見えづらい方へのお役立ち情報

目が見えない・見えにくい人の生活をサポートするデザイン

視覚しょう害者に役立つ2種類の点字ブロックと白杖

私のような視覚障がい者の生活をサポートしてくれるデザインの中には、みなさんが何気なく目にしているものがたくさんあります。今回はその中から身近なものを紹介します。

外出をサポートする点字ブロックとは

正式名称を「視覚障がい者誘導用ブロック」といい、視覚障がい者が足の裏の感覚や白い杖で認識できるよう表面に凸凹をつけています。

点字ブロックの種類には、これ以上進むと危ないという場所にある、警告ブロック(点状ブロック)と進む方向を教えてくれる、誘導ブロック(線状ブロック)の2種類があります。

視覚障がい者にとって方向や危険を示す2種類の点字ブロック

駅やバス停、交差点などの危険な場所を、視覚障がい者が安全に歩けるよう設置されており、日本人にとっては見慣れた風景かもしれません。しかし、この点字ブロック、外国では見かけることが少ないようです。

点字ブロックの歴史は意外と新しく、1965年に1人の日本人発明家によって考案され、1967年に岡山県立岡山盲学校に近い国道交差点周辺に世界で初めて設置されました。実は日本が発祥なのです。 その後2012年には点字ブロックの国際規格として日本のJISを基に定められ、今では他の国でも使われるようになっています。

視覚障がい者は点字ブロックの種類を白い杖や足の裏で確認したり、周りの音を聞くことで安全を確認しています。しかし、点字ブロックの上に自動車や自転車が止まっていても視覚障がい者は気付くことができずにぶつかり、怪我をしてしまうことがあります。私もぶつかったことがあり、手や膝をすりむいたことや白い杖が曲がってしまったことがあります。

また駅のホームに設置された点字ブロックは、視覚障がい者が安全に歩けるように工夫されています。しかし点字ブロックの上に荷物が置かれていたり、人が立ち止まっていたりすると、視覚障がい者はそれをよけた後、自分がどこを歩いているのか分からなくなることがあります。

ホームに落下防止柵を設置している駅が増えていますが、視覚障がい者の線路への転落事故がなくなったわけではありません。

皆さんも点字ブロックの上に荷物を置いたり、立ち止まって話しこんだりしていないか、また自転車屋車を置いたりしていないか少し気をつけてみてください。

もし道路や駅のホームなどで「危ない」と感じる場面に出会ったら、ぜひ手引きや、声かけをお願いします。

歩道に止めた自転車で通りづらい様子の視覚障がい者

読む、書く、そして伝えることができる点字とは

点字とは視覚障がい者が指などで触って読むことができるよう考えられた文字のことで、6つの盛り上がった点で構成されています。読み書きできる人は少ないですが、漢字を点字にした「漢点字」もあります。 そしてみなさんが普段読み書きしている文字は「墨字(すみじ)」と言います。

点字が考案されるまで、視覚障がい者のための文字として試されていたのは、墨字を紙や木に盛り上げた「浮き出し文字」や紐の結び目で文字を表す「結び文字」でした。しかしこれらは視覚障がい者にとって読むのも書くのも困難なものだったようです。

19世紀初め、浮き出し文字を使っていたパリの盲学校に「12 点式点字」が持ち込まれました。それはもともと暗闇でも触って読むことができる軍隊用の暗号として使われていたものでした。

盲学校の生徒であるルイ・ブライユ(Louis Braille 1809-1852)が、視覚障がい者が使いやすいように改良し、縦3点・横2列からなる「6 点式点字」 が 1825年に生まれ、さらにルイ・ブライユが亡くなった2年後の1854年にフランス公式の文字として認められました。 その後、点字は欧米各国に普及し、今では世界中で使われるようになりました。

1890年(明治23年)11月1日、それまでアルファベットや数字を表す点字だったものを、石川倉次(いしかわ くらじ 1859-1944)が日本人に使いやすくするために50音で表すよう考案し、日本での採用が決まりました。11月1日は現在、「日本点字制定記念日」とされ、石川倉次は「日本点字の父」と称えられています。

フランスで生まれた点字は、100年以上の歴史の中でより使いやすく改善され、さまざまな商品や場所に使われています。 お酒の缶の飲み口の近くには「おさけ」という点字がつけられていたり、エレベーターのボタンの横にも点字がつけられています。みなさんが目で墨字を読んでいろいろなことを知ったり、伝えたりするのと同じように見えない・見えにくい人にとって点字は大切なものなのです。

視覚障がい者にとって読む、伝えるサポートとなる点字

見えない人のためだけじゃない?ユニバーサルデザインとは

文部科学省によると、ユニバーサルデザインの定義は、「ユニバーサルデザインとは調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲ですべての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計をいう。」とあります。(文部科学省「障害者の権利に関する条約(抄)第 2 条 定義)
つまり、障がいの有無にかかわらず、誰もが最初から同じように使うことができるようデザインされたものということです。

身近なユニバーサルデザインの生活用品として「便利だな」と思うものをいくつか紹介します。

1つ目は、パソコンのキーボードの「F」や「J」さらに電話機の「5」に触ってわかる印がついていること。 この印のおかげで、誰の手も借りずにパソコンを使ったり、電話をかけることができます。

2つ目は、電化製品の電源ボタンのON・OFF に印が付いていること。 この印は視覚障がい者にとってかなり役立ちます。

3つ目は、シャンプーの上部や側面についているギザギザ。 このギザギザを確認することで、シャンプーとリンス・コンディショナーを間違えずに使うことができます。 これは、視覚障がい者だけでなく、近視の方や、洗髪中に目を開けられない方などにも、便利ではないでしょうか。このように触って操作や確認ができるユニバーサルデザインの商品が増えているのでとても助かっています。

見なくても触ってわかる印の入ったシャンプーの容器

まとめ

今回は、みなさんが普段何気なく目にしているものの中で視覚障がい者の助けになっているものや障がいの有無に関わらず使うことができるものを紹介しました。
このようなデザインが活かされたものが増えることで、生活がより便利になりますし、視覚障がいがある人にとっても必要不可欠なものになっています。
すべての人にとって使いやすいものがもっと増え、暮らしやすい世の中になることを願っています。

 

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考】
・社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合「点字ブロックについて」
http://nichimou.org/impaired-vision/barrier-free/induction-block/
・社会福祉法人 日本点字図書館
https://www.nittento.or.jp/index.html

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この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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