静岡県浜松市にある舘山寺(かんざんじ)は、浜名湖に囲まれた舘山(たてやま)に開かれたお寺です。
舘山には1500年以上昔の古墳跡に安置されている「穴大師」があり、眼病平癒を祈願するための石室があるのだとか。
長い歴史を持つ目のご利益スポットには一体どんな言い伝えがあるのでしょうか?
メノコト編集部スタッフが現地に足を運び、調べてきました。
浜名湖を一望できる見晴らしの良いお寺「舘山寺」
東海道新幹線浜松駅で下車し、バスに揺られること45分。舘山寺温泉エリアに到着しました。
舘山寺温泉は昭和33年に開湯して以降、舘山を訪れる人々を癒してきた温泉地です。
周辺を浜名湖に囲まれ、天気の良い日は展望台から眺望を楽しむことができます。
バス停から少し歩くと、舘山寺が見えてきました。
舘山寺は、平安時代に弘法大師が舘山を訪れ修業した際に開創した真言宗のお寺です。
明治3年の「神仏分離令」により一度は廃寺となりましたが、明治23年に、秋葉の火祭りで有名な秋葉山・秋葉寺(しゅうようじ)住職・牧泰禅(まきたいぜん)和尚により再興されたのです。
火災除けや商売繁盛、交通安全、縁結びといった様々なご利益を求めて多くの人が参拝に訪れています。
眼病に霊験あらたかな古墳時代の石室
お寺のすぐ近くには、目にご利益があるといわれている場所があります。
810年に弘法大師が舘山寺を開創された時に修行を行った古墳時代の石室です。
当時、弘法大師はこの石室の中に21日間こもり修行をしたそうです。そのお礼として開創したのが舘山寺であると言われています。この石室は弘法大師の岩穴ということで「穴大師」と呼ばれ、1200年の長きに渡り人々に親しまれ、信仰されているのです。
ではなぜ、穴大師が目のご利益スポットとして知られるようになったのでしょうか?
それにはこんな不思議な言い伝えがあります。
明治時代に舘山寺の門前に住んでいた竹四郎という百姓がいました。ある日、竹四郎は農作業中に草の葉で目を突いてしまい、目が不自由になってしまいました。
信仰心の薄い竹四郎でしたが、思案の末、心を入れ替え弘法大師様におすがりしようと、毎朝穴大師までお参りを続けました。
それからしばらく経ったある時、手拭いをくわえたトビが現れ、手拭いを落としてそのままどこかに飛んでいきました。
竹四郎はその手拭いを家に持ち帰り、毎朝顔を洗った後に丁寧に目を拭きました。
すると不思議なことに、日に日に視力が回復していったのです。弘法大師様に感謝した竹四郎は手拭いを家宝にし、いっそう仕事に励んで幸せに暮らしたのだとか。
それ以来、穴大師は眼病平癒の信仰をあつめるようになりました。
お寺ならではの体験も楽しめる
浜名湖の湖面から30mの場所で行う鐘楼の打鐘体験は、響く音色を聴きながら心身の安静を感じることができます。さらに、12月31日には一般の参拝客も除夜の鐘を鳴らすことができるそうですよ。
写経や座禅など、お寺でしかできない体験は旅の良い思い出になるはず。
舘山寺を訪れた際には、ぜひ舘山寺ならではの体験も楽しんでいきたいですね。
【アクセス】浜松駅より遠州鉄道バスで約45分「舘山寺温泉」下車 徒歩約5分
【住所】静岡県浜松市西区舘山寺町2231
【お問い合せ】053-487-0107
【HP】http://kanzanji.net
※本記事内の情報は2019年8月時点のものです。
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