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目の症状や病気と予防・治療法

眼精疲労になる前に!疲れの緩和におすすめーツボ1

目におススメのツボ1回目

パソコンやスマートフォンなどの電子機器を見る時間が多くなり、目の疲れを感じている人が増えています。皆さんの中にも目がショボショボしたり、ピントが合いづらくなったりといった見づらさや、頭痛・肩こりなど、目以外の症状を感じている方も多いのではないでしょうか。

まずは目を休めることが大切ですが、一晩休んだくらいでは変わらないということもありますよね。そんな時に1人でも無理せず行える、目の疲れに関わるツボを紹介します。

ツボの不思議なちから

東洋医学では、私たちの体の中には心身機能を正常に保ちつづけるためのエネルギーがあり、それが絶えず循環していると考えられています。そのエネルギーが循環する道筋を『経絡(けいらく)』といい、体の奥深いところから表面に近い浅いところまで、さまざまなところを通っています。この経絡という道筋に並んでいる体の表面のポイントが『経穴(けいけつ)』、いわゆるツボです。

一見、何の関係もなさそうな体の表面への刺激が、体の内部の機能調整に働くことがあります。それは、経絡とツボ(経穴)が体の表面と臓腑(※)を互いに繋いでいるという考えからきています。ツボを刺激すると経絡を伝わって体の流れがスムーズになり、その先にある臓腑の機能が活性化すると考えられているのです。

※臓腑(ぞうふ)…五臓六腑とも六臓六腑ともいわれ、体の内臓を表す。心臓や肝臓などの臓と、小腸、大腸などの腑のバランスが整っていてこそ生命が正常に維持できると考えられている。

目の周りのツボを刺激して疲れ目のケア

東洋医学ではツボを使った治療が行われます。鍼で刺激する鍼治療、灸をすえて熱で刺激する灸治療、指や手で押して刺激する按摩治療です。ツボへの治療は専門家の治療を受けるのが一番ですが、肩こりや頭痛など、自分でツボを刺激すると改善できる症状も多いようです。

1人でも無理なく行える程度のツボへの刺激は、軽い疲れを感じた時やちょっとした気分転換などに取り入れると、心身をリフレッシュさせることができるといわれています。そして、目の使い過ぎなどが原因の疲れ目には、目と眉のまわりのツボを刺激するのが良いようです。今回は目の疲れにおすすめのツボを3つ紹介しましょう。

顔のツボ晴明

目にあらわれる様々な症状におすすめのツボ『晴明』

①晴明(せいめい)…目頭と鼻柱の間にある骨のくぼんだところ

■人差し指または中指で、鼻すじの中心へ向けて気持ち良く感じる程度の強さで押します。人差し指と親指で、左右のツボを同時につまむようにして押すのも良いようですが、くれぐれも眼球を押さないように注意しましょう。

『晴』は「目」を、『明』は「照らすこと、明るいこと」を、つまり、ものがはっきり見えるようになるという意味だそうです。目にあらわれるさまざまな症状に良いとされており、長時間目を使って疲れた時などに押すと、スッキリして目の疲れがとれるほか、かすみ目を感じた時や、目の周りや瞼がピクピク痙攣した時に押すのも良いといわれています。

疲れ目の改善には『瞳子髎』

②瞳子髎(どうしりょう)…目じりから親指の幅半分外側のくぼみ

■人差し指または中指の腹で左右同時に少しずつ力を入れて2秒くらい押すのを繰り返します。

『瞳子』は「目やひとみ」を、『髎』は「骨の角、くぼみ」を表す文字です。目の機能を調整し、眼精疲労や目のかゆみ、充血にも良いとされています。

目に良いツボ天柱

ひどい疲れ目による首や肩のこりには『天柱』

③天柱(てんちゅう)…首の後ろの髪の生えぎわにある、2本の太い筋肉の外側のくぼみ

■後頭部や首の後ろのツボを押すときは、ひじを左右に張り出して、両手で頭をかかえるようにして親指で押します。

『天』は頭部など鎖骨から上の部分を意味し、『柱』は最も大切な部分を支えるということを意味しています。首は頭部と体幹部を結び、血管や神経の通り道となっています。そのため天柱を刺激すると、心身の様々な症状を和らげるのに役立つといわれています。

 無理なく気持ち良く感じる程度がいい

一般的にツボの治療では時間や回数は患者(受ける人)が疲れない程度に行うが基本とされています。目安としては一カ所の時間は5~15分、指圧をくり返す回数は、受けている人が気持ち良く感じる程度を適度な回数としているようです。辛い症状から早く解放されたくて、つい力が入ってしまいそうですが、初めから強く押すのではなく、徐々に力をいれていくように押し、強い力で押しすぎたり、長時間続けたりすることは避けた方が良いようですね。

ツボ療法は数千年に及ぶ東洋医学に支えられ、今では日本、中国、韓国などのアジア圏だけでなく欧米各国でも普及の輪が広がっています。しかし当初、ツボ(経穴)の名称や効能が同じでも、その位置が国によって違うなどの問題もありました。そこで、国際的な統一基準が策定され、WHO(世界保健機関)から『標準経穴部位』が発表されたという経緯があります。

今回紹介したツボも標準経穴部位に基づいたものですが、特に気になる症状があったり体調に不具合を感じるときは、自己判断せずに必ず医療機関を受診しましょう。毎日使う目だからこそ、気になった時に手軽にできるケアとして試してみてはいかがでしょうか。

■目の疲れにおすすめのツボが気になる方はこちらをチェック
眼精疲労になりたくない!疲れの緩和におすすめーツボ2
目のまわりのピクピクは疲労が原因かも!?疲れの緩和におすすめーツボ3

 

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考】
『よくわかるツボ健康百科』 尾崎昭弘 監修/主婦と生活社
『東洋医学 経絡・ツボの教科書』 兵頭明 監修/新星出版社

【画像】
metamorworks/ Shutterstock

この記事を書いた人

メノコト365編集部

目の健康に関するあらゆる情報を発信しています。子どもたちが健やかな目で生活できるように、小さなうちから正しい健康習慣を身につけてもらうための健育イベントを開催するなど、目の健康について意識を高めるきっかけになることを願い様々な活動をしています。

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