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走りたいを叶えてくれたパラスポーツ

マラソンの練習をする視覚障がいの方とわかさ生活のスタッフ

みなさんは、パラスポーツをご存じでしょうか。
パラスポーツとは、身体機能や知的発育に何らかの障がいがあっても行うことができるよう考えられた競技のことです。

私も視覚に障がいがありますが、今までに野球やバレーボール、マラソンなど多くのパラスポーツに参加してきました。
パラスポーツにはたくさんの競技があるのですが、競技内容についてあまり知らないという方がほとんどだと思います。

そこで少しでもパラスポーツのことを知っていただきたいと思い、私が参加した競技の中から「障がい者のマラソン」を紹介したいと思います。

視覚障がい者は一人で走れるの?

私は網膜色素変性症という病気のため視野がわずかしかなく、少しは見えていますが一人では危なくて走ることができません。しかし、伴走してくれる方がいれば走ることができます。

2人で1本の伴走ロープを持ち、視覚障がい者のランナー(ブラインドランナー)が危なくないように、伴走者がロープを操作するとともに声をかけることで長い距離でも安心して走ることができます。

視覚障がい者と伴走者をつなぐ「きずな」

しかし、視覚障がい者が走りたいと思っても、一緒に走ってくれる方を見つけるのは大変です。私の場合は、近くに視覚障がい者のランニングチームがあり、定期的に練習会をされていることを友人から聞き、参加させてもらうことにしました。

視覚障がい者のランニングチーム

「賀茂川パートナーズ」は京都の賀茂川を拠点に活動されている視覚障がい者のランニングチームです。

走るのが得意ではなかったので初めて参加した時は上手く走れるか心配していたのですが、視覚障がい者ランナーの走れる距離やスピードに合わせて、同じくらいの走力を持つ伴走者とペアになるよう調整していただいたので安心して走ることができました。

「きずな」をもって伴走者と息を合わせて走る様子

見えなくても川の流れる音や花の香りを感じながら走ったり、伴走者の方が周りの情景を教えてくれたり、楽しく話をしながら走ることができる練習会でした。

何度か参加しているうちにさまざまな場所でマラソン大会が行われていることを知りました。大会に参加してみないかと声をかけていただき、まずは京都で行われる視覚障がい者のマラソン大会に参加することにしました。

視覚障がい者マラソン大会への参加

私が参加したマラソン大会は「京都ふれeyeブラインドマラソン大会」という大会です。大会に参加して驚いたのは、この大会には視覚障がい者の部門だけでなく、視力に関係なく親子で参加できる部門があったことです。

小さな子どもと一緒に走るお父さん

この大会は「障がいの有無にかかわらず、誰もがスポーツを楽しめる場を提供したい」「次代を担う子どもたちに障がい者への理解を深め、豊かな心を育んでもらいたい」との想いから始まったそうです。

この大会で記憶に残っているのは、10kmの部門に参加した時のことです。私がまだ5kmか6kmくらいのところなのに、もうゴールした選手がいるというアナウンスが聞こえ「ものすごく速い!」と大変驚きました。

その方はパラリンピックでメダルを取るほどの選手だったと聞き、世界で活躍している選手のレベルの高さを目の当たりにしました。

車いす、義足でのマラソン競技

ここまで視覚障がい者のマラソンを紹介してきましたが、他にも車いすマラソンやスポーツ義足でマラソンに出場されている方がいらっしゃいます。

車いすマラソンは「レーサー」と呼ばれる競技用車いすを使うスピード感あふれる競技で、下り坂ではなんと時速50kmになるため、坂が勝敗を分けるポイントの1つとなります。

また高速でコーナーに突入し、トップスピードでも崩れない身体バランスと巧みな車いす操作によるコーナリングが見どころです。

疾走感あふれる車いすマラソン

車いす以外にも、義足のマラソン選手もいます。
義足で長い距離を走れるのか、と疑問に思われるかもしれませんが、運動用のスポーツ義足というものがあり、その義足を使いこなすための努力と鍛えられた身体が融合することで長い距離を走りきることができるのです。

まとめ

今回はパラスポーツの1つであるマラソンを紹介しました。パラスポーツには他にもたくさんの競技があります。例えばパラリンピックだけでも22競技、500種目以上が行われます。

障がいの状態によって、細かくクラス分けされていることにより、同じくらいの実力者同士の熱い戦いが見られたり、健常者とのコンビネーションによる高いパフォーマンス、義手や義足、車いすを巧みに操る姿など、パラスポーツならではの魅力がいっぱいです。

そして、陸上競技は競技のレベルも高く、パラ陸上の記録が健常者の記録を上回ることもあります。身体的ハンディをもっていても健常者と変わらずスポーツにうちこむ姿には心をうつものがあります。
今年の夏はパラリンピックの開催も予定されているのでチェックしてみてください。

 

【参考】
賀茂川パートナーズ

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この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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