メノコトビジョントレーニングシリーズ動画編の2回目は、瞬間的に出る画像を目で捉える「瞬間視」です。
これは、画面に一瞬だけ見えるいくつかの図形の中から指定された図形を見つけるトレーニングです。画面の端を囲むように図形が一瞬だけ現れます。画面の中央に描かれている図形と、同じ色、形をした図形がどこに出ていたかを答えます。
瞬間視とは
瞬間視とは、パッと一瞬だけ見たものを即座に認識する能力のことをいいます。
スポーツ競技においては、状況を素早く認識し、判断することが求められます。例えば、サッカーやバスケットボールなどのスポーツ競技では、動いている複数のプレーヤーの中から敵と味方を見分け、位置を把握しなければいけません。このようにいち早く多くの情報を捉えることができれば戦略的に有利になり、勝敗を決めるカギとなるかもしれません。
また、瞬間視はスポーツに限らず、日常生活においても必要な能力です。例えば、車を運転する場合。運転中は一瞬で標識や信号、周りの状況を判断する必要があります。自転車やバイクなど他の乗り物でも同じように、安全に運転するためにも必要な能力といえます。
やってみよう!「視野を広く、一瞬で捉える」
それでは、実際にやってみましょう。問題は簡単なものから難しいものまであります。
- 最初に画面の中央に描かれた図形を覚えましょう。その後に、画面の端を囲むように図形が現れます。その中から中央の図形と同じ色、形をしたものを見つけます。
- 画面の端に現れる図形は少しずつ増えていくので、より多くの中から、目的の図形を見つけることが求められます。
- コツは一つひとつの図形を見るよりも全体を捉えること。この時に働く「周辺視野」も視機能の一つです。
- もう一つのコツは、楽しみながらトレーニングすること。目も筋肉を使って動かしているので、こわばった状態よりもリラックスしているほうがより柔軟に動くといわれています。見つけなきゃ!と眉間や肩に力が入った状態よりも、楽しむくらいが良いということでしょうね。
瞬間視に関連する視機能
実は、瞬間視には他の視覚機能も関わっています。目をジャンプさせるように動かしてものを捉える、跳躍性眼球運動、そして周辺視野です。視野は、年齢と共に狭くなってくるといわれています。周囲が見えていないと何もないところでぶつかったり転んだりすることも考えられるので、トレーニングで維持したいところです。
手近なものを使ってトレーニングしてみる
ここでは動画を使って楽しみながらトレーニングする方法を紹介しましたが、日常生活の中にある雑誌などもトレーニングに使うことができます。例えば雑誌の適当なページを開いて一瞬だけ見てすぐに閉じます。どんな写真やイラストがあったか、どんな人がいたかを思い出すという方法です。繰り返すことで瞬間的に判断する力がアップするといわれています。
能力アップも期待できる?継続的なトレーニングを
私たちの目や体は、何もしなければ年齢と共に様々な能力が衰えてくるものです。視覚機能は特別なスポーツをしていない人でも、日常生活でも必要なものばかり。視覚機能は見るだけにとどまらず、そのあとの判断、行動に繋がるからこそ、日頃からトレーニングなどで維持していくことが大切です。
【ビジョントレーニング注意事項】
・眼に病気がある方、また気になる方は、眼科を受診してビジョントレーニングを行うことが可能かどうか医師に確認してください。
・遠視、近視、乱視などがありメガネなどで矯正する必要がある場合は、矯正を行ってからトレーニングを始めてください。
・トレーニング中に眼の痛みを感じた場合はトレーニングを中止して、眼科を受診してください。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【監修】
久永涼子(ひさなが りょうこ)
ビジョントレーニング指導者2級、管理栄養士。
メンタルウェルネストレーニング(MWT)協会にてビジョントレーニングの基礎的な知識と実践を習得。管理栄養士の知識も活かし、高校の野球部員への指導、健康講座の実施など幅広く活動。