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目にまつわるお役立ちニュース

1年に一度は目の健康チェック! 早期発見・治療の継続が重要な「緑内障」前編

目の検査

緑内障。
一度は名前を聞いたことがあるけど自分には関係がないと思っている方も多いのではないでしょうか。最近は公益社団法人ACジャパンのTVCMをよく見かけるようになりました。
緑内障は日本人の中途失明原因第1位の目の病気です。誰もが発症する可能性はありますが早期に発見し、早期に治療を開始し、そして治療を継続できれば失明を防ぐことも可能となってきています。
今回はそのために行われている活動や自宅で簡単にチェックできるアプリが開発されていますので2回に渡ってご紹介します。

緑内障の原因と症状

緑内障は、眼圧(眼球内の圧力)が上昇したり、血流が悪くなるなどにより視神経が障害され、視野(見える範囲)が狭くなる進行性の目の病気です。
日本では視覚障害の原因第1位(全体の約3割)で40歳以上の20人に1人は緑内障だといわれています。そして、高齢になるほど有病率が高くなるため高齢者の増加に伴い、さらに緑内障の方も増えていくといわれています。
日本人の多くは眼圧が正常にもかかわらず発症するタイプ(正常眼圧緑内障)であり、初期には症状を自覚することが難しいため気が付いた時にはかなり症状が進行している場合があります。
そこで重要になってくるのが早期発見・早期治療で、初期の内に適切な対応をし治療を継続することで視力や視野を保てる可能性が高くなります。
そんな緑内障に関心を持ってもらいたいと毎年3月に世界緑内障週間が制定されており、様々な啓発活動が行なわれています。

2023世界緑内障週間ポスター

世界緑内障週間とライトアップ

世界緑内障週間(2023年は3月12日(日)~3月18日(土))は日本緑内障学会が中心となり、世界の緑内障研究者や患者団体とともに啓発活動が行なわれています。検診などのイベントのほかに、国内のランドマーク施設や医療機関などで緑内障のシンボルカラーである緑色にライトアップする「ライトアップ in グリーン運動」が行われています。
ライトアップは初年度の2015年は全国で5ヵ所だけでしたが、2022年には、全国の医療機関や公共期間、企業など731箇所が参加するまでに広がっています。
日本緑内障学会では、この「ライトアップinグリーン運動」を通して、より多くの人々に緑内障という病気について正しく知ってもらうことが、目の健康寿命を延ばすことになり、失明予防につながると考えられています。

 

参考URL
「日本緑内障学会多治見緑内障疫学調査(通称:多治見スタディ)」
https://www.ryokunaisho.jp/general/ekigaku/tajimi.php

ライトアップ in グリーン運動2023 概要
https://www.ryokunaisho.jp/light_up/static/summary2023

この記事を書いた人

山本 旭彦

わかさ生活ヘルスキーパー。網膜色素変性症によって視野が狭くなり、暗いところも見づらい症状をもつ。視覚障がいへの理解、気軽にサポートできる環境を広めようと、「あきひこさんの一日」と称した出張授業を小学校などで継続的に実施しています。

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