近年販売されている日焼け止めのパッケージを見た時に、「近赤外線をカットする」と表記された物を見かけたことはありませんか。
その際、「聞いたことがあるような気もするけど、近赤外線とは何のことだろう?」と疑問に感じた方もいることでしょう。
今回は、最近注目されている近赤外線とは何なのか、どうすればそれを防ぐことができるのかについて解説します。
近赤外線とは一体なんのこと?
近赤外線は、可視光線よりも波長が長く遠赤外線よりも波長が短い、約780〜1400nmの波長を持つ光線です。
人の目では見ることはできませんが、太陽光だけでなく携帯電話やパソコンのモニター、電球など、私たちの身の回りに存在しています。
今まで、肌老化の大きな原因は紫外線だと考えられていましたが、最近では「近赤外線の危険性」が問われています。
一体、なぜでしょうか。
その理由は、近赤外線の波長が長いことにあります。
近赤外線は紫外線よりもさらに奥深く、皮膚の真皮の深層部から筋肉まで届くことが最近の研究で明らかになってきました。
しかも、地上に降り注ぐ紫外線に比べ、近赤外線の量は約5倍です。
こうしたことから、近赤外線を必要以上に浴びることは危険だと考えられるようになりました。
近赤外線の研究はまだ始まったばかりです。
近赤外線を肌に当て続けるとどうなるのでしょうか。
近赤外線が肌に与えるダメージとは
最近の研究結果によると、紫外線同様、近赤外線も肌に大きなダメージを与えることが分かってきました。
紫外線のUV-Aは、波長が長いため、肌の奥までジワジワと悪影響を及ぼします。大量に浴びてしまうとメラノサイトの活性を促し、シミの原因になることも。UV-Bは、UV-Aと比べると波長は短いものの強力なエネルギーを持っています。皮膚の真皮内まで入って、コラーゲンやエラスチンの産生を阻害します。その結果、シミができてしまうことがあるのです。
近赤外線は、それらUV-AやUV-Bよりも波長が長く肌のさらに深い所まで到達します。
短時間では皮膚へのダメージはほぼありませんが、長く浴びていると大きなダメージに繋がります。
光の波長が長い分、組織の奥まで浸透しやすく、眼底にも届いてしまい、長く浴びることで白内障になる恐れがあります。ちなみにこの白内障はガラス職人に多かったので別名「硝子工白内障」とも言われています。
紫外線では到達できない筋肉レベルまで届くため、肌の弾力を保つコラーゲンにも影響し、「シワ」「たるみ」の原因にもなり光老化が促進してしまうことになるのです。
医療でも使用される近赤外線
ここまで近赤外線の悪影響についてご説明してきました。
しかし、全ての近赤外線が肌に悪影響を及ぼすわけではありません。
近赤外線は、医療の世界でも広く活用されている有用な光線です。
近赤外線を照射することで、血流を促進したり炎症性の痛みを和らげることが期待できます。また、筋肉の深いところにある凝りをほぐす働きも!
そのため、花粉症やニキビの治療、坐骨神経痛などの治療に用いられてきました。
近赤外線を正しく用いるなら、さまざまな治療に活用できるのです。
近赤外線を避けるためにできる2つのこと
では、不必要な近赤外線をカットするために、具体的に何ができるでしょうか。
① 近赤外線カットメガネをつける
紫外線予防のサングラスやブルーライトカットメガネに加えて、近赤外線をカットできるメガネをつけることで目もとのシワ・たるみ予防にも効果的です。
目にとっても白内障や角膜炎、翼状片(よくじょうへん)などの予防にもつながります。
紫外線カット・ブルーライトカット・近赤外線カット3種機能の付いているメガネがありますのでおすすめです。
②近赤外線カットの日焼け止めを塗る
太陽に当たった際に、肌が焼け付くようにジリジリと感じることがありますよね。このジリジリの正体は、近赤外線です。
最近は、日焼け止めの中にも近赤外線をカットするタイプのものが出てきました。光老化を予防するためにも、近赤外線カットの日焼け止めを選ぶようにしましょう。
まとめ
ジワジワと肌老化を促進させる近赤外線。
近赤外線カットメガネや近赤外線をカットする日焼け止めを選ぶことで、目のトラブルを防ぎ、肌ダメージを減らしていきましょう!