見えない・見えづらい方へのお役立ち情報

視覚障害者の「困った」を助けてくれる視覚支援アプリを紹介

私は視覚に障害があり、見えない範囲が広がってきています。
見えなくなるにつれ、困ってしまう場面が増えてきました。
特に困っているのは「一人で外出する時」と「書類や郵便物などの文字が読めない時」です。
何とかしたいと色々調べてみると、AIなど技術の進歩により進化した視覚支援アプリがあることがわかりました。
今回は実際に試した中から特に便利だと感じたアプリを2つ紹介します。

 

おすすめアプリその1
音声ナビゲーションアプリ「Soundscape(サウンドスケープ)」

Soundscape(サウンドスケープ)

3Dオーディオによる音声ナビゲーションアプリ「Soundscape(サウンドスケープ)」

iPhoneのGPS機能や位置センサーなどから認識した周辺にあるお店や施設、駅やバス停などの場所を音声で確認したり、目的地まで音でナビゲートしてくれるアプリです。

主な機能としては
・「近くの情報を聞く」
・「マーカーや音声ビーコンの設定」
などがあります。

「近くの情報を聞く」では、例えば「○○○通りで南向き」や「地下鉄○○駅まで80m」というように自分のいる場所や近くに何があるのかを確認することができます。
気になるお店を見つけたら「マーカーや音声ビーコン」を設定することができます。
音声ビーコンを設定すると、ビーコンの方向に携帯を向けた時だけ音が鳴るので、目的地の方向を確認することができます。
その他にも「ストリートプレビュー」を使えば、その場所に行かなくてもバーチャルで道順や近くにあるお店などを調べることや目的地まで「ルート」を設定することができます。

このアプリは普通のイヤホンでも十分便利ですが、3Dオーディオを受信できるヘッドホンがあればさらに詳しい情報を得ることができます。
3Dオーディオ技術により建物がある方向から音声が聞こえてくるので、自分と周りのお店などの位置関係を細かく把握することができます。

新たな発見がいっぱい

それでは実際に「Soundscape」を普段の生活の中でどのように活用しているのかを紹介します。

まず、「周辺の情報確認」をよく利用しています。
仕事の帰りに買い物がしたいと思っても、今まではどこにどんなお店があるのかわからなかったのであきらめていたのですが、このアプリのおかげで、職場や最寄り駅の近くに行ったことがないお店がたくさんあることがわかりました。
そして「音声ビーコン」のおかげで新しく見つけたお店にも迷わず行くことができました。

その他には「ストリートプレビュー」を使って様々な場所を探索しました。
「周辺の情報確認」では現在地から数十メートルの範囲しか確認できないのですが、「ストリートプレビュー」を使えば、バーチャルでさらに遠くまで調べることができます。
視覚障害者が歩きながらお店などを探すのはかなり難しく、危険な場合もあるのでこの機能があれば友人と食事に行く店を探すことや旅行先の下見などもできます。
まだ使っていない機能もあるので、使いこなせるようになれば外出がもっと楽しくなりそうです。

 

おすすめアプリその2
視覚障害者向けトーキングカメラ「Seeing AI(シーイングエーアイ)」

Seeing AI(シーイングエーアイ)

携帯のカメラで写したテキストや周りの状況などを音声で確認

次に紹介するのは、携帯のカメラで写したテキストや周りの状況などを音声で確認できるiPhone用のアプリ「Seeing AI」です。
チャンネル(機能)がいくつかあり、切り替えることでテキストや色などの読み上げができます。
まず、テキストの読み上げには「短いテキスト」と「ドキュメント」の2つのチャンネルがあります。
「短いテキスト」は、携帯のカメラをテキストにかざすと、瞬時に読み上げが始まり、「ドキュメント」は、カメラで撮影したテキストを「短いテキスト」よりも高い精度で解析し、iPhoneの音声読み上げ機能「VoiceOver(ボイスオーバー)」で確認することができます。
他にも「色」「ライト」「通貨」などのチャンネルがあり、色や明るさの確認、お札の判別などができる様々な機能を持ったアプリです。

テキストの読み上げで大活躍!

私がこのアプリでよく利用しているのは「短いテキスト」と「ドキュメント」です。
「短いテキスト」は郵便物を確認する時に役立っています。見えている人に頼らなくてもどこから届いたものなのか、どのようなことが書かれているのかが確認できます。
その他には、買い物の時の商品名や値段、お店で食事する時のメニューの確認などでも役立っています。
そして、「ドキュメント」は仕事の書類の確認に使っています。
見えなくてもカメラを書類にかざすと「左が表示されていません」や「下と右が表示されていません」といった音声案内のおかげで一人でスキャンすることができます。
さっと読みたいときは「短いテキスト」しっかり読みたいときは「ドキュメント」といったように2つのチャンネルを使い分けることができるのでとても便利です。
私は少し視力が残っているので「色」や「ライト」などのチャンネルは使っていませんが全く見えない方ならこのチャンネルを使うことで、洋服の色を確認しおしゃれを楽しむことや部屋の電気がついているかどうかなども確認することができます。

 

まとめ

執筆者の山本明彦さん

視覚に障がいがあると目からの情報がほとんど入ってきません。
しかし、人間は目から8割以上の情報を得ていると言われています。
そんな時に重要になるのが「音声による情報」です。

今回紹介したアプリは2つとも音声により様々な情報を得ることができしかもiPhoneを持っている方なら無料でダウンロードすることができます。
私はこのアプリのおかげで一人でできることが増え、様々な情報を得ることができるようになりました。
もし見えない・見えづらいことにより困っていることがある方は一度試してみてはどうでしょうか。

※「VoiceOver(ボイスオーバー)はiPhoneの視覚障がい者をサポートしてくれる音声読み上げ機能です。

※Soundscapeで確認できるお店や公共交通機関などの情報は、みんなで作る地図「OpenStreetMap」の情報を利用されています。OpenStreetMapはアカウントを登録することで誰でも地図に、新しいお店の情報や、道路などの詳しい情報を追加することができます。

ダウンロードURL
・「Microsoft Soundscape」
https://apps.apple.com/jp/app/microsoft-soundscape/id1240320677

・「Seeing AI」
https://apps.apple.com/jp/app/seeing-ai/id999062298

関連サイト
・視覚障がい者だけじゃない!スマートフォン音声読み上げ機能の活用法(VoiceOver)
https://menokoto365.jp/2465/

・便利な最先端技術!音声案内システム「NaviLens(ナビレンズ)」
https://menokoto365.jp/2842/

この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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