
夏休みは、子どもたちにとって自由な時間が増える一方で、スマートフォンやゲーム機、動画視聴など、スクリーンと向き合う時間も自然と長くなりがちです。特に最近は、オンライン学習の普及やタブレット教材の導入によって、「勉強=画面を見る時間」という状況も増えています。実は、こうした長時間の近距離視は、子どもの視力低下や目の疲れを招く大きな要因になります。けれども逆に考えれば、夏休みのような長期休暇は、日常ではなかなかできない「目にやさしい生活習慣」を定着させる絶好のチャンスでもあるのです。
この記事では、子どもの目にやさしい夏休みの過ごし方をご紹介します。
子どもも納得!デジタル使用ルールは家族でつくる
夏休みは、子どもたちにとって楽しいイベントがたくさんある一方で、スマホやゲーム、動画視聴に夢中になってしまいがちな季節でもあります。「気づけば何時間もYouTubeを見ていた」「ゲームをやめさせると泣き出す」——そんな“夏休みあるある”に悩む保護者も多いのではないでしょうか。しかし、無理に「全部禁止!」とすると、子どもは反発しやすく、かえってストレスがたまりがち。そこで効果的なのが、「使ってもいいけど、ルールを決める」というデジタルデトックスの考え方です。
ポイントは“子どもと一緒に決める”こと。ルールは一方的に押し付けるのではなく、親子で話し合いながら「1日〇時間まで」「夜〇時以降は使わない」などの約束を作ることが大切です。家庭に合ったルールを紙に書いて「親子メディア契約書」としてリビングなどに貼っておくと、子ども自身の意識も変わってきます。
小さな子どもでも自分で意識できるように、アナログなキッチンタイマーや、時間制限アプリ(例:Family Link、スクリーンタイムなど)を使って「今どれくらい使っているか」を見える化するのがポイントです。また、制限時間を過ぎたら「じゃあ次は工作しようね」「今度は外に行こうか」と、デジタルに代わる楽しい活動を用意しておくと、自然と切り替えがしやすくなります。
外で遊ぼう!自然光は目の健康の味方
近年の研究では、屋外での活動時間が長い子どもほど近視の進行が遅い、または予防につながることがわかってきています。自然光を浴びることで、目の発達に良い影響を与えるからです。夏休みには、積極的に「外で遊ぶ時間」を確保しましょう。例えば、公園での水遊びや虫取り、家族での山歩きや海辺の散歩など、自然とふれあえる遊びは、目にとっても心にとっても良い刺激になります。
活動 | 説明 | 目に良いポイント |
🏞 公園での鬼ごっこ・かけっこ | 大きな視野で遠くを見る | 近距離視からの解放、ピント調整 |
💧 水遊び(噴水、ビニールプール) | 暑い日でも楽しく外に出られる | 楽しみながら自然光を浴びる |
🐞 虫取り(バッタ・カブトムシ) | 草むらで動くものを目で追う | 目の追視運動や焦点調整のトレーニングに |
🏕 家族でのキャンプ・山歩き | 自然を全身で感じる体験 | 遠景を眺める時間が多い |
🐚 海辺の散歩・貝殻拾い | 足元と遠くの海を交互に見る | 視野を広く使う視覚刺激 |
🚲 朝の自転車散歩 | 涼しいうちに親子で外出 | 安全かつ短時間でも視覚的効果大 |
特におすすめなのが、「午前中の屋外活動」です。朝の自然光は、体にとって“目覚めの合図”になります。朝8時〜10時頃に外へ出ると、生体リズムが整い、夜も自然と眠くなりやすくなります。夏の午後は熱中症リスクが高まるため、「午前中に30分〜1時間程度の外遊び」を毎日の習慣にしてみましょう。
最近は子ども用サングラスも多く販売されています。
帽子と共に利用するのもおすすめです。
参考商品
サンシャインメガネジュニア
工作・読書・料理…アナログな遊びを増やそう
目にやさしい生活といえば「外で元気に遊ぶこと」を思い浮かべがちですが、実は室内でも、デジタル機器に頼らずに楽しめる“アナログな遊び”を取り入れることがとても大切です。
画面ばかり見ていると、目はずっと近い距離にピントを合わせたままになり、目の筋肉が疲れやすくなります。これを防ぐためには、近距離・中距離・遠距離とピントをこまめに変える視覚活動が効果的です。
たとえば、折り紙やペーパークラフトは色や形を選びながら、手先を使って丁寧に折る作業は、視線の移動やピント調整にぴったり。完成したときの達成感も大きく、集中力も養えます。また、自由研究や工作キットは身の回りの素材で実験をしたり、貯金箱や昆虫模型などを作ったりする体験は、「見る・考える・手を動かす」が一体となった立体的な学びになります。親子でクッキングするのもおすすめです。料理は、材料の色や形を見分けたり、火加減や時間を確認したりと、視覚的な情報が満載です。レシピを一緒に読んで、手順通りに進める過程には、目と脳の連携も求められます。デジタル画面に比べて、紙の本は目への刺激が穏やか。絵本や図鑑、小説など、年齢に応じて興味のあるジャンルを選ぶと、自発的な集中力が育ちます。紙の本で読書タイムを設けましょう。
おわりに
子どもの目は、成長期に大きく発達します。だからこそ、夏休みという長い時間をどう使うかが、将来の目の健康に大きく影響するのです。「目にやさしい夏休み」は、単にデジタルを制限するだけでなく、家族で一緒に工夫して楽しむことで、無理なく続けることができます。この夏は、ぜひ親子で“目をいたわる”ライフスタイルを始めてみませんか?