廣峯神社がある兵庫県の西、姫路市はユネスコ世界文化遺産として登録されている姫路城(白鷺城)があることで有名であり、平成の大修理で白く美しい姿が復活しています。
廣峯神社は黒田官兵衛のゆかりの地でもあり、官兵衛のルーツを感じるべく、多くの人が訪れています。
今回は、廣峯神社をご紹介します。
廣峯神社について
廣峯神社は崇神天皇の時代から二千有余年の歴史を持ち、素戔嗚尊(スサノオノミコト)と五十猛尊(イソタケルノミコト)が祀られたのが始まりとされ、のちに遣唐使として知られる学者・吉備真備が、この地に立ち寄った際に神託を受けて天平5年(西暦733年)に創建された神社です。
吉備真備は主祭神の素戔嗚尊、牛頭天王(ゴズテンノウ)・天道神、奇稲田姫命(クシイナダヒメノミコト)を歳徳神、八王子の神々を八将神として、「こよみ」を司る暦神とし、唐で学んできた陰陽道を広めました。
こよみを司ることから、素戔嗚尊は五穀豊穣の神としてご利益があるとされ、一年を通して農業に関わる祭典が多く行われています。
また、牛頭天王は病気を操る疫病退散の神としても厚く信仰されており、京都にて疫病が流行した時、牛頭天王を分祀したことにより疫病が収まったとされています。
その疫病が収まったお祝いがはじまりとされるのが八坂神社の祇園祭です。
廣峯神社は元々神仏習合の神社であり、牛頭天王が疫病退散の神として祀られていると共に仏様として薬師如来が祀られていました。
神殿にもその神仏習合であった際の形を残しており、非常に貴重であるとされています。
病気平癒にご利益がある廣峯神社
廣峯神社には、神社には珍しい薬師堂があり、薬師如来が祀られています。
この薬師如来は病気平癒にご利益があるとされていますが、特に目の病気に強くご利益があるとも言われています。
普段、薬師堂は公開されていませんが、毎月1・18日に月次祭、1月14日の疫神祭、7月18日の薬師祭には祈願護摩焚きが行われます。
神社に伝わる黒田家秘伝の「目薬」
廣峯神社は黒田官兵衛ゆかりの地として紹介されていますが、官兵衛の祖父・黒田重隆が廣峯神社に参拝した際、廣峯神社周辺に居住していた神社の参拝者に対してお世話をしたり、神社内を案内する神職である御師(おし※)と言われる人々と交流を持っていました。
重隆に大きな信頼を寄せた御師たちは重隆のために黒田家代々伝わる目薬を神社で取り扱っている御札と一緒に配りました。
当時の目薬は目薬の木を軟膏にしたものを水に溶かして、脱脂綿に含ませて目に入れるものでした。
この目薬が評判を呼び、黒田家は財を築きあげたといわれています。
現在でも廣峯神社の敷地内には、黒田家の跡地や目薬の木が植えられています。
※御師とは、神社に参拝に来た信者の対応だけでなく、五穀豊穣のために陰陽道で学んだ天文学や地質学を使って農民のために自ら各地を周っていた人々のことです。その御師たちの住居跡が廣峯神社に残されています。
人々の願いを聞き届けてくれる「九つの穴」
廣峯神社の本殿裏には牛頭天王が暦神であることから、ここには一白金星~九紫火星までの九星のそれぞれの神様が祀られた、「九つの穴」と言われる場所があります。
自分の運命星の穴に向かってお賽銭と願い事を書いた木札を入れ、願い事を穴に向かってささやくことで願い事が叶うと伝えられています。
黒田家のルーツを求めて、廣峯神社に足をのばしてみてはいかがでしょうか。
現代の人々にも届くご利益の数々
廣峯神社には、数々の嬉しいお声が集まっています。宮司さんからお聞きしたその一部をご紹介します。
・ 兵庫県外在住(男児)
目の難病を患い、手術の成功を願いご家族とお参りに来られました。
後日、手術が成功したことのお礼参りに来られました。
・ 姫路市在住 (男性)
白内障を発症し、手術の成功を願いお参りに来られました。
後日、手術が成功しお礼参りに来られました。
・ 姫路市在住
目のかすみが気になり、正常に戻るようにお参りに来られました。
>アクセス
JR神戸線・山陽電車「姫路」駅より神姫バス乗車、「広峰」下車 徒歩約40分
JR「野里」駅より車で約15分
>住所
兵庫県姫路市広嶺山52
>お問い合せ
079-288-4777
>備考
【拝観料】無料 【参拝時間】自由(祈祷受付時間 9:00~16:00 要予約)