テレワークやステイホームの影響により、デジタル機器の長時間使用が気になります。そのため我々現代人の目は過重労働であり、前回までの記事で「目の働き方」について触れてきました。
▼前編:目の働き方を見直さないと起こるかもしれない目のトラブルはこちら
▼中編:目の働き方を見直すためには「小さな習慣」が大事!はこちら
今回の記事では、目のトラブルを起こさないように目の機能を鍛えるトレーニング方法と、目の不調が出た際のケア方法をご紹介します。
目の悩みがすっきり!「眼トレ」に挑戦してみましょう
「眼トレ」というと、筋トレのように聞こえますが、実際は目のストレッチのようなものです。これからご紹介する眼トレは、決して筋トレのように負荷をかけて行うものではないのでご安心ください。「眼トレ」を行うことでピントを合わせる機能の向上やドライアイなどの目の不調の改善が期待できます。
また「眼トレ」を行うことは「見る」ために欠かせない脳への刺激にもなりますので、ぜひ楽しみながら実践してみてくださいね。
脳も一緒に鍛えよう!ゲーム感覚でできるプチトレ
基本は見るだけですが、数や順番、組み合わせを考えながら目で追ったり、色の違いを感じたりすることで脳トレにもなります。
仲間探しトレーニング
やり方:表情の異なる4つの顔の中からひとつ決め、同じ表情を探して数えます。全体を眺めながら目だけ動かして探しましょう。
読み取りトレーニング
やり方:ランダムに並んだアルファベットを、目だけで「A」から「Z」まで順に追っていきます。顔は動かさず、全体を眺めながら探しましょう。慣れてきたら英単語をいくつか決めて探し出してみましょう。色や形も識別することで脳への刺激も期待できます。
色彩トレーニング
やり方:上下でセットになっている四角形を、5秒ずつ見つめます。1セット終わったら隣に移動し、全部で6セット行います。上段は濃い色、下段は薄い色に囲まれていて、背景の色の濃淡によって、中の四角形の色が違って見えます。
コントラストの効いた色の違いを意識することで、色に対する感度も高まりますよ。
疲れをリセットするお手軽アイケア
ここからは、目の疲れを感じた時やデスクワークの合間に行えるアイケアについてご紹介します。眼トレの前後や就寝前の習慣として続けるのも良いですよ。
ギュッとしてパッ!とまばたきする
- 目に力を込めてギュッとつむり、2秒数えます。
- 次にパッと目を大きく開き、そのまま2秒間キープします。
これらの動きを5回繰り返します。この動きで目の周囲の筋肉をほぐし、ドライアイを解消する効果も期待できます。
眼球ぐるぐる運動
目を閉じて、疲れない程度に眼球をぐるぐる回して目を開けます。この運動は眼球の周りの筋肉をほぐして、血行を促します。
※眼圧が高めの方、目に病気がある方はトレーニングの実施について主治医にご確認ください。また、目を動かしはじめて目の痛みを感じることがあったら、中断して眼科を受診してください。
眼精疲労にはほかに、ホットアイマスクも効果的です。リラックス効果もあるので就寝前におすすめです。
目に良い栄養素を上手に取り入れる
すぐに効果が期待できるアイケアの方法ではありませんが、体の内側からのケアとして、目に良い栄養素を積極的に摂取することも大切です。
ブルーベリーやカシスは、眼精疲労に良いとされるアントシアニンを含みますし、ビタミンCも豊富です。緑色の濃い野菜であるほうれん草などに含まれるルテイン・ゼアキサンチンや、えびや鮭などの食材に含まれる赤い色素アスタキサンチンなど目に良いとされる栄養素はいくつか挙げられます。
これらの栄養素は普段の食事から摂ることが理想的ですが、食の欧米化が進み偏った食生活を送る現代人においては、バランス良く栄養素を摂取するのはなかなか難しいことですし、栄養バランスの良い食事を毎日・毎食考えるということがストレスに感じる人もいるでしょう。
そのような場合には食事とサプリメントを併用して栄養を上手に取り入れることもおすすめです。
最後に
前・中・後編にわけて目の働き方を見直すことの重要性についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか。
自分の目の健康を守ることができるのは、自分だけです。
「なんだか最近目に違和感があるけど病院に行くほどではないかな」、「長時間目を使い続けているけど、別にケアするほどでもないかな」などと考えるのではなく、しっかり毎日の生活から自分の目と向き合って、自分の目を守る行動をとっていくことが大切です。
また、自分の生活を見直し、目に良い習慣を身につけていくことで、失明の恐れがある目の疾患の発症を抑えることができるかもしれません。
この記事で、目を酷使し続けることの危険性に気づき、これならできそうかなという習慣を見つけるきっかけとなれば幸いです。ストレスなく毎日実践できるような自分に合った方法を見つけて目を労わりましょう。
■前編:目の働き方を見直さないと起こるかもしれない目のトラブルはこちら
■中編:目の働き方を見直すためには「小さな習慣」が大事!はこちら
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考】
・『若々』2021年3月号
・『視力悪化が気になる方へ眼科専門医と考えた「測るだけ眼トレ」ブック』
著:わかさ生活 監修:眼科専門医 林田康隆 発行所:株式会社アスコム
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