文字の
サイズ

目にまつわるお役立ちニュース

【目から鱗の衝撃ニュース3選】ギネス記録から宇宙まで広がる”目”の物語

ビックリニュースをよむ夫婦

私たちの身体の中でも特に繊細で神秘的な器官「目」。
その目にまつわる驚くべきニュースが、今世界中から次々と報告されています。コンタクトレンズを27枚も重ねて入れていた英国の症例から、眼球を自在にコントロールしてギネス記録を達成したブラジルの挑戦者、そして宇宙空間で起きる謎の視力変化まで—。

今回は、思わず目を疑ってしまうような驚きの「目」にまつわる世界のニュース3選をお届けします。あなたの「目」の常識を覆す、驚きの物語の数々をご覧ください。

衝撃の”重ね着”!英国女性の目から見つかったコンタクトレンズ27枚の謎

コンタクトレンズが重なる映像             (出典:CNN)

2016年11月、英国のある病院で起きた医療史に残る驚くべき出来事を、医師団が医学誌BMJで報告しました。67歳の女性患者の右目から、なんと27枚ものコンタクトレンズが発見されたのです。事の発端は、女性の予定されていた白内障手術の準備中でした。麻酔を施そうとした医師が、患者のまぶたの下に不自然な青い塊を発見します。詳しく調べてみると、その正体は17枚ものコンタクトレンズが重なり合ったものでした。さらなる検査で、追加の10枚のレンズも見つかり、合計27枚にも及ぶことが判明したのです。
「私たち医療チーム全員が大きなショックを受けました。このような症例は前例がありません」と主治医は当時を振り返ります。

35年もの長きにわたり月替わりの使い捨てコンタクトレンズを使用していたという女性。右目の視力が左目より悪かったことが、この異常な状況を引き起こした一因かもしれないと医師団は分析しています。患者は右目のレンズが見つからない時は、どこかに落としてしまったのだろうと考えていたそうです。不快感を感じてはいたものの、それを単なるドライアイや加齢による症状だと思い込んでいた女性。定期的な検査も受けていなかったと見られます。医師団はこの事例を重く受け止め、「定期検査なしにコンタクトレンズを使い続けることは、重大な健康上のリスクを伴う可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

幸いなことに、27枚のレンズを除去してから2週間後、女性の不快感は大幅に改善。その後予定されていた白内障手術も無事に完了しました。

「飛び出す眼球」で世界一!ブラジル男性が示した人体の限界点

遠くに飛び出た眼球(出典:Guinness World Records)

ブラジルに住むシドニー・デ・カルバリョさん(通称:ティオ・チコ)が、2022年、「最も遠くに飛び出した眼球(男性)」でギネス世界記録を達成しました。驚くべきことに、シドニーさんは眼球を18.2ミリも飛び出させることができるのです。この類まれな才能に気づいたのは9歳の頃。鏡の前で変顔を楽しむ中で、同級生たちと比べて自分の眼球が異常に飛び出すことができると発見しました。両親は一時期、病気を心配しましたが、医師の診断により、これは彼特有の珍しい能力だと判明しました。眼科医による突出計での測定では、この能力は彼の健康に全く影響を及ぼさないことが確認されています。シドニーさんによると、特別なトレーニングは一切行っておらず、生まれ持った能力を自然に磨いてきただけだといいます。

眼球を飛び出させる感覚について、シドニーさんは「まるで体の一部を離すような感覚」と表現します。眼球は20〜30秒ほど飛び出した状態を維持でき、その間、一時的に視界が失われ、焦点が戻るまでに数秒かかるそうです。イベントの際は目薬で潤いを保つ必要があり、目が乾くと熱感を覚えるため、長時間の維持は避けているとのことです。

普段は電子産業の営業職として働きながら、イベント出演やドラム演奏、DJとしても活躍。さらには「Tio Chico’s Burger」というハンバーガーのデリバリーサービスも経営する多才な一面を持ち、自身を「カメレオン」と称します。ギネス世界記録達成について、シドニーさんは「この上ない喜びで言葉が見つかりません。夢が実現し、新たな可能性への扉が開かれました。ギネス世界記録ファミリーの一員として、この機会を最大限に活かしていきたい」と抱負を語っています。

 

宇宙飛行で起きる謎の視力変化、その原因を探る

宇宙での視力変化
国際宇宙ステーション(ISS)での長期滞在において、約半数の宇宙飛行士に視力の変化が報告されています。日本大学の岩崎賢一教授の研究によると、この現象の特徴と原因が少しずつ明らかになってきました。

宇宙での視力変化の特徴は、「近くが見えにくくなる」ことです。これは老眼とは異なり、より遠くが見えやすくなることで起こる現象です。2011年の研究では、300人の宇宙飛行士へのアンケートで、短期ミッションで23%、長期ミッションでは48%もの飛行士が近くの見えにくさを報告しました。その原因として最も有力視されているのが「体液シフト」です。地球上では足の方向に引っ張られている体液が、無重力状態では頭部に集まってしまいます。これにより、目の網膜の下にある「脈絡膜」という部位が厚くなり、網膜が前に押し出されることで視力に影響が出ると考えられています。

さらに長期滞在では、視神経を取り巻く部分に体液が流れ込み、視神経束が膨らんで眼球を押す現象も確認されています。より深刻な問題は、地球に帰還後も完全には元に戻らないケースや、2回目の宇宙飛行でさらに症状が悪化するケースが報告されていることです。
将来の火星有人飛行では2年以上の長期ミッションとなるため、この視力変化の問題は重要な研究課題となっています。現在、世界中の研究者たちが様々な角度から原因究明と対策の研究を進めています。

これらのニュースは、私たちの「目」が持つ可能性と、まだまだ解明されていない神秘的な側面を教えてくれます。日頃何気なく見ている景色も、これらのニュースを知った後では、また違ったものに見えてくるかもしれません。

参考文献
https://www.cnn.co.jp/fringe/35104335.html
https://www.guinnessworldrecords.jp/news/2022/10/my-skill-is-a-gift-unbelievable-eyeball-pop-world-record-721646
https://www.mitsubishielectric.co.jp/me/dspace/column/c1607_2.html

 

 

この記事を書いた人

山本 エミ

Webライター、編集者。学生時代は両目視力2.0をもちながら、現在は左右の目の視力差が大きい「不同視(ガチャ目)」に悩む日々。現代病である疲れ目など、目の健康に役立つ記事を中心に執筆している。

こちらの記事もおすすめ