国内有数の豪雪地帯である、新潟県津南町。
年間の降雪量・積雪量が非常に多いため、毎年多くの方がウインタースポーツを楽しみにこちらを訪れます。
雪深く見舞われる町に、眼病平癒にご利益があるといわれている『不動明王像』が安置されたお寺、「見玉不動尊」があります。
今回は、見玉不動尊をご紹介します。
見玉不動尊(みだまふどうそん)について
大きな杉木立の中に佇む「見玉不動尊」。
見玉不動尊が建つ秋成地区には「平家の落人(おちうど)伝説」が残されています。
文治元年の壇ノ浦の戦いにより平家は滅亡し、生き残った一門たちは、追討の難を逃れるべく、全国各地へと身を潜めました。
平清盛の家臣であった宮本清左衛門も落人の一人で、清左衛門は平家の守護神であった不動明王像を背負い、文治2(1188)年にこの地にやって来たといいます。
清左衛門はその不動明王像をご本尊としてこの地に安置し、自ら初代住職となって「正宝院(しょうほういん:見玉不動尊の正式名称)」を開山したといわれています。
不動明王像の裏には「清盛内知見」という文字が彫られ、平家一門が不動明王像を篤く信仰していたことが伺えます。
文政5(1822)年に伽藍4棟と平清盛の願文が焼失しましたが、幸運にも不動明王像は焼失の難を逃れ、現在も本堂に大切に安置されています。
見玉不動尊に残る眼病平癒のお話
見玉不動尊は眼病平癒にご利益があることから、別名「目玉のお不動様」とも呼ばれています。
ご本尊の不動明王像は天平5(733)年に行基菩薩の作と伝えられます。
その不動明王像に眼病治癒の祈願をしたところ、眼病が快癒したという人が多く、古くから眼病平癒にご利益のある「目玉のお不動様」として知られるようになりました。
病院や医師が少なかった時代、こちらのお堂にこもって一生懸命に眼病平癒の祈願を行った人の多くが、眼病が治癒したという人が多いと伝えられています。
また、境内には「めぐすりの木」が植えられ、昔はこの木の皮を煎じて洗眼して目薬にしていたのだとか。
授与所では眼病平癒のお守りやお数珠等の授与が行われています。
現在でも、眼病平癒のお守りを頂きにくる方が絶えないのだといいます。
手術の際に見守っていてほしい方や、眼の調子を悪化させたくないといってお守りを頂いた知人がご利益を得られたという口コミが広まり、人気となっているようです。
見玉不動尊の見どころ
眼病治癒の逸話が多く残されている、見玉不動尊。
境内の入口である仁王門には、吉沢仁太郎氏から寄進された高さ約2メートル半の阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)の金剛力士像が安置され、その門をくぐると境内の横に滝が流れています。
マイナスイオンを放ちながら大きな杉木立の中を流れる滝は、七つの流れから構成されています。
その滝の水を飲むと長生きに良いことから、「延命水」として古くから飲用されてきました。
こちらは夏場でもひんやりとしていることから、涼を求めてこちらを参拝に訪れる方も多いのだとか。
マイナスイオンと眼病平癒のご利益のパワースポットである見玉不動尊でひと時の時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
>アクセス
「津南町役場」より車で約15分、JR「十日町」より車で約50分
>住所
新潟県中魚沼郡津南町秋成9761番地(見玉)
>お問い合せ
025-765-3886
>備考
【拝観料】無料【参拝時間】自由