見えづらい方へのお役立ち情報

視覚障がい者の社会価値の創出を目指す「isee! “Working Awards”(アイシー ワーキング アワード)」

ビジョンパーク内で担当者にインタビュー

私はわかさ生活で働く視覚障がい者として、年齢による目のお悩みや見えづらさを感じている方のお悩みを一つでも多く解決できるよう、目のお悩みに役立つ商品やサービスを提供できるように日々努めています。

そんな時に、視覚障がい者の就労に関するアイデアを募集するコンテスト「isee! “Working Awards”(アイシー ワーキング アワード)」に応募しないかとお声がけいただき、応募したところ賞をいただきました。

「isee! “Working Awards”」の受賞者の方々の働き方やアイデアに大変驚かされ、この取り組みをより広く伝えていきたいと思い、主催団体である「公益社団法人NEXT VISION」の担当者わきちさんに神戸アイセンター内のVision Park(ビジョンパーク)でインタビューをさせていただきました。

「isee! “Working Awards”(アイシー ワーキング アワード)」とは

これは、視覚障がい者の就労に焦点をあてた取り組みで、視覚障がい者の実際の働き方から、障がいがあっても働くことができるという実例を伝えたり、どんな働き方ができるのかというアイデアなどを募集しています。

過去の受賞者の中には、視覚障がいをもちながらも個人の持つ能力やスキルを活かして働かれている消防士の方がいらっしゃいます。彼は通報の内容を聞き取る仕事を任されており、視力が必要なシステムの操作は同僚にサポートをしてもらうことで自身の働き方を確立されています。

大切なのは一人ひとりが今の視機能を理解し、持っている能力を活かすことなのです。

中途失明した方の多くは「見えなくなると何もできない」と思われがちですが、実際には歩行訓練や点字の学習を行ったり、音声読み上げのような便利な機能を使用するなど、工夫をしていくことで「できる」ようになることがたくさんあります。この取り組みを通じて「見えないからできない」「見えなくてかわいそう」という意識がなくなる社会を目指しています。

公益社団法人NEXT VISION(ネクスト ビジョン)の想い

NEXT VISIONは、視覚障がい者がより自分らしく生きるための相談窓口として、ネットワークを活かしてさまざまな活躍の場を提供する団体で、神戸アイセンター内にあります。

また、すべての方が見ることの本質に気づいて楽しく学び、成長できるインクルーシブな社会の実現を目指して、さまざまな活動を行っています。
※インクルーシブ:多様性を認め合い、互いが尊重しあうこと

NEXT VISIONでは多くの視覚障がい者は、適切な治療や根気強いロービジョンケア(視覚に障がいがあるために生活に何らかの支障をきたしている人に対する全ての支援の総称)を受けることによって社会の中で十分に活躍できると考えています。

全盲でも、同時通訳で健常者よりも高いスキルを発揮し活躍されている方がいらっしゃる一方で、残念なことに多くの方が、視覚障がい者というだけで能力を低く見られたり、社会で活躍しづらいという実態があります。

このような誤解をなくし、視覚障がい者が活躍できる社会をつくるべく、NEXT VISIONでは研究・治療・ロービジョンケア・リハビリ・社会復帰の流れを一貫して解決することによって、視覚障がい者の社会復帰を進めています。

その中の取り組みの一つとして、視力低下による困難を抱える人々が、生きる意欲を取り戻すための気づきを提供し、挑戦と成長を促すことを目的とした支援空間であるVision Park(ビジョン パーク)を開設しました。

ビジョンパーク入り口

Vision Park(ビジョン パーク)はどんな場所?

Vision Parkは視覚障がい者と健常者の両方に気づきを提供する支援空間です。

あえてバリアフリーではなく、特徴的な「バリアアリー」の空間デザインとなっています。
広いフロアは、高さの異なる空間を数段の階段でつなげた「スキップフロア」で、安全なレベルの段差が積極的に設置されています。その段差によって各エリア(クライミングウォールを備えたアクティブエリア・リーディングエリア・キッチンエリア・リラクゼーションエリア・シミュレーションエリア)に区切られています。

クライミングウォール

あちこちに段差があるにも関わらず点字ブロックや手すりはありません。

段差のあるパーク内のエリア

一見、視覚障がい者に配慮がないデザインに思えますが、視覚障がい者の意見を聴取し、家具のノッチを手すりとして利用したり、階段の手前で一旦止まってもらうために立体に見える特殊なシートが床に貼られています。

立体的に見えるシート

そこでは階段に近づくとセンサーが反応し、注意を促す音声が流れるといった、新しい配慮の在り方を模索し、バリアがある社会でみんなが安全に暮らすにはどうすれば良いかを考える場所になっています。

「『百聞は一見に如かず』という言葉がありますが、ここでは『百聞は一験に如かず』です。できないと言わせない。なぜできないのか、どうしたらできるのかを考えるのです。ちょっとした声かけでバリアを取り除くことができる。大切なのは心の壁を作らない心のバリアフリーだと思います。」とおっしゃっていました。

まとめ

このインタビューを通して社会のさまざまな分野で活躍されている視覚障がいの方が多くいらっしゃることに感動しました。私自身も「isee! “Working Awards”(アイシー ワーキング アワード)」や「NEXT VISION」の活動のことを多くの方に知っていただき、視覚障がいについて正しい認識を持っていただける社会になることを願います。

 

【参考】
公益社団法人NEXT VISION
神戸アイセンター
isee! “Working Awards”2021受賞者

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この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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