福岡県の南部に位置する久留米市田主丸(たぬしまる)町は、ぶどうや柿など果物の生産が盛んに行われています。
古くから「カッパ伝説」が残り、今回訪れた月読神社にも、カッパにゆかりのある社がありますが、眼病平癒にご利益のある神社として有名です。
月読神社について
月読神社は、天文3(1534)年に林次郎兵衛が二田村(現在の田主丸町東町)の自宅に月読尊(ツクヨミノミコト)を安置したことが始まりといわれ、明治13(1880)年に現在の地に社が勧請されました。
ご祭神に月読尊がおまつりされています。
日本神話によると父尊である伊弉諾尊(イザナギノミコト)が左目を洗った時に天照大御神(アマテラスノオオミカミ)が誕生し、右目からは月読尊が誕生したといわれています。天照大御神は太陽の神として称えられ、月読尊は「月神」として、夜の世界を照らし、月の引力によって潮の干満が起こることから、安産、海岸安全、漁業、海難、そして五穀豊穣にもご利益があるといわれています。
また、昔から月にはうさぎが住んでいたということから、境内にはうさぎの像がいくつかあります。
月読神社に伝わる眼病平癒のお話
月読神社は、月読尊が伊弉諾尊の右目から誕生したため、古来より眼病平癒にご利益があるといわれています。
そのため、眼病平癒にまつわるお話がいくつか残されています。
今から280年ほど前のこと、古賀又左衛門という両目を患った者がいました。
ある夜のこと、夢の中で月読尊から「両目の病を治したければ、月読の神が鎮座する二田村を訪れよ」とお告げがありました。
失意の中にいた又左衛門は、夢のお告げの通り、林次郎兵衛宅を毎日訪れ「目の病が治りますように」と、祈願しました。
すると、わずか17日で目の病が治ったのだとか。
その後、眼病平癒で訪れる人々が絶えず参拝に訪れるようになったと伝えられています。
そして、月日は流れ、寛延2(1479)年のこと。
柳川藩(現在の福岡県柳川市)藩主は、娘が目を患っていることを気の毒に思っていました。
月読神社が眼病平癒にご利益があることを知った藩主は、代参者を林次郎兵衛宅へ赴かせ、娘の眼病平癒を祈願しました。
37日後、娘の目が良くなったのだとか。
大変喜んだ藩主は、林次郎兵衛宅を二田村から現在の地に移し、そこに立派な社を建てたといわれています。
その社が、現在の「月読神社」といわれています。
月読神社には、今日も目の病気平癒や目の手術成功を願う人々が訪れます。
毎年1月23日から25日に行われる「月読神社大祭」では、他に露店や植木市なども行われるため、多くの人で賑わいます。
神主さんから聞いたご利益の話
自身や家族が白内障や緑内障などといった手術が必要な目の病気にかかり、いざ手術となった際、月読神社を参拝した人々は、無事に手術が成功し、元気になった目で再度月読神社の景色を見に訪れるのだとか。
久留米方面にお越しの際は、月読神社を訪れてみてはいかがでしょうか。
>アクセス
JR「田主丸」駅下車 徒歩約5分
>住所
福岡県久留米市田主丸町田主丸552-2
>お問い合せ
0943-72-2981
>備考
【拝観料】無料【参拝時間】自由