新潟県の北部に位置する新発田(しばた)市。ここはかつて新発田藩の城下町として栄え、歴史的な建造物や街の区画が当時のまま残されています。そんな新発田市には、眼病平癒にご利益があるスポットとして古くから知られている菅谷不動尊(すがたにふどうそん)があります。一体どんな言い伝えがあるのか、メノコト編集部スタッフが現地に行って調べてきました!
日本三不動尊の一つ「菅谷不動尊」
JR羽越本線「新発田」駅で下車し、車で20分ほど走ると菅谷不動尊に到着しました。菅谷不動尊は、文治元(1185)年に源頼朝公の叔父・慈應護念(じけいごねん)上人が創建した真言宗五山派の寺院です。ご本尊の不動明王像はインドのビシュカツマ作で、インドから中国へ渡り、伝教大師・最澄が唐に渡った際に不動明王像を持ち帰ったといわれています。不動明王像は比叡山無動寺(滋賀県)に安置されていました。
しかし、鎌倉時代に比叡山で修行中だった源頼朝の叔父・護念(ごねん)上人が平家の圧力から逃れるため、不動明王像の御頭だけを笈(おい:僧侶や修験者が衣類や仏具を入れて背負う道具)に入れて諸国を巡業したのだとか。文治元(1185)年、護念上人が菅谷を通った際に、不思議な霊感を受け、この地に堂宇(どうう:堂の建物)を建て「菅谷寺(かんこくじ)」と名づけたそうです。現在、菅谷不動尊は日本三不動尊の一つとしても広く知られています。
守り神が住む「みたらしの滝」は眼病にご利益のある霊泉
菅谷不動尊には、目のご利益にまつわる不思議な言い伝えが残されています。
護念上人の没後、源実朝の寄進により七堂伽藍が建立されましたが、建長5(1253)年に落雷のため七堂伽藍が焼失。しかし、ご本尊の不動明王像だけは焼失を逃れたといわれています。なぜ不動明王像だけ消失しなかったのでしょうか? 実は、菅谷寺には「みたらせの滝の中に数多のたにしに守られ、尊像は毫毛(ごうもう:細い毛)も損じ給はず」という伝説が残されています。つまり、タニシが火災から御本尊を守ったというのです。
菅谷寺の境内には「みたらしの滝」という滝があり、現在も滝の中には多くのタニシがいます。建長5(1253)年に落雷が起きた時、滝の中にいたタニシが不動明王像に張り付き、災難から護ったのだそう。不動明王像を救った際にタニシは半身が焦げ、今日もこの滝には半身が焦げたタニシが住んでいるといわれています。タニシが身を挺して不動明王像を護ったことから、こちらではタニシが守り神と崇められ、今でも滝つぼにタニシを奉納し、滝不動に水をかけてお詣りする参拝者の姿が見られるようです。
また、滝の水は古くから眼病に良い霊水と知られ、眼病に悩む人がこの霊水で目を洗ったところ眼病が平癒したり、子どもが視力回復したという言い伝えが残っています。境内には、重い眼病や病気の人々が平癒祈願をするために建てられた「籠堂(こもりどう)」があります。
そんなにパワーのある霊水なら、ぜひ目を洗ってみたいものです。昔はみたらしの滝で目を洗う人が多くいましたが、現在は洗った後に目を拭うことがお勧めされています。
温泉旅行の道中に立ち寄りたいご利益スポット
境内の売店では眼病にご利益のあるお守りも販売されているので、記念に買って帰る方も多いようですよ。周辺には美人になれるという月岡温泉もあるので、温泉旅行も楽しみながら目のご利益参拝もできて一石二鳥。眼病など目の悩みがある方はもちろん、目の健康を願う方にもおすすめのスポットです。
【アクセス】
JR「新発田」駅より車で約20分
JR「新発田」駅より「新発田市コミュニティバス」乗車後、「菅谷」下車すぐ
【住所】新潟県新発田市菅谷860
【拝観料】無料
【参拝時間】8:00~16:30
【お問い合せ】0254-29-2022
※本記事内での情報は2020年1月時点のものです。
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