今回訪れたのは愛知県知多市。マリンスポーツの名所としても知られ、夏には多くの観光客が訪れるスポットです。
そんな知多市にある大智院(だいちいん)というお寺の中に、めがねをかけた弘法大師がいるという情報をキャッチしました。一体なぜめがねをかけているのか、そしてどんなご利益があるのか気になりますね。
メノコト編集部スタッフが現地に足を運び、調べてきました。
知多四国八十八ケ所霊場の1つでもある「愛知県大智院」
名鉄常滑線「大野町駅」で下車し、歩くことおよそ20分。大智院の立派な山門が見えてきました。
大智院は真言宗智山派の寺院で、聖徳太子によって創立されました。正式名称は「金照山清水寺(きんしょうざんせいすいじ)大智院」といい、ご本尊である聖観世音菩薩と前立の馬頭観世音菩薩(ばとうかんぜおんぼさつ)が安置されています。
進んでいくと本堂がありました。10月の第4日曜日に行われる「めがね弘法大祭」は眼病平癒や健眼長寿を願うお祭りとして有名で、毎年たくさんの人がここを訪れるのだとか。
また、大智院は「知多四国八十八ケ所霊場」のうちの第71番としても知られています。知多四国八十八ケ所とは、弘法大師空海が東国巡礼の際に立ち寄った知多半島の風景が、四国八十八ヶ所と似ていることから名付けられたとされています。
盲目の老翁を救っためがね大師の言い伝え
本堂の内部には、「身代(みがわり)大師」という弘法大師の尊像が安置されています。噂通り、その像はめがねをかけていました! さらによく見ると、それはサングラスのように色付きのめがねです。
弘法様はなぜサングラスのようなめがねをかけているのでしょうか? 大智院にはこんなお話が残されています。
安政7(1860)年、浅吉(あさきち)という老翁が自分の目の病気を治そうと知多八十八ヶ所を巡っていました。浅吉は盲目の上、眼球が飛び出ていたため周囲の人に見られないようにと、ろうそくの炎でこがしためがねをかけていました。
ここ大智院を訪れた際も、自分の目が治るようにと弘法大師尊像へ一心に祈りを捧げたのです。すると、一瞬にして浅吉の目は見えるようになりました。しかし、浅吉の目が見えるようになった代わりに、弘法様の左目には傷ができてしまいました。
その夜「老翁のめがねを我にかけよ」という弘法様の夢のお告げがあり、浅吉のめがねを弘法様にかけることにしたのです。
それ以来、大智院の弘法大師尊像は身代大師「めがね弘法」として広く知られるようになりました。
奉納されためがねはスリランカで第二の人生を歩む
境内を散策していると「めがね塚」と書かれた塚を見つけました。ここには使われなくなっためがねが奉納されているのだそうです。
奉納されためがねは供養されるだけでなく、スリランカに送られます。海を越えてスリランカの人々のもとに渡っためがねは、第二の人生を歩むのです。特にケース付きのめがねは大変喜ばれるのだとか。
この国際交流は、以前日本に留学生としてやってきたスリランカ人の僧侶が「奉納されためがねをスリランカに送ってほしい」と希望したことがきっかけになり始まったそうです。現在も、たくさんのめがねが大智院からスリランカへと旅立っています。
目の健康に役立つおみやげも
境内には目に関係する面白い薬房もあります。
「金照堂薬房」では、眼精疲労の方におすすめの目薬や、ブルーベリーエキスの入った先見飴、メグスリノキ茶など目の健康に役立つ商品が販売されています。大智院のおみやげとして家族や友人にプレゼントすると喜ばれそうですね。
見どころたっぷりの大智院。知多半島を訪れた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。めがねをかけた優しい弘法様が、あなたの目にもご利益を与えてくれるかもしれません。
【アクセス】名鉄電車「新舞子」駅または「大野町」駅下車 徒歩約20分
【住所】愛知県知多市南粕谷本町1-196
【お問い合せ】0569-42-0909
【HP】http://www.daichiin.jp/
※本記事内の情報は2019年5月時点のものです。
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