牛タンや笹かまが有名な宮城県仙台市。その中心部にある商店街の中に、「三瀧山不動院(みたきさんふどういん)」というお寺があります。
こちらには福の神「仙台四郎(せんだいしろう)」が祀られていることでも有名ですが、実は眼病平癒のお寺としても知られているのです。
一体どのような言い伝えがあるのでしょうか。
メノコト編集部スタッフが現地に足を運び、調べてきました。
賑やかな商店街の中にある「三瀧山不動院」
仙台駅で下車し、買い物客や観光客で賑わうクリスロード商店街を歩いていくと、「三瀧山不動院」の入口が見えてきました。
山門をくぐると両脇に仲見世が連なり、その奥に三瀧山不動院の本堂が建てられています。
三瀧山不動院は、真言宗智山(ちさん)派に属する商売繁盛や家内安全等を願う加持祈祷(かじきとう)の専門寺院です。加持祈祷とは、専門の病気や災難などを払うために行うご祈祷、またはその儀式のことです。
こちらはご本尊の不動明王像。
安生3(1857)年に地元仏師・中川兵衛作の「大日大聖不動明王(三瀧山不動尊)」がお祀りされています。不動明王像は酉年生まれの守り本尊でもあることから、こちらには酉年生まれの方も多く参拝に訪れるのだとか。
そして、こちらのご本尊は眼病平癒にご利益がある「目の守護仏」としても知られています。
目にご利益をもたらす不動明王像の言い伝え
三瀧山不動院は、慶応元(1865)年に加藤タケ尼律師が眼病平癒を願ったことから、「目の守護仏」として仙台市で有名になりました。
それによると、こんな言い伝えが残っています。
加藤タケ尼律師は眼病平癒を祈願するため、お不動様に供える水を汲みに出かけました。その時、四寸ほどの不動明王像を水の中から拾い上げたのだとか。律師は大変喜び、その不動明王像を床の間に安置したところ、突然神がかり状態となり、予見したことが全て的中し、人々を驚かせたといわれています。
現在もこちらに眼病平癒を願う人々が絶えず訪れ、またお寺の近くに眼科が多いことから、眼科帰りに立ち寄る方もいらっしゃるのだとか。
飾れば商売繁盛!?千客万来のシンボル「仙台四郎」
ここ三瀧山不動院は眼病平癒のお寺として有名ですが、商売繁盛の福の神「仙台四郎(せんだいしろう)」がお祀りされていることでも知られています。
「仙台四郎」は江戸時代末期から明治35(1902)年頃に仙台に実在した人物で、四郎はほとんど話さず、『四郎馬鹿(しろばか)』と呼ばれ、毎日街を徘徊していたといわれています。
しかし四郎がぶらりと入ったお店は必ず繁盛し、また四郎が抱く赤ん坊は丈夫に育ったことから、人気者になり、いつしか「福の神」として人々に愛されるようになりました。
仙台四郎のご利益を授かろうと、仙台ではお店の入口や家の玄関に仙台四郎の写真や置物を飾る人が多いのだとか。
四郎グッズは、仲見世でも販売されていますよ!
ご利益はぜひ家にも持ち帰って
「目の守護仏」に出会える三瀧山不動院。
参拝の記念に、不動明王のお守りをお土産に購入してみてはいかがでしょうか? 頼もしい不動明王が、家に帰ってからもあなたの目を守ってくれるかもしれませんよ。
クリスロード商店街にお越しの際は、ぜひ三瀧山不動院に立ち寄ってみてくださいね。
【アクセス】JR「仙台」駅下車約10分
【住所】仙台市青葉区中央二丁目5-7
【お問い合せ】022-221-3056
【拝観料】無料
【参拝時間】10:00~18:00
【HP】http://www.mitakisan.com
※本記事内の情報は2019年6月時点のものです。
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