お客様の健康相談対応をはじめ、企業や学校、医療機関での勉強会やセミナーで目の健康の大切さを伝える活動を行っています。

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