東京ドームの近くに、あるいい伝えから眼病にご利益がある有名なお寺があります。
今回は、源覚寺をご紹介します。
源覚寺について
源覚寺は、寛永元(1624)年に、随波(ずいは)上人が開いた浄土宗の寺院です。
境内の正面には、えんま王木造坐像(えんま様)がおまつりされた閻魔堂があります。
えんま様は、鎌倉時代につくられたと伝えられる、高さ約1メートルの木像です。源覚寺は4度の火災と東京大空襲に見舞われましたが、えんま様は幸いにも焼失を免れました。
閻魔堂は、老朽化が進んだため、平成15(2003)年に建て替えられました。
こんにゃくとえんま様に伝わる眼病平癒のお話
閻魔堂に安置されているえんま様のお顔をよく見てみると、右目が黄色く濁っているように見えます。
実は、この右目にはあるいい伝えが残されているのです。
宝暦年代(1751~1764年)のころ、源覚寺に目を患う一人の老婆が参拝に訪れ、「目がよくなりますように」と、21日間ずっと祈願しました。
すると、21日目の夜、夢の中にえんま様が現れ、「願掛けの満願成就の暁には、私の両目の内、一つをあなたに差し上げよう」と老婆に告げました。
その後、老婆は目が見えるようになり、喜んで閻魔堂を訪れ、えんま様の右目が変わっていることに気がついたのです。
えんま様がお告げの通り自分に目を与えてくださったのだと知った老婆は、亡くなるまでずっと好物のこんにゃくをお供えし続けたと伝えられています。
このいい伝えから、源覚寺におまつりされているえんま様は「こんにゃくえんま」と呼ばれるようになり、眼病平癒のご利益を授かりに訪れた方は、こんにゃくをお供えするようになったそうです。
歯痛にもご利益がある源覚寺
境内を奥に進んだ先には、塩がかけられた2体のお地蔵様が安置されています。「塩地蔵尊」と呼ばれ、お地蔵様の体に塩をつけてお祈りすることで、体の悪い部分が治るといわれています。
また、塩がお清めに使われていることや、塩のように、白い歯を持ち続けたいという願いから、特に歯痛で悩む人たちが祈願に訪れるようになったそうです。
今でも、完治した際は感謝の気持ちを込めて、塩の量を倍にしてお参りする風習が残されています。
えんま様がご自身の目を与えたことをきっかけに、眼病平癒にご利益があると知られるようになった源覚寺。片目が見えないという、えんま様のお顔も必見です。
住職さまが教えてくれたご利益のお話
最近、白内障を患って困っていた方がこんにゃくえんまさまにお祈りしてから手術を受けたところ、なんと、針仕事をメガネなしで出来るようになったという嬉しいお話を住職さまがお話してくださいました。
こんにゃくえんまさまでは、御朱印やお守りを授かることもできます。
眼病、そして歯痛でお困りの方は、えんま様と塩地蔵尊にお願いしてみてはいかがでしょうか。
>アクセス
東京メトロ丸ノ内線・南北線「後楽園」駅下車 徒歩約3分
>住所
東京都文京区小石川2-23-14
>お問い合せ
03-3811-4482
>URL
http://www.genkakuji.or.jp
>備考
【拝観料】無料
【参拝時間】7:00~17:00