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話題のアイウェア「ViXion01」を1ヶ月使用してみて気づいたことを解説

ピントを自動で調整してくれるアイウェア「ViXion01」。オンラインで資金を募るクラウドファンディングで4億円以上を集めていることから、相当期待されているデバイスであることが伺えます。

ただ、1台10万円近くするため気軽に購入できる方は少ないのではないでしょうか?加えて、本当に実用性があるのか気になる方も多いでしょう。

そこで本記事では筆者がViXion01を実際に1ヶ月間使用して良かったこと・気になったことを正直にレビューしていきます。購入を検討されている方はぜひ参考にしてください。

ViXion01とは?


「ViXion01」とは、一言で表すと「見る対象物の距離に応じて自動でピントを合わせてくれるアイウェア」です。製品正面にあるセンサーが対象物との距離を測定し、特殊なレンズがその距離に合わせてピントを自動調整してくれます。(下記動画参照)

つまり、近視や老眼などで複数のメガネが必要だったのが、ViXion01だけで近視用メガネと老眼用メガネの機能をまかなえるということです。スペックは以下の表の通りです(公式サイト準拠)。

サイズ160mm(幅)×160mm(奥行き)×35mm(高さ)
質量55g(通常のメガネは10〜35g程度)
連続使用時間最大約10時間(充電時間3時間)
防滴IPX3(垂直より60度以内からの雨でも影響を受けないレベル)

 

ViXion01を使ってみて良かった点

ViXion01を1ヶ月使用してみて良かった点・気に入った点を紹介します。筆者自身視力が、右目0.4左目0.6とそこまで悪くないため、正直「ものが見えやすくなった」や「メガネを複数持ち運ぶ必要が無くなった」等を感じることはできておりません。

あくまで、そこまで視力は悪くないが1日10時間以上デスクワークし、目を酷使するビジネスパーソン視点での評価だということを事前に忠告しておきます。

目が疲れにくくなった

まず最も効果を実感したのは、ViXion01を使いながら丸一日PC作業をしても目の疲労感がかなり軽減したことです。いつもは昼を過ぎると目がショボショボするようになり、視界が霞むこともあったのですが、ViXion01を使用した日はそれがありませんでした。

これは、ViXion01のオートフォーカス機能が目の筋肉の代わりをしてくれたことが考えられます。目は見るものの距離に応じて毛様体筋という筋肉を駆使してピント調整します。この筋肉の代わりをViXion01が担ってくれたわけです。

つまり、目はずっとボーッとしたリラックス状態でありつつも視界は見やすいままであるため1日の後半になっても疲れが出づらいということになりす。PCメガネ(ブルーライトカットメガネ)でも、目の疲れの軽減を感じられましたが、ViXion01はそれ以上でした♪

作業中の肩こりが緩和された

ViXion01を使っていて意外と良かったのは、デスクワーク中の肩こりが軽減されたことです。この原因は、目がリラックス状態だと肩こりも軽減されることに加え、ViXion01のレンズの小ささが功を奏したと筆者は考えています。

ViXion01は、まだ発展途上段階ということもありレンズが小さく、直径6mm程度しかありません。つまり、視線の移動で眼球を動かしてしまうとレンズから視界が外れ裸眼の状態でものを見ることになります。

そのため、ViXion01をつけて視線を移動する場合は、眼球を動かさずに顔ごと任意の方向に向かないといけないのですが、それが逆に肩のこりをほぐしてくれました♪

正しい姿勢を維持できるようになった

ViXion01を1ヶ月使用していると気づいたら姿勢も良くなっていました。なぜかViXion01を使用していないときも背筋が伸びた姿勢でデスクワークができるようになったのです。

視力が0.6あるといっても、いままでは文字が小さいと画面に顔を近づけてしまい猫背気味になっていました。しかし、ViXion01を使用してから小さい文字も見えやすくなり画面に顔を近づけることもほとんどなくなったのです。

また、ViXion01は対象物とセンサーの距離に応じてピントが再調整されるときに一瞬だけボヤけます。ボヤけないように、なるべく対象物とセンサーの距離を一定に保つために無意識に正しい姿勢をキープしていたというのも考えられます。

結果的に、正しい姿勢でデスクワークを行うクセがつき、ViXion01なしでも体への負担を少なくできました。ViXion01の使用で目へのストレスが減ると同時に、身体のストレスが減ったというのは予想外の結果でした。おそらく、ViXion01の開発者様側も想定していなかったでしょう。

ViXion01を使ってみて気になった点

続いては、ViXion01を1ヶ月使用してみて気になった点を紹介します。ViXion01はまだ発展途上のデバイスのため、仕方がないと思う点もあるのですが、購入するかどうか決めるための重要な判断材料になるため、正直に解説していきます。

使用シーンが限られる

ViXion01は、公式サイトでも言及されているように運転中やスポーツ時などの視線の移動が激しいシーンでの利用は禁止されています。レンズが小さいため、周辺視野は犠牲になるため外出時の使用は避けましょう。

また、視界が中心に限定されるため遠くのものを見ようとすると、レンズのパーツ部分が視界に入ってしまいます。一方で近くでものを見る際はレンズのパーツ部分は気になることはないので、PC作業や手元で細かい作業を行うときのみに使用することをおすすめします。

目線を意識するのが大変

製品正面のセンサーと対象物の距離によってピントを調整する性質上、目線の管理にコツが必要です。自分はパソコンを見ているのに、センサーはパソコンよりも奥にある壁を対象物と認識してしまい、視界がボヤける事態が何度か発生しました。

 

ViXion01をかける位置を若干下にズラすことで、目線とセンサーが一致し視界がボヤけることはなくなりました。

アプリの接続に手間がかかる

ViXion01は、自分が使用する際に視度調整を手動で行う必要があります。製品についているボタンやダイヤルを使うことで視度調整ができるのですが、専用アプリでも調整が可能です。

アプリを使用すると、自分が設定した視度を保存できたり、左右の視度調整が簡単にできたりと便利な機能があるのですが、ViXion01をアプリと連携するのに手間がかかります。

ViXion01使用中は常にアプリと接続中というわけではありません。アプリを使用するたびにBluetooth接続しなくてはならないのは億劫に感じました。

まとめ.どんな人が向いているのか?


ViXion01の使用に向いている人は、近視や老眼、視野狭窄など複数の目の障がいを抱えている方だと思います。使用シーンは限られますが、少なくとも自宅では複数のメガネを持ち歩かなくてもViXion01のみで事足りますし、もともと視野が狭い方などはレンズの小ささもそこまで気にならないでしょう。

筆者も網膜色素変性症で、年齢とともに視野が狭まっているのを沸々と実感しています。現状ではレンズが小さく「視界が狭い」と感じますが、将来的にはViXion01のようなアイウェアが手放せないタイミングが来るかもしれません。

ViXion01商品のお問い合わせはこちら

https://www.wakasa.jp/

この記事を書いた人

矢込郁

Webライター。筆者自身も網膜色素変性症で、視野が狭く暗い場所が見えづらいなかで生活を送っている。専門分野であるWeb・ITの知識と目に関する自身の経験を織り交ぜながら、視覚に問題のある方に寄り添った記事を執筆。

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