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目の症状や病気と予防・治療法

そのめまいの原因かも!?左右の視力差が大きい「不同視(ガチャ目」とは

パソコンやスマートフォンを見た後に、ふと視線を上にあげた際や、運転中に前方からミラーに目を向けた時など、なんだか目のピントが合いづらく、ぼんやりと見えにくいなと思ったことはありませんか?

または、定期的な健康診断などの視力検査で、右と左の視力の差が大きく離れていた…なんていう経験はないでしょうか。

実は、これらの症状は「不同視(ガチャ目)」と呼ばれる目の症状が原因です。

かくいう筆者も実はこの「不同視」に悩まされている人間の一人です。

左右の視力差が大きいと、日常生活でどのような問題が生じてしまうのでしょうか?
この記事では、そんな「不同視」の症状や原因、そして対処法について詳しく解説していきます。

なんだかピントが合いにくい。それは「不同視」が理由の可能性も

「不同視」は、別名:ガチャ目とも呼ばれ、右目と左目の屈折が異なる状態を指します。「不同視」は、左右の眼の屈折度に差があるため、左右の視力や見え方に差が生じてしまいます。
専門的な話をすると、一般的に、両眼の屈折度に2D(ジオプトリー)以上の差があると「不同視」と診断されます。この差により、左右の視野が不均等になり、左右の視力差が大きいため、一方の目を過度に使うことから、眼の疲れや負担が増え、頭痛やめまいを起こしてしまいます。

スマホやパソコンの使用や動画視聴など、目を酷使する現代社会では、「不同視」に悩む人が増えてきています。「不同視」のチェックは意外にも簡単です。右目を隠し、左目で約3m先の対象物を見てみます。
次に、左目を隠し、今度は右目で同じ対象物を見てみた際、どちらか片方が見えづらくなっていた場合には、「不同視」の可能性があります。

人間の目は体の中でも早く老化を感じる部位の一つであり、「不同視」の早期発見と治療は非常に重要です。定期的な眼科検診を受けることや、適切な視力矯正方法を選択することが、視覚の健康を維持するためには不可欠です。

 

「不同視」の人が悩んでいる目のトラブル

「不同視」になってしまった場合、日常生活においてどのようなトラブルが発生してしまうのでしょうか?

ピントが合いづらい

通常、目は対象物の距離に応じて自動的にピントを調整します。遠くの対象物を見るときは、毛様体筋が弛緩し、水晶体は薄くなります。近くの対象物を見るときは、毛様体筋が収縮し、水晶体は厚くなります。両眼のピント調節が協調して働くことにより、立体視や深度知覚が可能になります。両眼の焦点が正確に合致することで、立体視が実現し、距離や奥行きを感知するのに役立ちます。「不同視」により、目のピントが合いづらくなることで、日常生活や趣味、スポーツ、車の運転などの様々な場面で支障をきたすことが考えられます。

頭痛

左右の見え方や視力に不均衡が生じるため、目は毎秒単位で一生懸命ピント調節を行います。目を酷使することにより、頭痛などの慢性的な症状を引き起こす可能性があります。

眼精疲労

眼精疲労とは、長時間の視覚活動や近距離での作業によって引き起こされる、目の不快感や疲れの状態を指します。パソコン、スマートフォン、タブレット、テレビなど、デジタル画面を長時間使用することで、目の筋肉が過度に使われ、眼精疲労が生じることがあります。これは特に近距離での画面作業が多い現代の生活において非常に増えており、眼の疲れや重さ感がある場合には、作業を中止し、定期的な休憩を設けることが大切です。

全身の疲れや肩こり

長時間の画面作業や読書は、目の焦点調節筋肉を過度に使うことがあります。これにより、眼精疲労が生じ、目の不快感や疲れが感じられます。さらに、目の疲れが他の筋肉にも影響を及ぼし、全身の疲れや不快感を引き起こすことがあります。また、ストレスによって睡眠の質が低下することもあり、これが全身の疲労感につながることがあります。

このように、さまざまな目のトラブルに直結している「不同視」は、毎日のストレスとなって蓄積されるため、なるべく早期に医療専門家に相談することが大切です。

今すぐなんとかしたい!「不同視」の対処法

もしも幼少期から「不同視」の症状が現れた場合、放置すると「弱視」になるリスクがあるため、早めの注意が必要です。「弱視」とは、一方の眼が十分に発達せず、視力が低下する状態で、放置すると視力が回復しにくくなります。

また、50歳以上の人で片目だけ近視が進む場合、白内障が原因であることが多いです。白内障は、水晶体が濁り、視力の低下を引き起こす眼の疾患です。

「不同視」は、見え方に違和感をもたらすだけでなく、目や心身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、不同視の症状がある場合、早期の診断と適切な治療が重要です。

「不同視」を改善するためには、眼鏡やコンタクトレンズを使用して視力を矯正し、左右の見え方のバランスを整えることが重要です。また、弱視の場合は、視力を向上させるための視覚療法やアイパッチの使用などが行われます。

白内障の場合、手術が一般的な治療法です。手術により、濁った水晶体が取り除かれ、人工のレンズで置き換えられます。手術を行うことで、視力が回復し、日常生活の質も向上します。

早期治療で視力を安定させよう

このように、「不同視」や目の異常症状が現れた場合は、専門家の診察を受けて早期の治療プランを立てることが大切です。眼精疲労や、最近特に見えづらくなってきたという方は、まず視力と目の健康を守るために、定期的な眼科検診もお勧めします。
早期に治療を行うことで、大切な目を守ることができます。見えにくいは目からのSOSサインかも。ぜひ、定期検診に行きましょう!

参考文献

https://www.ikec.jp/eye_disease/108/

https://www.yaesu-sakura-eye-clinic.com/service/anisometropia.html

 

この記事を書いた人

山本 エミ

Webライター、編集者。学生時代は両目視力2.0をもちながら、現在は左右の目の視力差が大きい「不同視(ガチャ目)」に悩む日々。現代病である疲れ目など、目の健康に役立つ記事を中心に執筆している。

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