これまで、視覚障がい者を助けてくれる文字を音声で読み上げてくれるアプリや外出時に音声や振動によりナビゲーションしてくれる機器等さまざまなものを紹介してきましたが、今回は、離れた場所からボランティアの方のサポートを受けたり、AIによる画像解析をしてくれるアプリを紹介します。
アプリ開発のきっかけ
視覚に障害があると、日常生活のさまざまな場面で困ってしまうことがあります。一人暮らしでサポートしてくれる方がいない場合や、見えている方と一緒に暮らしていても必要なときに手伝ってもらえるとは限りません。視覚障がい者が困ったときに離れた場所からでもサポートができるようにと開発されたのが「Be My Eyes」です。このアプリにはボランティアのサポートが受けられる「サポートを受ける」とAIによる画像解析ができる「Be My AI」の2つのサポート方法があります。
サポートしてくれるボランティアは数百万人!
まず「サポートを受ける」では、視覚障がい者が困った時にスマートフォンのカメラを通して、健常者のボランティアから視覚的なサポートを受けることができます。アプリは世界中で利用されていて、登録しているボランティアは数百万人。そのためサポートを依頼してからほとんどの場合30秒以内に対応してくれる方が見つかるそうです。
そして、居住地や利用する言語を180以上の中から設定できるので、言葉が通じないということもありません。しかも無料で利用することができ、回数制限もありません。
こんなときに利用できる
「サポートを受ける」はどのような場面で利用するかというと「落とした物がどこへいったかわからない」「服の色の確認や色合わせをしたい」「食料品の賞味期限が知りたい」「迷子になったので周りの状況を確認したい」「交通機関の出発時間がわからない」など屋内屋外問わずスマートフォンの通話が可能な場所であればさまざまなサポートを受けることができます。
実際に、知り合いの視覚障がい者が迷子になりこのアプリで知っている場所まで戻ることができたという話を聞きました。
AIによる画像解析を使ってみた
もう一つの機能「Be My AI」では、ボランティアのサポートを受けなくてもスマートフォンのカメラで撮影した画像をAIが解析し、教えてくれるというものです。試しにわかさ生活のキャラクターである「ブルブルくん」を撮影し解析してみると「この写真には、白いテーブルの上に紫色のぬいぐるみが写っています。ぬいぐるみは大きな白と紫色の目と、緑色の足を持っています。背景には、白いレンガ壁と、グレーのメッシュバックの椅子が見えます。」というように、どこに何があり、どんな色をしているのか説明してくれました。
AIの解析能力は完全なものではないですが、全盲の方でもこれだけの情報が確認できればかなり助かると思います。
最後に
街で白杖を持った方を見かけても、どのように声をかけていいのかわからないと言う声をよく聞きます。このアプリは多くのボランティアの方のサポートにより成り立っています。
もし、何か手伝いたいけどどうすればいいかわからないと思っている方は、ぜひボランティアの登録をしてみてはいかがでしょうか。きっと困っている誰かの助けになるはずです。
※サポートする側も受ける側も個人情報の入力などはなく簡単に登録することができます。
参考URL
・「Be My Eyes iPhone版ダウンロード
https://apps.apple.com/jp/app/be-my-eyes-helping-blind-see/id905177575
・Be My Eyes android版ダウンロード
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.bemyeyes.bemyeyes&hl=ja&gl=US