前回は「増えている子どもの弱視」についてお伝えいたしました。
ご覧いただき実際の対策で悩んでおられる親御さまもいらっしゃるかと思います。
「子どもが弱視と診断されてから訓練をしているけど、嫌がってしまう」
そう思われる方も多いでしょう。
本記事では、アイパッチや点眼などの弱視訓練を嫌がってしまうお子さまでも、楽しく訓練ができる「Occlu-pad(オクルパッド)」について紹介します。基本的な情報からおすすめな理由、利用する前の注意点をわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
Occlu-pad(オクルパッド)と他の弱視訓練との違いは?
Occlu-padとは、タブレットと特殊なメガネを用いた弱視訓練器です。小児の弱視患者を対象として開発されました。北里大学医療衛生学部の半田知也教授が考案し、2015年5月から各医療機関で取り扱われています。タブレットに内蔵されている7つのゲームで遊びながらの弱視訓練ができます。
【参照】株式会社コト
アイパッチや点眼などの弱視訓練との違いとしては、患者への負担が少ない点です。アイパッチは、長時間着用していると目がかぶれてしまう可能性があります。また、点眼での弱視訓練の場合、1日以上視界が制限されるので、患者の負担が大きくなってしまうのが問題点でした。
しかし、Occlu-padなら短期間・短時間で訓練が行えるうえ、目を塞がずに訓練できるので、目がかぶれることもありません。弱視の治療はタイムリミットがあるので、短期間・短時間で弱視訓練を行えるOcclu-padは、弱視患者の負担を軽減できます。
Occlu-pad(オクルパッド)がおすすめの理由
Occlu-padとはなにか、他の弱視訓練との違いがわかってくると、利用してみたいと思う方も出てくるのではないでしょうか?
ここからは、Occlu-padを実際に利用するかの参考にしてもらえるように、Occlu-padの何がおすすめなのかを具体的に解説します。
ゲーム感覚で訓練できる
Occlu-padは、タブレットに内蔵された7つのゲームを通じて、弱視訓練を行います。ゲーム内容は、以下の通りです。
- 羊バリカン
- 窓ふき
- モグラたたき
- 動物キャッチ
- 卵運び
- リフティング
- エイリアン
ゲームをクリアするごとに、難易度が上がる仕様になっていて、患者(特にお子さま)は飽きずに弱視訓練を続けられます。さらに、報酬システムが導入されており、クリアするとゲーム内でガチャガチャができるようになっています。
【参照】株式会社コト
弱視訓練にゲーム性を取り入れることで患者が飽きずに続けられ、早期改善を期待できるのもOcclu-padをおすすめする理由の1つです。
訓練にかける時間が短い
Occlu-padは、アイパッチの弱視訓練よりも視力1.0に到達する期間が短いという研究結果が報告されています。つまり、Occlu-padを利用して弱視訓練を行うと、短い期間で視力が向上するということです。
【参考】さこう眼科
弱視訓練の期間が短ければ、訓練に充てる時間はもちろん、通院する回数も減るので、患者の負担も減ります。さらに、訓練期間が短いことで患者のモチベーションも保ちやすくなり、自発的に訓練をしてくれる可能性もあがるでしょう。
Occlu-pad(オクルパッド)の注意点
次はデメリットや注意点も気になるところでしょう。ここからは実際に利用する前に注意しておく点を3つ紹介します。
ご利用を検討の際は以下の注意点を参考にしてみてください。
- 取り扱いが医療機関のみ
- 医療機関によってレンタル料が異なる
- 長時間の使用は控える
それぞれ解説します。
取り扱いが医療機関のみ
利用を検討する際に気をつけて欲しいのが、Occlu-padの取り扱いは医療機関のみで、一般販売していない点です。専門の医師または視能訓練士の指導が必要となっています。Occlu-padを取り扱っている医療機関は以下のリンクからご覧ください。
医療機関によってレンタル料が異なる
前提として、Occlu-padを利用する際は、購入ではなく貸し出しなので、レンタル期間が終了したら返却する必要があります。業者から借りるOcclu-padのレンタル料を医療機関側が負担するのか、患者側が負担するかによって料金が変わってくるのです。
無料で貸し出してくれるところもあれば、月15,000円のレンタル料が発生するところもあります。診断を受ける前に、Occlu-padのレンタル料について聞いておくと良いでしょう。
長時間の使用は控える
全てのデジタル機器に言えることですが、長時間の使用は控えましょう。Occlu-padの1日の使用時間は、1時間です。1時間で弱視訓練を行えるのは魅力的ですが、ゲーム性が強いので、患者側が夢中になって1時間以上利用してしまう恐れがあります。
長時間の使用は、眼疲労や一過性の近視になる可能性もあります。当然のことですが、担当の医師の指導を必ず守って利用しましょう。
まとめ
本記事では、ゲーム感覚で弱視訓練ができるOcclu-pad(オクルパッド)について紹介しました。アイパッチや点眼を使用した弱視訓練だと、訓練時間が長かったり、副作用があったりと患者の負担が多く、苦手意識をもってしまうこともあります。特に、未就学児の場合、我慢して続けるのは難しいです。
しかし、Occlu-padなら短時間の訓練で十分なので、患者の負担も軽減します。両目を開けたまま訓練ができるので、日常生活に溶け込みやすいのも魅力です。Occlu-padの利用を検討する際は、ぜひ本記事を参考にしてください。
参照元
メノコト365
増えている子どもの弱視。早期発見と早期治療のために