目がかゆい。涙が出る。鼻がムズムズする。くしゃみが止まらない。
春が近づくと、そんな花粉症の症状に悩まされる方も多いはず。しかし、中には「目がかゆいだけ」という方もいると思います。
目がかゆいだけで鼻の症状がないから、花粉症とは言えないのでは?
答えはNo!
目の症状だけでも花粉症なんです。
そして実は、花粉症は花粉に過剰に反応してしまうアレルギー。目の異常はアレルギー性結膜炎の症状なんです。
目がかゆいのはアレルギー性結膜炎
スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で、くしゃみや鼻水が出たり、涙が止まらなくなったりする症状を「花粉症」と呼びます。これらは、花粉がアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)となって引き起こされるアレルギー症状です。
顕著な花粉症の症状には鼻の症状の「アレルギー性鼻炎」と目の症状の「アレルギー性結膜炎」があり、人によって出方は様々。目の症状だけ出る人もいれば、鼻の症状だけという場合も。目と鼻両方の症状が出る人もいます。
目がかゆい、涙が止まらない! という人は花粉が原因で目の結膜周辺に症状が出る「アレルギー性結膜炎」かもしれませんよ。
うつる結膜炎とうつらない結膜炎
「結膜炎」という名前だけ聞くと、人にうつる病気なのでは? と心配になるかもしれませんが、結膜炎は「アレルギー性結膜炎」と「ウイルス性結膜炎」に分類されています。ウイルス性のものは人に感染しますが、アレルギー性結膜炎はうつりません。
花粉症による目の症状はアレルギー性のもの。そのため人にうつることはありません。
しかし、目の充血や目やになど、ウイルス性、アレルギー性に共通する症状もあるので、花粉症かどうかは病院で検査し、安易な自己判断はしないようにしましょう。
アレルギー性結膜炎の大半がスギ花粉によるもの
日本眼科学会によると、アレルギー性結膜炎の原因の約85%は花粉症と推定されているそうです。だいたいの原因が花粉ですが、花粉以外のアレルゲンもあるようです。
1年中身の回りにあるハウスダストやダニなどによって引き起こされるのは「通年性アレルギー」、特定の期間だけ症状が出る花粉症は「季節性アレルギー」に分類されます。
どの花粉に反応するかは人によって異なります。日本では花粉症患者の約7割がスギによる花粉によるものといわれています。
目の花粉症は季節性アレルギー性結膜炎だった!
「目の花粉症」と「アレルギー性結膜炎」の違いはわかりましたか?
呼び名が違うものの、病状としては同じ。でも細かくいうと、花粉症はアレルギー性結膜炎の中でも「季節性アレルギー性結膜炎」に分類されるんですね。
アレルギーや結膜炎というワードだけ聞くと不安になってしまうかもしれませんが、病気について正しく理解していれば、不安が少し緩和されるのではないでしょうか。
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