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目を鍛えるトレーニング術

あなたにはこの黒い円の画像、どう見えているでしょうか。 目と脳の持つ性質によって起こる不思議な目の錯覚(錯視)を紹介します。

目の錯覚をおこす黒い円の画像

この黒い円の画像は目と脳の関係、そして目の錯覚が起こる条件を踏まえて作った画像です。
画像のどの部分が目の錯覚によるものなのか、なぜそのように見えるのかを紹介します。

 

目の錯覚とは

私たちが物を見る時、目に入った光は網膜で電気信号に変換され、視神経を通って脳に届きそこで初めてそれが何であるかを認識します。
しかし、目や脳が持つ性質によって届いた情報が正しく認識されるとは限りません。
条件によっては、目の前にあるものと見えている映像が違う目の錯覚(錯視)が起こることがあります。
目の錯覚に関する研究は100年以上前から行われていて、大きさ・色などが変わって見えるもの、止まっているのに動いて見えるもの、ないはずのものが見えるもの、平面なのに立体的に見えるものなど多くの種類が発見されています。
そして、目の錯覚を起こすのは人間だけではないことも研究によって明らかになってきています。

 

目の錯覚を起こすのは人間だけじゃない

ライオンの目のアップの画像

様々な生き物に対して研究が行われており、例えば静止画なのに動いて見える絵を使った研究では、ライオンのメスにその絵を見せたところ、それを獲物だと思い、噛みついたり、引きずり回したりしたそうです。
また同じ絵を使ったショウジョウバエに対する研究では絵を見ているショウジョウバエの脳で視覚を処理するニューロンを追跡した結果、錯覚を起こしていることがわかったという論文が発表されています。
その他にも犬や猫、鳥や魚も目の錯覚を起こすことがわかっています。

 

存在しないはずの光の線

それでは目の錯覚について知っていただいたところで、いよいよ最初に出てきた黒い円の画像について解説いたします。
黒い円が書かれている画像をもう一度見てください。ポイントは円の中心部分を見ることです。

目の錯覚をおこす黒い円の画像

 

円の中心を見ているとそこから、放射線状に光の線が出ているように見えますよね。
この光の線は目の錯覚によるものなのです。
なぜ存在しないはずの光の線が見えるのかというと、「周辺視野が物をはっきり捉えることができない」ことと、星空を見た時、星を結んで星座をイメージするように人の脳に「点と点を結ぶ性質」があることが関係しているようです。
まず、画像の黒い円は七角形の図形を重ねて描かれているので、場所によって線の重なり方が違うため密度の濃い部分と薄い部分ができます。
さらに画像の中心を見ている時は黒い円を周辺視野でとらえることになるので、重なりの多い部分は少し暗く、重なりの少ない部分は少し明るく見えます。
そして、その明るく見える点と点を脳がつながっていると認識することで光の線が存在しているように見えると考えられています。

 

まとめ

不思議ですよね。なぜ目の錯覚が起こるのか理由を聞いてからもう一度画像を見ても目の錯覚は起こります。
目の錯覚に関する研究は長年に渡り行われていますが、新たな目の錯覚も次々発見されています。
もしかすると、気が付いていないだけで身近なところに新たな目の錯覚が隠れているかもしれません。
普段何気なく見ている景色も見方を変えると新たな発見があるかもしれませんね。

※見え方には個人差がありますので、必ず目の錯覚が起こるとは限りません。

 

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【参考文献】
存在しない光が見える? デザイン会社のロゴから新たな錯視画像が誕生
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/07/post-96707.php

 

この記事を書いた人

メノコト365編集部

目の健康に関するあらゆる情報を発信しています。子どもたちが健やかな目で生活できるように、小さなうちから正しい健康習慣を身につけてもらうための健育イベントを開催するなど、目の健康について意識を高めるきっかけになることを願い様々な活動をしています。

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