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見えない・見えづらい方へのお役立ち情報

視覚障がい者だけじゃない、視力が低下した人が見る幻「シャルル・ボネ症候群」とは

浅野麻里さん(セア麻里さん)の作品自転車

浅野麻里さん(セア麻里さん)の作品自転車

私は網膜色素変性症という目の病気で徐々に見えなくなってきているのですが、最近太陽や電気の光とは違う明るい光のようなものが見えるようになりました。これは何だろうと思い調べてみると、さまざまな目の病気で視力が低下したときに幻が見える症状があることを知りました。今回はそんな「シャルル・ボネ症候群」のことを紹介します。

シャルル・ボネ症候群とは

「シャルル・ボネ症候群」は、視力が低下している以外健康な方(認知症や精神疾患などがない方)が、実際には存在しない幻が脈絡なくリアルに見えるという症状です。
見えるものとしては人や小動物、明るい光や色が多いそうで本人は自分が幻を見ていると認識しています。目を閉じたり視線をそらすことですぐに消えることもあれば、数時間見え続けることもあるようです。
幻がどんなときに見えるのかは解明されていませんが、ストレスや眩しい光を見たり、暗い場所に入ったときなど明るさが急に変わることが原因の一つだと考えられています。

なぜ幻が見えるのか

そして、幻が見えるメカニズムの解明もまだされておらず、可能性の一つとして考えられているのが、幻肢(げんし)現象と類似したものであるという説です。
幻肢現象とは、けがや病気により四肢を切断した人が、指がまだあるように感じたり、あるはずのない腕に痛みを感じたりする症状です。これは脳が失った手足の感覚を補っているためで、著しい視力低下で目からの情報が激減すると、幻肢現象と同じように脳が失った視力を補おうとしているのではないかと考えられています。

視力低下の原因となる目の病気

視覚障がい者の白杖を持つ男性

視力を低下させてしまう目の病気はたくさんあるのですが、特に多くの方に関係があるものを紹介します。

  1. 網膜色素変性症
    目の奥にある網膜に異常が起こる遺伝性の病気です。4,000人から8,000人に1人発症するといわれていて、視力低下に加えて、見える範囲が狭くなったり、暗い場所で見えない夜盲症が主な症状です。
  2. 緑内障
    目の奥にある視神経に異常が起こり、見える範囲が徐々に狭くなっていく病気です。
    40歳以上の方の20人に1人は緑内障だといわれていて、気がついたときにはかなり症状が進行していることも珍しくなく、早期発見・早期治療が重要な病気です。
  3. 黄斑変性
    加齢により目の奥にある網膜の黄斑と呼ばれる部分に出血やむくみが現れ、視力が低下する病気です。加齢のほかに、紫外線・喫煙・遺伝・生活習慣なども原因だといわれています。症状はものが歪んで見えたり、視界の中心部分が暗く見えるなどです。
  4. 白内障
    目の中でカメラのレンズのような働きをする水晶体が年齢と共に白く濁って視力が低下する病気です。70代では8割以上、80代ではほぼ100%の方が発症しているといわれています。症状はかすんで見える、眩しく見える、暗い場所で見えづらいなどです。

まずは眼科へ

上記で紹介した病気の中には治療が難しいものもありますが、手術や治療、見る機能をできるだけ高めることで、幻が見える症状が改善したという方もいらっしゃるそうです。
もし幻が見えることで悩んでいる方はまず眼科へ行き、医師に相談してみましょう。

最後に

「シャルル・ボネ症候群」は私のように視覚に障害がある方や高齢者に多く、みられますが認知度は低いようで、認知症や精神的な病気なのではと心配され、症状について家族や友人などに話せない方も多いようです。私も今回自分の見え方に疑問を感じ、調べてみて初めてこの症状のことを知りました。私もまだまだ知らないことばかりです。
また新たな発見があればご紹介していきます。

参考URL
真に迫る幻視、シャルル・ボネ症候群 | いわい中央クリニック
http://www.iwaichuo.com/staff/20180910

この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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