花粉症対策として有効といわれている花粉対策メガネ。毎年新商品が各メーカーから発売されます。
特によく耳にするのが「花粉カット率」という言葉。最近の花粉対策メガネはカット率100%に近づく勢いです。
「最新の花粉対策メガネを使用するとどのようなメリットがある?」
「花粉が入らないようにとにかく高いカット率を求めるべき?」
「自分に合ったメガネは何を基準に選んだら良い?」
そんな疑問に迫るべく、業界最高水準の99.1%*という花粉カット率を実現させたメガネスーパーの花粉対策メガネ「花粉ブロッカー」「花粉ブロッカーpremium」の開発担当者である浦 進さんにお話を伺いました。
浦 進(うら すすむ)さん
株式会社ビジョナリーホールディングス アイケア事業本部 エキスパート
メガネ、コンタクトレンズやその付属品の企画、開発を担当。お客様の目の健康寿命を延ばすため、デザイン性や機能性だけにとどまらず、使い心地がよく日常的に愛用してもらいやすい商品を考案している。
目次
花粉が目に入るのを防ぐ花粉対策メガネ。普通のメガネとの違いは?
戸田編集部員(以下、戸田):私も花粉症なので、花粉対策メガネには興味があります。まずは基本的なことをお聞きしたいのですが、花粉対策メガネと普通のメガネって何が違うんですか?
浦さん(以下、浦):目の花粉症対策で大切なことは目の中に花粉を入れないことです。そのためメガネスーパーの花粉対策メガネである「花粉ブロッカー」は、密閉度が高く目に花粉が入りにくいところが特長です。
戸田:密閉度が高いといいますと?
浦:フレームに取り外し可能なラバーがついていて顔に密着する仕様になっています。鼻の部分には調節可能なパッドがついているので、ご自身の鼻の形に合わせてフィット感を調整できます。
戸田:顔にぴったりくっつくんですね! 私は近視なので日常的にコンタクトレンズを使用しているのですが、花粉対策メガネを使ったことはありませんでした。私のように近視でコンタクトレンズを使っている人も、花粉対策メガネを使ったほうがいいですよね?
浦:そうですね。コンタクトレンズに花粉が付着するのを防止するためにも、花粉対策メガネをかけることをおすすめします。
戸田:ちなみに私は普通のメガネも持っているのですが、普通のメガネをかけているだけでは花粉をしっかりカットするのは難しいでしょうか。
浦:向かい風が来た時などにレンズが花粉から目を守ってくれるので、何もしないよりは効果はあると思います。しかし、隙間から目に花粉が入ってしまうのでしっかりとカットするのは難しくなります。
戸田:なるほど。普通のメガネでは守りきれないところも、花粉対策メガネならガードしてくれるということですね。
浦:それから、戸田さんのように、お仕事でどうしてもコンタクトにしたい時はコンタクトの上からかける使い方もできますよ。
または、度付き対応の花粉対策メガネをかけて、コンタクトを使わずに目を休める方法もおすすめです。
高い花粉カット率を求めるか、快適なかけ心地を求めるか?
戸田:最新の「花粉ブロッカー」を使用すると、どれくらい花粉がカットできるのですか?
浦:プレミアムタイプですと99.1%です。スタンダードタイプで98.5%。スタンダードもラバーをつけて密着させると99.1%になります*。(メガネスーパー社調べ)
戸田:ラバーの有無で変わるのですか?
浦:基本的にはそうです。カット率が高めでよりフィット感を求める方はラバーを取り付けていただく形になります。
戸田:がっちり密着すると、ほぼ100%に近い数値ですね。カット率を高める開発努力はどのようにされているのですか?
浦:開発時は私が商品を装着し、花粉に見立てた粉を正面から投げつけてもらったりドライヤーで舞い上げたりして、カット率を高めるために様々な実験を繰り返したものです(笑)。もちろん、それだけではないですけどね。
戸田:まさかそんな実験をしていたなんて! やはり開発者としては100%を目指すのでしょうか?
浦:究極の100%はスイミングのゴーグルです。
ただ…ゴーグルだと100%のカット率なんですが、そうなると日常生活でも弊害が出てくると思いますし、現実的ではないですよね。違和感があったり、デザイン性も損なわれます。
戸田:たしかに、はじめて花粉症メガネを見たときは、ゴーグルっぽいし、かけるのが恥ずかしいなと思ったのをおぼえてます。
浦:初期は、いかにもゴーグルでしたからね(笑)。
100%のカット率も重要なんですが、最近はデザインやかけ心地が重要になってきています。
デザインはぱっと見はメガネっぽい。カット率を高めるゴーグルの機能はどうしても持たせなくてはいけませんが、なるべくスッキリシンプルにしています。
戸田:たしかに、ゴーグル感がなくて、私もこれならかけてみたいなと思いました。
そうなると、カット率とデザインのせめぎ合いになるのでしょうか?
浦:あとはかけ心地ですね。カット率との関係はラバーによるかけ心地がポイントになってくるんです。
戸田:ラバーをつけるのとつけないのでカット率が変わるという話ですね。ラバーによってかけ心地が変わるのでしょうか?
浦:ラバーをつけてがっちりフィットさせた方がカット率は上がります。ただ、ラバーをつけると若干自然なつけ心地が損なわれるお客様もいるので、付け外しを可能にしています。
カット率が高めでよりフィット感を求める方はラバーを取り付けていただく形になりますね。
戸田:カット率を求めすぎてラバーで密着させると顔に跡がつくんじゃないかという心配があるのですが、ラバーってどのような素材なんでしょう?
浦:ラバーにはシリコンを使用しています。この素材選びにはこだわりました。柔らかすぎてしまうとグリップが強く滑り止めが効きすぎてしまい、お顔に跡がつきやすくなります。いくつか素材を用意して比較し、やや硬めの素材を採用しました。
戸田:女性は特に顔に跡がつくのは心配ですから、これなら安心して使えます。
そうなると、花粉カット率を求めるだけでなく、かけ心地も考えるのが選び方のポイントになるわけですね!
自分の感覚よりもワンサイズ上のメガネがおすすめ
浦:メガネ自体の造りはもちろんですが、お客様ご自身に合ったメガネを選んでいただくことも花粉カット率を高めるためには重要なポイントです。ご自分が思っているよりもワンサイズ大きいものを選ぶことがおすすめです。
戸田:自分が「ちょうど良い」と思っているメガネは、実は自分に合っていないかもしれないということですか?
浦:そうなんです。顔の奥までしっかりとフィットすることが理想なのですが、顔の横の締め付け感を重視してしまい「奥までかかっているけど、緩いんじゃないか」と思って小さいメガネを選んでしまう方が多いんです。
戸田:たしかに、顔の横でぎゅっと固定されているほうが安定しているような気がします。
浦:花粉対策メガネの場合は自分の顔幅より小さいメガネを選んだ結果、隙間ができてしまい花粉カット率が下がってしまいます。
戸田:鼻のフィット感は自分でも分かりますが、耳の後ろは難しいです。最初はメガネ屋さんでプロにフィッティングしてもらうのが良さそうですね。
従来のマイナスイメージを打開。毎日かけたくなるデザインを探そう
戸田:正直なことを言うと、花粉対策メガネって大きくて目立つし普段使いしにくいな……って思っていたんです。でも、最近のものはデザイン性までしっかりと考えられていて、正面から見ると普通のメガネと変わらないですね。
浦:最近はおしゃれなメガネのテイストを強めて皆様に少しでも抵抗なく使っていただけるようにと考えています。
戸田:おしゃれなメガネと同じ感覚で使えるので、日常的に使用してしっかりと花粉対策ができそうです。
浦:スッキリとシンプルなデザインで日常使いしやすく、それでいて花粉カット率は極力落とさないように。サイズごとに数色ずつカラー展開もしているので、好みに合ったものを選んでいただけます。
戸田:自分にフィットするように調整できるのもいいですね。花粉対策メガネはサイズが合わなくても我慢して使うイメージがあったので。デザインもフィット感も自分にぴったりのものを使えば良いのですね。
浦:できればすべての花粉症の方に花粉対策メガネを使っていただきたいです。しかし、かけたくない理由も十分承知しています。今後はその点を解消するためにさらにデザインを追求し、花粉カット率も100%を目標に高めていきたいと思います。
取材を終えて
取材を経て、花粉対策メガネに対するイメージが大きく変わりました。最新の花粉対策メガネはゴーグルの機能を備えながらも、デザインはスタイリッシュ。外出先でも人目を気にせず使用することができそうですね。
そして、花粉のカット率を高めるためには、自分の顔の形にフィットするメガネ選びが重要だということが分かりました。浦さんたちが、より機能性が高く普段使いしやすいデザインの商品を開発してくれることに加え、ユーザー自身も自分に合ったメガネを選ぶ意識を持つことが目の花粉症対策には有効のようです。
*99.1%は花粉ブロッカーpremium、98.5%は花粉ブロッカーの数値。数値根拠については株式会社メガネスーパーにお問い合わせください。
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