
地下鉄の北大路駅を降り西へ約30分歩くと、あたりは市街地の喧騒がやわらいで、古都らしい落ち着いた空気に変わっていきます。
京都市内に住んでいながら、これまで境内に足を運んでこなかった今宮神社を今回訪れました。
今宮神社は、平安建都以前より厄疫を鎮めるお社として創祀されました。氏神社である 今宮神社を信仰した西陣の八百屋生まれのお玉が大奥に入り徳川三代将軍家光の側室となり、その後五代将軍綱吉の生母となり出世をしたことから、玉の輿神社とも呼ばれます。 健康長寿、良縁成就のご利益で知られる今宮神社をご紹介します。
今宮神社の由来
今宮神社の起こりは古く、一条天皇の御世、平安建都以前より疫神を祀る社が紫野の地にあったといわれています。この時代になると都の各地でしばしば疫病や災厄がおこり、そのたびに疫神を祀って疫病を鎮める御霊会がおこなわれるようになります。
正暦五年(994年)に紫野の地で疫病が流行した際に、疫神を船岡山へ遷し無病息災を祈る「紫野御霊会」が行われました。再び長保三年(1001年)に疫病が流行したため、船岡山にお祀りしていた疫神を境内へ遷し新たに神殿三宇を設けて
大己貴命(おおなむちのみこと)
事代主命(ことしろぬしのみこと)
奇稲田姫命(くしなだひめのみこと)
三柱の神をお祀りし、疫神を祀る疫社とともに今宮社と名付けられ「紫野御霊会」が営まれました。これが今宮社の祭礼「今宮祭」の起源であり、現在は毎年5月に行われています。
鮮やかな鳥居と静寂の境内
今宮通りから見える大きな朱色の楼門は青空に映えて鮮やかで大変美しいものでした。
私も含め訪れる方は、まず楼門前で写真を撮られます。
境内には「本社」をはじめ、「疫社」「織姫社」など十一社の摂社・末社があり「開運良縁」などご神徳を求めお詣りし境内を参拝しています。
~厄疫除け~やすらい人形
本社の前に「やすらい人形」と書かれ、朱色の人形(ひとがた)が沢山納められています。
「やすらい人形」は社務所で授与されており、人形には名前等を記載し本殿前に納め、「蘇民将来子孫也」の札は持ち帰り家の門口に飾ったり財布等身につけておくことで「厄疫除け」となり一家が災いなく繁栄するといわれています。
~願いが叶う~阿保賢の石
そして境内には、どうしても触れてみたかったものがあります。「阿呆賢(あほかし)さん」と呼ばれる石。「重軽石(おもかるいし)」ともいわれる神占石は「叩くとおこる石」「願いが叶う石」とも云われています。
1,手の平で三度軽く石を叩いて持ち上げる
2,心に願いを念じながら優しく撫でる
3,もう一度持ち上げてみる…
軽くなれば願いは叶うといわれています。
私も目の健康を願って持ち上げてみました。心持ち軽くなったような。
ふと後ろを振り向くと行列ができていました。
~参拝後に外せない~あぶり餅
参拝を終えると、お待ちかねの「あぶり餅」のお店が並ぶ参道へ。
今宮神社といえば、やはり「あぶり餅」は外せません。
参道には「一和」と「かざりや」という二軒の老舗が軒を並べています。
どちらも「元祖」を名乗り、千年以上の歴史があるといわれています。
※「かざりや」さんは江戸時代の創業になります。
どちらに入ろうか少し悩んで、店員さんが呼びかけてくれた「かざりや」さんにに入りました。
細長くちぎられた餅が15本ほど串に刺さり、白味噌だれがとろりとかかっています。炭火で炙られ運んでいただいた「あぶり餅」はとても香ばしく、口に入れると外はこんがり、中はふんわり。甘さと香ばしさが絶妙に絡み合い、思わず一人笑みがこぼれました。
終わりに 魅力再発見
こうして今宮神社を訪れた一日は、私にとって京都の新しい魅力を知る時間となった。疫病退散を願う人々の祈り、ユーモアの中に込められた信仰心、そしてずっと変わらない甘い味わい。
すべてが混ざり合って、今宮神社は他にはない特別な場所に感じました。
京都を歩くときには、ぜひ今宮神社へ足を運んでほしいと思います。
「やすらい人形」、「阿呆賢の石」に願いをかけ、最後にあぶり餅を味わう。きっと、その日だけはいつもよりは幸せな気持ちになれる…
私もそうでしたから。
>アクセス
市バス46番『今宮神社前』下車すぐ
1番・12番・204番・205番・206番・北8番・M1番『船岡山』下車 徒歩7分
>アクセス
>住所
〒603-8243
京都市北区紫野今宮町21
>お問い合せ
TEL 075-491-0082
>備考
【受付時間】9:00~17:00
>URL
http://www.imamiyajinja.org/index.html