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見えない・見えづらい方へのお役立ち情報

視覚障がい者が外出するときにサポートを受けられる福祉サービス「同行援護」とは

白杖で公園を歩く視覚障がい者とガイドヘルパー

みなさんは「同行援護」という言葉をご存じでしょうか。視覚障がい者が外出する際にとても便利なサービスですが、知名度はまだまだ低いサービスです。そこで今回はどのようなサービスなのかやサービスを円滑に行なえるよう開発されたアプリを紹介します。

視覚障がい者の外出

視覚障害者の目になるサービス同行援護

引用:視覚障害者歩行誘導ソフトマップ

 

私は視覚障害があり、ほとんど見えていませんが、見守ってくれている人や声をかけてサポートしてくれる人たちのおかげで毎日安心して通勤できています。
また、休日に外出するときには音声で目的地まで案内してくれるアプリなどを使っています。しかし、初めて行く場所では迷うことも多いので出かけるのが少し怖いと感じることがあります。
そういうとき、知人が「同行援護」を使っていると聞き、どのようなサービスなのか調べてみることにしました。

 

「同行援護」とは

同行援護」とは、視覚障害があり移動に困難を伴う人に同行し目的地に向かうために必要な情報提供や安全の確保をする障害福祉サービスです。
余暇活動(散歩・旅行・買い物・推し活など)であれば幅広く利用できますが、通勤や通学などでの長期間の利用や経済活動などは対象外です。利用中は移動の支援だけでなく代読や代筆など必要な援助も受けることができます。
「同行援護」を行う人をガイドヘルパーと呼び、同行援護従業者養成研修を受講することで資格を取ることができ、福祉事業所に登録すれば活動できます。
視覚障がい者が「同行援護」を利用するためには、居住地の市区町村の福祉窓口で申請を行ない、申請が通れば月に利用できる時間と自己負担額(世帯の所得による)が決まります。その後、福祉事業所に申し込みをすれば利用できます。

 

「同行援護」の課題点

「同行援護」は視覚障がい者にとって便利なサービスですが、さまざまな課題点があるといわれています。
視覚障がい者としては「予約をする際、電話やメールで事業所の営業時間内に連絡しなければいけない」、「依頼内容や実績などを代読でしか確認できないことに不安を感じている」など。
ガイドヘルパーとしては、「実績記録票を毎回記入したり、月末の書類の郵送が負担」、「シフトを提出した後、依頼が決まるまで自分の予定を入れられない」など。
福祉事業所としては、「紙からの転記や書類保管が負担」、「視覚障がい者とガイドヘルパーのマッチング業務が非効率」など。
このような「同行援護」の課題を解決しようと立ち上がったのが2人の全盲エンジニアです。

「同行援護」をDX化で円滑にするアプリ「おでかけくん」

 

同行援護アプリおでかけくんおでかけくんは「同行援護」のDX化を通じて、視覚障がい者・ガイドヘルパー・福祉事業所がより効率的に連携できるツールです。
開発のきっかけは、全盲の2人のエンジニアが上記の課題点の一つ「依頼内容や実績などを代読でしか確認できないことに不安を感じている」という声を聞いたことです。
視覚障がい者と健常者が協力することで音声読み上げ機能にも適したアプリが誕生しました。
当初は「みつき」という事業所だけで使用するためだけに開発したようですが他の事業所でも利用したいという声が増え、一般にリリースすることになりました。
リリース後、使用した視覚障がい者からは、
「自分の好きなタイミングで、スマホから依頼できて便利」
「ヘルパーとチャットでやり取りできて、おでかけが楽しみになりました」
「利用時間を自分で確認できるので安心して利用できる」など

ガイドヘルパーからは、
「帰宅中に電車の中で実績を送信でき、報告が楽になった」
「スマホ操作が不安だったが、分かりやすくてすぐに慣れました」など。

福祉事業所からは、
「夜間や休日の連絡がほとんどなくなり、精神的負担が減った」
「在宅やテレワークでも勤務でき、多様な働き方を選択できる」
「請求業務がワンクリックできるので、月初にも時間が取れる」など良い声がたくさん届いているようです。

 

終わりに

「同行援護」や「おでかけくん」について調べているうちに私も利用してみたくなりました。しかし、利用している友人からは、サービスを利用したい視覚障がい者に対してガイドヘルパーが不足しているという話も聞きました。
同行援護従業者養成研修は健常者であれば誰でも受けることができ比較的簡単にガイドヘルパーになれるようです。
視覚障がい者だけでなく、健常者の中からも「同行援護」に興味を持ってくれる人が増えると利用しやすくなると嬉しいです。

参考
同行援護とは?支援内容や対象者・移動支援との違いを簡単に解説 | Spotlite
https://spot-lite.jp/accompanying-support-what-is-as/

 

この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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