
ある朝、目がゴロゴロするなと思って鏡を見ると、片目が真っ赤に充血していました。最初は「寝不足かな?」と思っていたのですが、かゆみや涙が止まらず、次の日にはもう片方の目まで赤く……。病院へ行くと診断は「流行り目」。ウイルス性の結膜炎で、感染力が強く、家族や職場の人にもうつる可能性があると言われ、しばらく外出禁止となってしまいました。
流行り目は一度かかると、想像以上に厄介なもの。そこで筆者の実体験をもとに、流行り目の症状や感染経路、そして周囲に広げないための対策についてお伝えします。
流行り目(流行性角結膜炎)とは
「流行り目(流行性角結膜炎)」とは、正式には「ウイルス性結膜炎」と呼ばれ、主にアデノウイルスによって引き起こされる目の病気です。結膜に炎症が生じ、非常に強い感染力を持つため、接触感染を通じて家庭、職場、学校などで集団感染を引き起こすことがあります。
主な初期症状としては、以下のものが挙げられます。
• 目の充血
• かゆみ
• 大量の目やに
• 涙が止まらない
• 異物感やゴロゴロとした不快感
流行り目は、特に夏から秋にかけて流行しやすい傾向がありますが、年間を通じて感染のリスクがあります。
流行り目体験記
ある朝、目を覚ますと大量の目やにと涙が止まらなくなりました。洗面室で鏡を見てみると片側の目が充血していました。最初は花粉症を疑い、アレルギー用の目薬を点眼しました。しかし、目やには収まらず、翌日にはもう片方の目にも充血が広がってしまいました。両目とも真っ赤に腫れ上がり、見た目にも明らかに異常な状態に。目を開けるのもつらく、日常生活に大きな支障が出ました。これはおかしいと、急いで眼科を受診。眼科では待合室での感染を防ぐため、診察まで車内で待機するよう指示されました。診察の結果、「流行り目(アデノウイルス性結膜炎)」と診断され、薬を処方されました。
医師からは「非常に感染力が強いため、1週間程は外出を控えるように」とのこと。特に、同居している家族や職場の人への感染リスクがあるため、徹底的な感染対策が必要と言われ、その日から約1週間さまざまな感染対策を実施しました。私の場合、在宅勤務ということもあり正式な感染経路は不明ですが、買い物や、保育園と小学校の送迎を行っていたので、外出先のどこかでウイルスに感染した可能性が高いと言えます。
もしもあなたの目がいつもと違う違和感を覚えたら、それは流行り目のサインかもしれません。流行り目は、非常に感染力が強いウイルス性の結膜炎で、一度かかると、その不快感と戦う日々が待っています。だからこそ、早期の対処と日頃からの予防が非常に大切なのです。
家庭と職場でできる感染拡大予防
流行り目は、日常生活の中で簡単に感染が広がります。特に家庭や職場では、集団感染が起こりやすいので、注意が必要です。まず、入浴は一番最後に行い、タオルや枕カバーなど、直接肌に触れるものは、家族や同僚と共有しないようにしましょう。一人ひとりが個人専用のものを使うことが、感染拡大を防ぐ第一歩です。
そして、こまめな手洗いとアルコール消毒を心がけましょう。特に、目を触った後や、多くの人が触れるドアノブやスイッチなどを触った後は、念入りに手を洗い、消毒することが大切です。
コンタクトレンズは、流行り目のウイルスが付着しやすく、感染を広げる原因になることがあります。流行り目になったら、コンタクトレンズの使用は中止し、メガネに切り替えましょう。また、コンタクトレンズケースやメガネ、そして手指の消毒も徹底してください。
流行り目になってしまったときの出勤・出席停止の目安
流行り目は、感染力が非常に強いウイルス性の結膜炎です。もし流行り目になってしまったら、気になるのが「会社や学校は休まなければいけないの?」ということですよね。
ここでは、流行り目になった際の出勤・出席停止の目安について、詳しく解説します。
◆学校の場合:出席停止が基本
学校保健安全法という法律で、流行性角結膜炎(流行り目の代表的な種類)にかかった児童、生徒、教職員は、医師が「もう人にうつす心配はないですよ」と判断するまで、学校をお休みすることになっています。これは、学校で流行り目が広がってしまうのを防ぐための大切なルールです
◆職場の場合:基本はお休み、でも状況によって判断を
職場の場合、法律で「必ず休まなければいけない」と決まっているわけではありません。しかし、流行り目はとてもうつりやすい病気なので、職場での感染拡大を防ぐために、できる限りお休みすることをおすすめします。特に、接客業や医療関係など、たくさんの人と接するお仕事の場合は、周りの人にうつしてしまう可能性が高いので、お休みした方が安心です。
会社によっては、流行り目になった場合の出勤停止や自宅待機のルールを定めている場合もありますので、確認してみましょう。
流行り目になってしまったら、まずは眼科を受診し、医師の指示に従って適切な治療を受けましょう。そして、ゆっくりと休養を取り、一日も早い回復を目指してください。
流行り目は、しっかりと対策をすれば、周りの人にうつしてしまうリスクを減らすことができます。もしもの時は、この記事を参考に、適切な判断と行動をしてくださいね。
参考文献
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/528-ekc.html