子どもの近視の増加や高齢化、病気や事故により見えない、見えづらいと感じている方はたくさんいらっしゃると思います。
そんな見えない、見えづらい方をサポートしてくれる機器が、日本のみならず海外でも次々と開発されています。
今回はその中から最新のアイウェアを3つ紹介します。
目次
新たな機器が次々と開発されています
私は視力に障がいがあるので、拡大読書器というカメラで写した映像をモニターに拡大して表示する視覚支援機器を使用しています。
その他にも安全なレーザーを使用し網膜に直接映像を写すことができるアイウェアや超音波センサーで歩行をサポートしてくれる機器など多くの機器が開発され、それらに助けられています。
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みなさんに紹介したいものはたくさんあるのですが、今回はその中から注目のアイウェアを3つ紹介します。
息子のために開発された視覚障がい支援ヘッドセット「Biel Glasses(ビエル・グラス)」
「治すことはできないかもしれないが、助けることはできる」という想いから生まれた視覚障がい支援ヘッドセット「Biel Glasses(ビエル・グラス)」
自分の息子がロービジョン(視覚障がい者)だと知ったスペインの夫婦(父親は電気技師、母親は医師)が調べたところロービジョンの歩行支援のためにあるものが、白杖と盲導犬だけで、眼鏡で矯正したり、手術で治すこともできないことを知りました。
そこでロービジョンの方が自力で安全に移動できるためのデジタル機器を自分たちで開発しようと、「Biel Glasses(ビエル・グラス)」を設立されました。
開発に必要な資金はクラウドファンディングを活用し、多くの方の協力によって、完成することができたそうです。
「Biel Glasses(ビエル・グラス)」はゲーム用ゴーグルと眼鏡を掛け合わせたようなヘッドセットで、カメラで写した映像の3D画像を作成し、その上にテキストや画像、ビデオを重ねて表示することができます。
障害物はAIを使って検知し、行く手を遮るものに近づくと、画面上に大きな赤い円が表示され、道路標識などは拡大して見ることもできるそうなので、段差や階段、人が多い場所でもしっかりサポートしてくれるそうです。
2021年の末までにはまずスペインとデンマークで販売が開始され、その後販売される国が増えて行くと思います。
メガネのいらない世界をつくりたいと開発された「クボタメガネ」
最近、子どもの近視が増えていることが問題になっており、2019 年3月に文部科学省が発表した学校保健統計調査によると、小学生から高校生の裸眼視力が落ち、1.0 以上の割合が過去最低になったと発表されています[1]。
近視の多くは眼軸が長くなることによって起こるとされており、眼軸長が伸びると、眼球の中で網膜より手前で焦点が合うために、遠くが見えにくくなります。
現在は、メガネやコンタクトレンズ、屈折矯正手術により、光の屈折を矯正し、焦点を網膜に合わせることが一般的であり、根本的な治療法は見つかっていません。
そこで、クボタメガネテクノロジーは、ナノテクノロジーを駆使してメガネに投影装置を組み込むことで、網膜に人工的な光刺激を与えて近視の進行の抑制、治療を目指す独自の技術を開発されました。
最新のAI技術で文字や物などの情報を音声で伝えるメガネ「Envision Glasses(エンビジョングラス)」
エンビジョングラスは視覚障がい者支援アプリ「Envision AI」と連携して使用する視覚障がい者向け高性能ウェアラブル端末です[2]。
メガネ型の機器で、本体部分にはカメラと小型ディスプレイ、スピーカーが搭載されており、エンビジョングラスを掛けた状態で、カメラに映る文字や物、人の名前を読み上げたり説明したりすることができます。
※エンビジョングラスの全ての機能を使用するにはネットワーク接続と視覚障がい者支援アプリ「Envisionアプリ(Envision AI)をインストールしたスマートフォン等が必要です。
エンビジョングラスでできること
①テキストの読み上げ
短いテキストから長いテキストまでの読み上げはもちろん、複数のテキストを連続でスキャンしてまとめて読み上げることもできます。
②景色や色の識別
服やカバン、帽子などの色やカメラで映した周囲の風景や物の色を音声で説明してくれるので、見えない、見えづらくてもオシャレや景色を楽しむことができます。
③見つける
カメラに映る範囲内に探している物や人が映れば音で知らせてくれます。(事前に登録が必要です)
④通話エンビジョングラスとEnvision AI(アプリ)でビデオ通話することができます。
エンビジョングラスのカメラで映した映像が通話相手のスマートフォンに映るので、自分の状況を相手に伝えながら、あらゆるシーンで視覚的なサポートを受けることができます。
※協力してくれる方は事前にEnvision AI(アプリ)で登録する必要があります。
エンビジョングラスは視覚障がい者支援アプリ「Envision AI」と連携して使用する視覚障がい者向け高性能ウェアラブル端末です。メガネ型の機器で、本体部分にはカメラと小型ディスプレイ、スピーカーが搭載されており、エンビジョングラスを掛けた状態で、カメラに映る文字や物、人の名前を読み上げたり説明したりすることができます。
まとめ
日本だけではなく、世界的に見えない・見えづらい方のサポートをしてくれる機器の開発が進んでいます。
また、音声や映像で見えづらさをサポートしてくれる機器以外に超音波で歩行をサポートしてくれる機器なども開発されています。
技術の進歩によって障がいがハンディキャップにならないような未来がきてほしいです。
※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。
【参考】
[1]子どもの近視、文科省が調査に着手
[2]エンビジョングラス