福島県会津若松市は、学校法人同志社創立者の新島襄(にいじまじょう)の妻として知られる新島八重(にいじまやえ)の故郷です。会津若松市には、古くから眼病平癒にご利益があると伝えられている「両堂不動尊(りょうどうふどうそん)」があります。生前の新島八重も、眼病を患った兄のために足繁くこの場所に通ったのだとか。
メノコト編集部スタッフが現地に足を運び、両堂不動尊がなぜ目のご利益スポットになったのか調べてきました!
つぶ貝のユニークな言い伝えが残る「両堂不動尊」
JR『会津若松』駅で電車を降りて車で20分ほど進むと、両堂不動尊に到着しました。千葉県の成田不動尊、新潟県の菅谷不動尊とともに、日本三所といわれている福島県の両堂不動尊。延文2(1357)年の創建といわれ、不動堂と太子堂の2つのお堂が並んでいます。地名も2つのお堂から由来し、かつては「二堂(ふたつどう)村」と呼ばれ、その後、「両堂村」と改められたそうです。
また、この地には貝にまつわる面白い言い伝えが残っています。
ある夜、村で大きな火災が起こり、火の手は境内にまで及んだそうです。火災により太子堂は焼失しましたが、不動堂は奇跡的に焼失を免れたのだとか。当時、お堂の裏に沼があり、沼にはつぶ貝が住んでいました。火災に気づいたつぶ貝が「お不動様をお守りしよう!」と、沼の中から数百数千現れ、お不動様の体にしがみつき、お不動様を焼失から救ったといわれています。
このことから、この村ではつぶ貝を食べなくなったそうです。太子堂は火災により延宝3(1635)年に廃寺となりましたが、昭和58(1983)年に地域の方が資金を出し合い、再建されました。
不動明王に剣を奉納して眼病平癒を祈願
両堂不動尊に安置されている不動明王は、古くから眼病にご利益があると伝えられています。不動明王は、右手に悟りを開くための知恵を表す「宝剣」を持っているため、信仰する人々は願をかけて剣を奉納する習慣があるそうですよ。
ある時、目を患った村人が眼病平癒を願い、剣を奉納すると、たちまちにして目の病が治ったという言い伝えが残っています。そのことが村中から遠方にも広がり、眼病平癒のご利益を求めてここを訪れる人が絶えなくなったのだとか。男性は剣を奉納し、女性は自分の髪の毛を奉納して眼病平癒を願ったといわれています。
例大祭で願掛けをした「籠り堂」
境内にある「籠り堂」では、たくさんの人が「願かけ籠り」を行なったといわれています。ここでは、眼病平癒を祈願して奉納された剣を見ることができます。
また、両堂不動尊では毎年9月3日にお不動様の例大祭が行われています。かつては願掛け籠りをする人々や、会津地方で古くから伝わる民謡「玄如節(げんじょぶし)」のかけ合いをする人々で賑わったそうですよ。
多くの人に親しまれた会津若松のご利益スポット
現在は静かで荘厳な雰囲気の両堂不動尊ですが、昔はたくさんの人々が眼病平癒を祈ってこの場所を訪れていたのですね。当時のままの姿で境内に残るお不動様や籠り堂からは、神聖なものを感じました。
会津若松市を訪れた際には、ぜひ足を運び目の健康を祈願してみてはいかがでしょうか。
【アクセス】JR「会津若松」駅より車、バスで約20分
【住所】福島県会津若松市北会津町両堂字宮の下
【見学料】無料
【見学時間】自由
【お問い合せ】0242-58-2211(会津若松市北会津支所)
※本記事内での情報は2019年12月時点のものです。
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