
春の訪れを告げる風が、今年は少し早めに、そして容赦なく吹き荒れるかもしれません。 カレンダーをめくるたびに、鏡に映る自分の目の赤みやまぶたの重さが気になり始めている方も多いはず。
2026年の花粉予報が描き出すのは、地域によって飛散量が大きく分かれる圧倒的な『二極化』というシナリオです。特に東日本・北日本エリアは、過去最大級の試練を覚悟すべき事態に。花粉予報によると、東北では例年の3倍、場所によっては過去10年で最多クラスの飛散が予測されています。「例年通り」が通用しない今シーズン、私たちの目と健やかな毎日を守るために何をすべきなのか、押さえておきたい花粉対策のキホンをご紹介します。
地域でここまで違う?2026年の花粉飛散予測
2026年の花粉シーズンは、これまでとは少し違う特徴があります。
専門家の間で注目されているキーワードは、「二極化」と「過去最多クラス」です。
今年は、日本全国どこでも同じようにつらくなるというよりも、地域によって花粉の量に大きな差が出る春になると考えられています。そのため、「去年は平気だったから今年も大丈夫」と思っている方ほど、注意が必要な年といえるでしょう。
特に注意が必要とされているのが、東北・北海道・関東エリアです。これらの地域では、前年の花粉飛散が比較的少なかった反動に加え、2025年夏の猛暑の影響で、スギの雄花が多く形成されました。その結果、東北北部では例年の3倍以上、過去10年でも最多クラスの花粉飛散が予測されています。これまで症状が軽かった方や、花粉症ではないと思っていた方も、今年は影響を受ける可能性も。
一方、九州・四国・西日本では、2026年は概ね「例年並み」と見込まれています。昨シーズンに花粉が多かった地域では、その反動でやや落ち着く見通しです。ただし、例年並みと聞くと安心してしまいがちですが、花粉症をすでに発症している方にとっては、例年でも十分につらい量です。症状が出やすい方は、引き続き対策が欠かせないでしょう。
若い世代にも広がる「花粉症デビュー」
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近年、花粉症を取り巻く環境は大きく変わってきています。以前は、花粉症は大人になってからなるものというイメージがありましたが、環境省『花粉症環境保健マニュアル2022』によると、日本では約2人に1人が花粉症を経験しているとも言われています。
2026年のように花粉の飛散量が多い年は、これまで症状がなかった方が一気に発症する、いわゆる「花粉症デビュー」が増えやすいといわれています。最近特に増えているのが、目のかゆみや充血、まぶたの腫れといった症状です。スマートフォンやパソコンを長時間使う生活が当たり前になり、ドライアイに悩む方が増えています。目の表面のバリア機能が弱っていると、少しの花粉でも刺激を受けやすくなります。その結果、目の症状が強く出てしまい、仕事や日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。
「目をこすっている」「鼻水がずっと続いている」など、子どもの様子がいつもと違うな?と思ったら、もしかしたら花粉症のはじまりなのかもしれません。
2026年の春を乗り切るための3つのポイント
今年の春は、花粉の飛散量が多い地域もあり、これまで以上に早めの備えが重要になります。
「毎年つらいけれど、結局いつも我慢してしまう」「症状が出てから対処している」という方も多いのではないでしょうか。
しかし、花粉症対策は始めるタイミングと考え方を少し変えるだけで、春の過ごしやすさが大きく変わるといわれています。ここからは、2026年の春をできるだけ快適に乗り切るために、今日から意識したい3つのポイントをご紹介します。
ポイント1:症状が出る前から始める「初期療法」
花粉の本格的な飛散は2月中旬以降と予測されていますが、症状が出る前、または飛散の2週間ほど前から点眼薬や内服薬を使い始める初期療法は、とても効果的です。かゆくなってから対処するのではなく、早めに炎症を抑えておくことで、ピーク時のつらさを軽減できる可能性があります。
ポイント2:花粉を家に持ち込まない工夫
外から帰ったら、衣服についた花粉を玄関で払う、玄関付近に空気清浄機を置くなど、室内に花粉を持ち込まない工夫が大切です。また、目についた花粉を落とす際は、洗眼液で強く洗うのではなく、防腐剤無添加の人工涙液を使って、やさしく洗い流す方法が推奨されています。
ポイント3:花粉症用メガネを上手に使う
最近の花粉症用メガネは、見た目が自然で、日常生活に取り入れやすいものが増えています。外出時に着用することで、目に入る花粉の量を減らす効果が期待できます。環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」によると、※花粉症用のメガネではおよそ65%も花粉を減少するとされています。 特に花粉の多い地域では、手軽にできる対策のひとつとして取り入れてみるとよいでしょう。
※大久保 公裕(2011)「的確な花粉症の治療のために」厚生労働科学研究
2026年の春は、花粉の量に地域差が大きく、「備えた人」と「何もしなかった人」で体感に大きな差が出る年になりそうです。ご自身の住んでいる地域の花粉飛散傾向を知り、早めに対策を始めることが大切です。特に東北・関東にお住まいの方は、2月中旬を迎える前に、一度眼科で相談してみるのもよい選択です。少し早めの行動が、春を快適に過ごすための大きな助けになります。
参考文献
https://weathernews.jp/pollen/
https://weather.yahoo.co.jp/weather/pollen/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/ace/7/2/7_25005/_html/-char/en?utm_source=chatgpt.com