目のケアのためにと、サングラスをしたり、サプリメントを飲んだりと意識的に対策する方法が多いですよね。無意識的に目の対策ができれば良いのになと思われることはないでしょうか。
実は、普段何気なく飲んでいるコーヒーも、目をストレスから守る効果があると研究で明らかになりました。本記事では、コーヒーに含まれるクロロゲン酸が目にどのような影響があるのかを解説し、クロロゲン酸の効果的な摂取方法について紹介します。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸とは
コーヒーには、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が含まれています。
コーヒーと言えば、カフェインを想像する方が多いと思われます。実は、カフェインよりもクロロゲン酸の方がコーヒーに含まれる量は多いのです。コーヒー特有の苦味や褐色はクロロゲン酸がもととなっています。
クロロゲン酸には、抗酸化作用や炎症抑制作用、血糖値上昇の抑制作用など、様々な健康効果があるとされています。特に、眼内の網膜細胞をストレスから守り、網膜変性を防ぐ可能性があると海外の研究で明らかになりました。
つまり、コーヒーを飲み続けることで、目への慢性的なストレスを軽減できる可能性があるのです。
クロロゲン酸を効果的に摂るコーヒーの飲み方
クロロゲン酸を効果的に摂取できるコーヒーの飲み方を紹介します。コーヒーを飲む際は、以下2つのポイントを意識しましょう。
コーヒーは浅煎りのブラック
コーヒー豆の焙煎度合いによって、クロロゲン酸の含有量が異なります。生豆の状態が最もクロロゲン酸を含んでいる状態で、焙煎度合いが浅いほど、クロロゲン酸の含有量が高くなるため、浅煎りのコーヒーがおすすめです。
淹れ方はドリップ式
コーヒーの淹れ方は、一般的にインスタント派かドリップ派かに分かれます。クロロゲン酸の含有量を多くするためには、ドリップ式をおすすめします。袋に小分けされているタイプでも大丈夫です。コーヒー豆が生の状態に近いほど、クロロゲン酸を多く含みます。そのため深煎りやインスタントコーヒーには、クロロゲン酸の含有量が減少してしまうのです。
コーヒーを飲む時の注意点
コーヒーが目に良い影響を与える可能性があるからといって、四六時中飲むのはおすすめできません。飲み過ぎたり、飲む時間を考えないとかえって体に悪影響を与えてしまいます。コーヒーを飲む時の注意点は、以下の3つです。
- 多くても1日5杯まで
- 空腹時と夕方以降はなるべく飲まない
- 水分補給を忘れない
それぞれ解説します。
多くても1日5杯まで
コーヒーがどんなに好きでも、飲み過ぎはよくありません。コーヒーに含まれているカフェインの摂取量は、1日400mgまでが目安とされており。1杯(150cc)あたり約60〜90mgのカフェインが含まれているので、4〜5杯が限度といえるでしょう。
飲みすぎると、不眠症や心拍数の増加、高血圧などが引き起こされる恐れがあります。
空腹時と夕方以降はなるべく飲まない
コーヒーを飲むタイミングも大切です。特に空腹時と夕方以降は、コーヒーをなるべく飲まないようにしましょう。
空腹時にコーヒーを飲んでしまうと、腹痛になる可能性があります。コーヒーに含まれるカフェインは、胃の動きを活発にする効果があり、胃酸を分泌します。空腹時にコーヒーを飲んでしまうと、過剰に胃酸が分泌してしまい腹痛の原因となるのです。コーヒーは食後か、お腹が空いていない時に飲むようにしましょう。
また、夕方以降にコーヒーを飲むことも避けた方がいいでしょう。コーヒーに含まれるカフェインには覚醒作用があり、効果は5〜7時間くらい続くとされています。夕方以降にコーヒーを飲んでしまうと、寝る時間になってもカフェインが抜けずに睡眠の質が悪くなります。
24時に寝る場合、その7時間前である17時以降はコーヒーを飲まないといったように、コーヒーを飲むタイミングは、寝る時間から逆算するのがポイントです。
水分補給を忘れない
コーヒーで水分補給をしていると考えずに、水も飲むようににしましょう。コーヒーに含まれるカフェインには利尿作用があるため、トイレの回数が増えます。コーヒーで水分を補給しているつもりでも、逆に体内の水分は減っているのです。
水分としてコーヒーを飲みたいときは、カフェインレスやデカフェのコーヒーを飲むと良いでしょう。利尿作用の原因となるカフェインの量が非常に少ないため、トイレの回数が減るはずです。また、クロロゲン酸自体は、カフェインレスコーヒーにも含まれているので、目の対策としても有効です。
まとめ
コーヒーに含まれるクロロゲン酸は、眼内の網膜細胞をストレスから防ぐ効果があります。筆者も網膜色素変性症を患っているので、コーヒーが網膜細胞に良いと聞き、愛飲しています。最近、目の検査を受けた際に症状の進行がそこまで進んでなかったのは、コーヒーのおかげかもしれません。
クロロゲン酸は、コーヒー以外にもジャガイモやリンゴといった野菜・果物類にも含まれています。コーヒーが苦手で飲めない方は、それらの食べ物を積極的に摂取すると良いでしょう。
【参考文献】
わかさの秘密「クロロゲン酸」
Chlorogenic Acid and Coffee Prevent Hypoxia-Induced Retinal Degeneration
農林水産省「カフェインの過剰摂取について」
国立がん研究センター「がんとコーヒー」