山岳信仰の信者を全国から集める標高3,067mの霊峰・御嶽山(おんたけさん)の麓にある長野県王滝村。
日本一のヒノキの美林が広がり、流れ出る水は、はるか南西に広がる濃尾平野(のうびへいや)を潤します。
その御嶽山の5合目に、目の病気に効くと言われる清水を持つ、八海山神社があります。
標高3,067mの霊峰の5合目に建つ「八海山神社」
長野県木曽郡王滝村という人口わずか800人弱の小さな村があります。
王滝村と岐阜県下呂市・高山市にまたがり、古くから山岳信仰の対象の山として信者の畏敬を集めてきた巨峰で、いくつもの峰を連ねてそびえる活火山である御嶽山。
日本全国で多数の山の中で、「山は富士、嶽は御嶽」と呼ばれる、御嶽山の王滝口5合目に鎮座するのが、御嶽三座神のひとつ、八海山大頭羅神王(はっかいさんだいずらしんのう・はっかいさんおおかみ)を祭神としている八海山神社です。
かつてその昔、普寛行者(ふかんぎょうじゃ)が弟子の泰賢行者(たいけんぎょうじゃ)と越後国(今の新潟県)八海山を開山した際、その八海山の大頭羅神王を歓請し、御嶽山黒石原に祭ったことに由来しています。
大頭羅神王は大般若経六百巻を守護する十六善神の筆頭として名高い人物です。
本殿には八海山大頭羅神王が、八海山神社の境内には摩利支天尊(武神、別名:かげろうの化神)、八大龍王尊(水神)、愛染明王(縁結び、恋愛の神様)が祀られています。
戦前は神像を祀った覆屋のような祠があったのみで、戦後神社として建てられ、八海山大神を祀っています。現在の神社は、道路の開通により当初の位置から移転されています。
王滝村は御嶽への登拝者が全国から訪れるようになったことで、薬屋や宿など、観光客向けの産業が栄え、経済的に大きく発展した。それゆえに開祖である行者、普寛の存在が今でも語り継がれていると言います。
眼病平癒の御神水
江戸時代、目を病む人が御嶽行者から八海山様におすがりするよう言われ、一心に経を唱え信心するようになったところ、八海山大神が夢枕に現れて「わが社の水を汲み目につけるべし」とのお告げを受けました。
そこで水を持ち帰って一滴ずつ目に差したところ、日に日に快方へ向かい、後に全快したという言い伝えが残されています。
現在では、社殿裏に「八海山御神水」と呼ばれる御神水が湧出しており、御神水をいただく信者が後を絶たず、ここで目を洗い、眼病平癒の御神徳に祈りをささげています。
御嶽山には1合目に建つ里社から始まり、5合目には八海山神社、8合目には遙拝所、10合目に頂上御嶽神社の奥社へと続いています。
覚明行者が黒沢ルートを開いたことに続き、1792年に普寛行者が開いた祈りの道として有名な『御嶽古道 王滝ルート』は、御岳湖西岸に位置する「王滝村観光案内所」をスタートし、御嶽の自然を満喫しながら、「八海山神社」まで至る全長8.8kmの古道で、清らかな滝、木漏れ日が煌めく山道を散策するのがおすすめです。
眼病平癒、縁結びのパワースポットとして名高い八海山神社。訪問にはマイカーが便利です。
新緑の季節から紅葉の時期まで、美しい四季の彩りやダイナミックな滝のマイナスイオンも楽しむことができます。
ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
参考URL
おんたけ王滝 八海山神社
http://www.ontake.jp/places/%E5%85%AB%E6%B5%B7%E5%B1%B1%E7%A5%9E%E7%A4%BE
>アクセス
■JR上松駅より車で約47分
>住所
〒397-0201 長野県木曽郡王滝村八海山
>お問い合せ
TEL 0264-48-2692
>URL
おんたけ王滝 八海山神社
http://www.ontake.jp/places/%E5%85%AB%E6%B5%B7%E5%B1%B1%E7%A5%9E%E7%A4%BE
>備考
【拝観料】 なし
【拝観時間】7時~17時
【駐車場】10台
長野県では「長野県登山安全条例」により、指定登山道を通行しようとするときはあらかじめ登山計画書を届出する必要があります。