メノコトビジョントレーニング第30回目はボディイメージのトレーニング中級「矢印体操〜矢印の方向に両手を動かしてみよう〜」です。
これは、様々な方向を指している矢印を見ながら、同じ方向に両手を動かすトレーニングです。手拍子や音楽などに合わせてリズムにのりながらトレーニングしましょう。
【ビジョントレーニング注意事項】
・眼に病気がある方、また気になる方は、眼科を受診してビジョントレーニングを行うことが可能かどうか医師に確認してください。
・遠視、近視、乱視などがありメガネなどで矯正する必要がある場合は、矯正を行ってからトレーニングを始めてください。
・トレーニング中に眼の痛みを感じた場合はトレーニングを中止して、眼科を受診してください。
トレーニングの基本「矢印の方向を見ながら同じ方向に両手を動かす」
トレーニング方法
ワークシートには縦、横、斜め、それぞれの方向を指した矢印が並んでいます。手拍子や音楽など一定のリズムにのり、両手を同じ方向に動かしていきます。左上から右に横方向に進んだら、次の段へ。5段とも終わったら、今度は右上から下に縦方向に進み、5列とも進んだら終わりです。
どれくらいできるかの目安
制限時間は特にありません。手拍子や音楽に合わせてリズミカルに体を動かすことを意識しながらやってみてください。ゆっくりとしたリズムから始めて、慣れてきたら徐々にリズムを速くしていきましょう。
さらにレベルアップ
簡単にできるようになったら、矢印とは逆の方向に両手を動かすと難易度が上がります。なるべく素早く体を動かして眼と体の連携を意識しながら行うといいでしょう。
視覚機能とビジョントレーニング
私たちは情報の8割を眼から得ているといわれています。眼から得た情報は、脳で処理されその情報をもとに体を動かすという、一連の働き「視覚機能」があります。
視覚機能のうち、見た情報を脳に入力する機能には具体的に、視力、眼球運動、両眼のチームワークが大きく関わっています。さらに、見た情報を脳で処理する機能には、見たものを認知し、イメージする機能や見たものを体の動きに繋げる機能が関わっています。
視覚機能とは「見ること」の総合能力
「見る力=視力」と思われがちですが、視力は「見ようとする対象物を細かく見分けるための力」であり、視覚機能の一部です。視力は良くても視覚機能が弱いケースは少なくありません。
視覚に問題があれば、日常生活に多くの支障をきたすことは容易に想像できると思います。眼から入った情報が脳に入力され、脳によって処理された結果に応じて体を動かす。視覚機能はこうした「見ること」の総合的な能力のことをいい、このプロセスのどこかに不具合があれば見えにくさが生じるのです。
視覚機能の3ステップ
眼から入った情報を脳が認識し、それをもとに体を動かす。つまり、インプット→情報処理→アウトプットという一連の流れが行われているのです。
インプット=見たものを脳に入力する機能
眼で映像を正しく捉えるためには、ものを細かく見分ける力「視力」、眼を素早く動かしたり、追いかけたりする眼の動き「眼球運動」、両眼を使って立体的に捉えたり、ピントを合わせたりする「両眼のチームワーク」などの機能が必要です。
情報処理=視覚情報を脳で処理する機能
眼から入った情報は脳で分析され、「何かの形」として知覚されます。同時に、見ているものとの位置関係を認識します。このように見たものの形態や状態、位置関係などを認識する「視空間認知」の機能が大きく関わっています。
アウトプット=視覚情報をもとに体を動かす機能
眼で見たものを把握できたら、位置や方向を確認し、手や体の動きを調整し、自分の体が適切に動くように脳が司令を出します。「眼と体のチームワーク」によって、ものを手にとったり、障害物を避けたりすることができるのです。
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視覚機能を高めるトレーニング「ボディイメージ」
眼球運動のトレーニングや視空間認知のトレーニングの他に、ボディイメージのトレーニングを行うことで視覚機能を高めることができるといわれています。
ボディイメージとは、自分の体を認知することです。自分の体の大きさ、自分の体の部位の上下左右の位置感覚、動かす時の力加減や可動範囲など、自分の体に関する総合的な認知のことをいいます。
この働きが未発達だと、体を動かすのがぎこちなかったり、ものとの距離感がつかめなかったりするので、物にぶつかったり、つまずくなどが多くなりがちです。
ボディイメージのトレーニングは、自分の体の部位を細かく認識し、それぞれの部位を意識して動かしていくのですが、初めは体も安定させ、体幹部をしっかりコントロールできるようになることが必要です。体を大きく動かすトレーニングから行なっていきましょう。体を動かしているうちに、体の動きをイメージする力も育っていくといわれています。
トレーニングは1日5分〜10分を目安にしていただくと良いようですが、1日に行う時間が短くても、できるだけ毎日行う方が効果が上がるといわれています。ぜひ、楽しみながら毎日続けてみてくださいね。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。