暑くて寝苦しい季節になりましたが、疲れないのは暑さのせいだけではないかもしれません。実は、目の疲れが睡眠に悪影響を及ぼしている可能性があるのです。
睡眠不足の蓄積は心身の健康にも影響
「睡眠負債(すいみんふさい)」という言葉は聞いたことはありませんか?
これは、日々の睡眠不足が慢性化し借金のように蓄積された状態のこと。
睡眠負債が、溜まると、全身の倦怠感(けんたいかん)、意欲やパフォーマンスの低下、うつ、生活習慣病や認知症などのリスクが高まるとされています。心身を健康に保つためにも睡眠はとても重要なのです。
目が疲れていると自律神経が乱れ不眠に
睡眠不足の原因として、不規則な生活、ストレス、睡眠環境、運動不足などが挙げられますが、実は目の疲れにも影響します。
スマホやパソコンなどを近くで長時間見続けるとこによって目の筋肉が凝り固まり、使用時の悪い姿勢のせいで首や肩も凝って、血行不良を招きます。これにより、目の疲れだけでなく、自律神経のバランスも乱れてしまうのです。
自律神経には活動中に働く交感神経とリラックスモードの時に働く副交感神経があります。目の酷使により緊張状態が長く続くと、交感神経のスイッチが入りっぱなしになり、就寝時になっても興奮状態が続いて目が冴えてしまうのです。
ブルーライトにより睡眠の質が低下
また、スマホやパソコンから発するブルーライトも睡眠を邪魔する原因です。
ブルーライトは光のエネルギーが強いため、目に入る光の量を調節しようと目の筋肉に負担がかかります。さらに、強い光を浴びることで脳が朝だと勘違いし、睡眠を即す「メラトニン」の分泌を抑制してしまうのです。
これによって、夜になると自然に眠くなる本来の体のリズムが乱れ、寝つきの悪さや睡眠不足につながります。あわせて、寝る前の暴飲暴食には気をつけましょう。
十分な睡眠がとれないと目を休めることができず、目の疲れも悪化します。疲れ目と睡眠不足の悪循環は早急に断ち切り、健やかに過ごしましょう。
ひと工夫で疲れ軽減 目をいたわるライフスタイル
日常生活の中でちょっとした心がけで、目の疲れを予防したり、疲れを癒したりすることができます。できることから少しずつ実践してみましょう!
日常
度数の合わないメガネは疲れ目や頭痛をお引き起こすので、定期的に度数を見直す
ビタミンやポリフェノールなど抗酸化力の高い成分を摂る
目の疲労感に合わせて点眼薬を効果的に使う
スマホやパソコンを使う時
1時間使った後は10分休む
顔とモニターを40㎝以上離す
ブルーライトカット機能のあるメガネをかける
寝る前
アイマスクなどで目を温める
就寝の2時間前はなるべくスマホやパソコンの使用を避ける