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読み手の心をつかむには?「視点の三原則」でつくるコンテンツ設計術

若者4人が集まり企画制作をしている様子

「どうすれば、もっと多くの人に読んでもらえるコンテンツが作れるんだろう?」コンテンツ制作に携わる方なら、誰もが一度は抱える悩みですよね。そんな時、きっとあなたの力になってくれるのが「視点の三原則」という考え方です。これは、ただ単に文章を書く技術とは少し違います。物事を様々な角度から捉えることで、読者の心に響くコンテンツを生み出すための、いわば「物の見方」のヒント集のようなものです。
今回は、読まれるコンテンツ作りに欠かせない「視点の三原則」について詳しくご紹介します。

実は読まれていない?「読了率」が教えてくれる現実

スマホに触れている女性どれだけ時間をかけて丁寧に書いた記事でも、「最後まで読まれている」とは限りません。
その事実を突きつけるのが「読了率」という指標です。読了率とは、ページを訪れたユーザーのうち、どれだけの人がコンテンツの最後まで到達したかを示す割合のこと。Googleアナリティクスやヒートマップツールを使えば、ユーザーがどのあたりで離脱しているのかを可視化できます。実際、多くのWeb記事の読了率は20~30%程度。つまり、10人中7〜8人は途中で離脱しているということです。「いい文章を書いたはず」「情報は豊富だし、見出しも整っている」──そんな自信があっても、読了率が低ければ、その価値は読者に伝わっていないのと同じ。とくにスマホ時代の今、ユーザーの集中力はさらに短くなっており、「読み続ける理由」がなければ、すぐに離脱されてしまいます。

重要なのは、「読まれる前提」で書くのではなく、「どうすれば最後まで読んでもらえるか」という視点を持つこと。
読了率を高める工夫こそが、コンテンツの価値を届けるための鍵になるのです。

 

「視点の三原則」とは?

会社員男性2人がPCで制作している様子人の心を掴むコンテンツ作りに欠かせない三原則。
ビジネスやマーケティングの現場はもちろん、教育の世界でも広く活用されています。では、具体的にどんな視点があるのでしょうか? それが

「鳥の目」
「魚の目」
「虫の目」
の3つです。

コンテンツ全体の俯瞰設計で価値を伝える「鳥の目」

まず大切なのが、「鳥の目」で全体を見渡すことです。コンテンツ制作において、テーマ設定や構成設計を考える段階では、この視点が欠かせません。「誰に届けたいのか?」「その人にとってどんな価値があるのか?」「最終的にどんな行動を促したいのか?」といった問いを立て、ゴールから逆算して構成を組み立てます。たとえば、SEO記事なら検索意図を明確にし、ユーザーが抱える課題をどのように解決していくかの導線を考える必要があります。LP(ランディングページ)であれば、最初の数秒で「何のページなのか」「信頼できるのか」が伝わらなければ離脱されてしまうでしょう。
つまり、鳥の目で全体を「地図のように」捉えられるかどうかが、コンテンツの質を大きく左右します。

時代やトレンドを読む力が共感を生む「魚の目」

次に大切なのが、「魚の目」で流れを見る力。情報や関心の流れは常に変化しています。今、世の中で何が話題になっているのか、どんなキーワードが注目されているのかを読み取る力は、共感を得るコンテンツ作りに直結します。例えば、「生成AI」という言葉が広く浸透してきた今、「AI」という大きな枠よりも、「AIで文章を書くには?」といった具体的な切り口のほうが関心を集めやすくなっています。SNSやニュース、Googleトレンドなどを活用して、今「人々が何を求めているか」を探ることが、コンテンツの“鮮度”を保つ鍵になります。

つまり、魚の目は、「今ここで読みたい」と思ってもらえるかどうかを左右する視点です。

細部を見つめる「虫の目」

そして最後に「虫の目」です。草の葉に止まる小さな虫になったつもりで、目の前の小さな世界をじっくりと観察するような視点です。これは、現場のリアルな声や具体的な課題、読者が抱えている細かな疑問に目を向ける力です。例えば、「この表現は本当に読者に伝わるのか?」「ここが分かりにくいと感じる人はいないだろうか?」といった、
一つひとつの言葉に対する丁寧な配慮が、コンテンツの質を大きく左右します。
これら「鳥の目」「魚の目」「虫の目」の3つの視点。どれか一つが優れていれば良いというわけではありません。これらすべてをバランスよく持ち合わせることで、初めて読み手にとって「わかりやすく、興味を引き、そして何よりも役に立つ」コンテンツを作り出すことができるのです。

あなたのコンテンツは、今、どの視点が足りないと感じますか? これらの視点を意識して、読者の心を掴む魅力的なコンテンツ作りに挑戦してみてください。

 

この記事を書いた人

山本 エミ

Webライター、編集者。学生時代は両目視力2.0をもちながら、現在は左右の目の視力差が大きい「不同視(ガチャ目)」に悩む日々。現代病である疲れ目など、目の健康に役立つ記事を中心に執筆している。

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