目の症状や病気と予防・治療法

「日常生活の視力」=「実用視力」 実用視力にまつわる最新研究結果を紹介

研究結果を表すグラフなどの資料

日常生活の中で働いている視力である「実用視力」。まだまだ新しい概念のようですが、そんな中、実用視力にまつわる新しい研究が2020年に発表されました。この記事では、その研究内容について解説していきます。

実用視力はどんな視力?

通常の視力検査で測っている視力は全力の視力で、いわゆる「視力の最大値」です。一方、車の運転中や、映画やドラマの字幕など、日常生活の中では、視界に入る文字や景色が絶えず変化しており、一瞬「見えた」ものを一瞬で「認識する」必要があります。この時の視力が「実用視力」です。

実用視力は、「視力の平均値」と例えられており、ドライアイの患者さんは、実用視力が悪くなることが報告されています

▼さらに実用視力について詳しく知りたい方はこちら
視力検査では見えるのに日常では見えにくい!?そのカギを握る「実用視力」知っていますか?

実用視力に関する研究内容

慶應義塾大学が株式会社わかさ生活と行なった共同研究結果が、2020年に論文として発表されています [1]。この研究ではサプリメントの目への有用性を確認することを目的として、2ヵ月以上サプリメントを飲んでいる人と、そうでない人のグループに分け、どのような違いが見られるかを確認しています。

行われた検査は、実用視力の検査をはじめ、通常の視力、眼底検査、黄斑密度(黄斑のルテイン・ゼアキサンチン量)、網膜の厚さ(光干渉断層撮影)、血液検査、食習慣、生活習慣検査などです。

まず、今回の研究に参加していた被験者が飲んでいたサプリメントを解析しています。今回の被験者は、「抗酸化成分」を含むサプリメントを飲んでいました。抗酸化成分とは、体の老化や病気の原因となる活性酸素を消し去ったり、酸化ストレスを解消する成分のことです。

サプリメントに使われていた素材としては、ビルベリーのアントシアニンや、ルテイン、アスタキサンチンなどのカロテノイド成分。他にも、ビタミンCやビタミンEといった抗酸化ビタミンが含まれていました。

そして、視力検査や血液検査の結果、サプリメントを2ヵ月以上飲んでいる人のグループでは、飲んでない人のグループに比べて実用視力のスコアが良いことがわかりました。また血液検査の結果から、2ヵ月以上サプリメントを飲んでいる人は身体の炎症も抑えられていました。サプリメントに含まれる抗酸化成分が身体に良い影響を与えている可能性が示されました。

抗酸化成分を食事から摂るには?

研究では抗酸化成分のサプリメントの摂取でしたが、普段の食事からこういった成分を摂るにはどうすれば良いのでしょうか。

例えば、アントシアニンはブルーベリーやなすの皮の部分、紫玉ねぎ、紫キャベツなどに含まれます。ブルーベリーやなすは夏が旬なので、今の季節はスーパーなどでも手に入りやすいですね。

ルテインやゼアキサンチンはカロテノイドの一種。ほうれん草やかぼちゃ、にんじんなどの緑黄色野菜に含まれています。食卓に取り入れると、おかずが色鮮やかになりますね。

アスタキサンチンは赤い色素で鮭やイクラの色の成分です。

ビタミンCは野菜や果物に含まれており、菜の花やカリフラワー、じゃがいも、レモン、アセロラ、キウイフルーツ、いちごなどが有名です。

ビタミンEはナッツ類が有名。アーモンドや落花生、ヘーゼルナッツなどに含まれます。他の食材では、うなぎの蒲焼きやかぼちゃなども有名です。

様々な種類の色鮮やかな食材を食べると良さそうですね。

おわりに

今回の研究結果から、抗酸化成分を含むサプリメントを続けて飲んでいる人では実用視力が良いという大きな結果が得られました。普段の食生活において、抗酸化作用の高いものを食べることはもちろん、抗酸化成分を含むサプリメントなども摂取することで実用視力を維持できるかもしれません。

実用視力に関する研究はまだ少ないですが、冒頭でもお伝えしたとおり、ドライアイと実用視力の間には関連があると考えられています。日本のドライアイの患者数が800万~2200万人ともいわれていることもあり、これからますます研究が進むことを期待します。

 

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考文献】
1:Minami S, Nagai N, Suzuki M, Uchida A, Shinoda H, Tsubota K, Ozawa Y.:Ocular and Systemic Effects of Antioxidative Supplement Use in Young and Healthy Adults: Real-World Cross-Sectional Data., Antioxidants (Basel). 2020 Jun 3;9(6):487.

この記事が役に立った・ためになったと思った方は、
ありがとうボタンをお願いします!

この記事を書いた人

大江 絵美

健康食品管理士

わかさ生活研究員。岐阜薬科大学薬効解析学研究室に4年間出向し、目のことやビルベリーの健康効果の研究を行ってきました。目のこと、サプリメントの素材について新しい研究や調査を行っています。

こちらの記事もおすすめ