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そのブルーライトが体内時計を狂わせる!?自律神経への影響と対策

スマホを見ながらも目が疲れた様子の女性

ブルーライトとは、スマートフォンやパソコン、LEDから出る青色の光です。近年ブルーライトの目への影響が話題になっていますが、その影響は目だけにとどまりません。実はブルーライトは体内時計を狂わせ、自律神経の乱れを引き起こす場合があります。

体内時計が狂い自律神経が乱れると、めまいや倦怠感、頭痛などさまざまな心身の不調が発生してしまいます。

この記事では、ブルーライトが体内時計や自律神経に及ぼす影響や対策について解説します。

体内時計とは

体内時計とは、私たち人間の身体に生まれつき備わっている、24時間周期でホルモン分泌など、さまざまな生体リズムを調節する仕組みのことです。私たちが朝に目覚めて、夜眠くなるというサイクルを保てるのも体内時計の働きによるものです。意識して行動しなくても、日中は心身ともに活動的に、夜は休息モードに自動的に切り替わります[1]。

この体内時計が、しっかり24時間のリズムで動くために調整しているのが「セロトニン」と「メラトニン」という2種類のホルモンです。

セロトニンは、朝日を浴びると分泌がスタートし、昼間にかけて分泌量が増加していきます。セロトニンには、血圧や体温を上昇させ、脳の働きを活性化させる働きがあります。セロトニンの作用により、日中は仕事や勉強などの活動がしやすいコンディションを保てます。

メラトニンは、睡眠に非常に大切なホルモンで、別名「睡眠ホルモン」と呼ばれています。メラトニンは身体の内部の体温を低下させ、休息に適した状態にする働きがあります。体温が低下することで眠気を感じて、スムーズに眠れるのです。

このように、体内時計の働きを調整するセロトニンとメラトニンですが、分泌には光が深く関わっています。

朝に太陽光を浴びると、網膜が光の信号をキャッチして、セロトニン神経が刺激され活発化し、セロトニンの分泌が促されます。

光の信号は、体内時計が存在する視交叉上核(しこうさじょうかく)にも伝わります。そして視交叉上核の体内時計の情報が、メラトニンの合成と分泌を司る松果体(しょうかたい)へ伝わり、メラトニンの分泌が抑制されます。

同時に全身に“朝が来た”という信号が伝わり、メラトニンを分泌するタイマーがセットされます。その後、目覚めてから約14時間後にメラトニンの分泌が始まり、約2時間で分泌量がピークに達し、徐々に分泌がなくなります。

さらに、メラトニンの分泌量は日中に分泌されたセロトニンの量が多いほど多くなり、メラトニンの効果によりしっかり睡眠をとるとセロトニンがスムーズに分泌されます。

このように、セロトニンとメラトニンが正常に分泌されることで、体内時計が整い、朝起きて夜は眠るという正しい生活サイクルをキープできるのです。

このように、体内時計が正しいリズムを刻むには、光が非常に重要な役割を果たしています[2]。

ブルーライトが体内時計や自律神経に与える影響

ブルーライトとは、光の一種で、太陽だけでなくスマートフォンやパソコンなどのディスプレイやLEDからも出ます。人間が見ることのできる光の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持っています。

本来は太陽に含まれるブルーライトが、体内時計のリズムを整える役割を果たしていました。しかし、

デジタル機器の普及により、今や昼夜問わずブルーライトを浴びる環境になっていて、体内時計が乱れる原因となっています。

ブルーライトの光が目に入ると脳は朝だと判断し、メラトニンの分泌を抑制するため、眠れなくなります。夜寝る前にスマートフォンやパソコンなどを使用してブルーライトの光を浴びると、本来なら睡眠のサイクルに入るはずなのに、眠れないため、体内時計が乱れてしまいます[3]。

体内時計が乱れると、体を正常に保つために備わっている恒常性が保てず様々な不調が現れることがわかっています。例えば、本来なら活動するべき昼間に頭が働かない、寝なければいけない時間に寝られない、肥満になりやすい、免疫力が低下し病気にかかりやすくなるなど、さまざまな悪影響を引き起こすといわれています[4]。

さらに、ブルーライトを浴びる時間が長くなると、脳が覚醒した状態がずっと続き、自律神経にも影響を及ぼします。

自律神経には、内臓の働きやホルモンの分泌、代謝、体温などを調節して、温度や湿度と言った外部の環境変化に対応する働きがあります。自律神経は、昼間や活動中に活発化する「交感神経」と夜や休息中に活発化する「副交感神経」の2種類があります。

ブルーライトを浴びると心身を活発にする交感神経が働きつづけるため、交感神経と副交感神経のコントロールがうまくいかなくなり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。

自律神経の調子が崩れることにより、さまざまな症状が出てしまいます。自律神経の乱れによる症状は、個人差や波が大きいのが特徴です。

  • めまい
  • 吐き気
  • 多汗
  • 全身の倦怠感
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 不安感や緊張感
  • 皮膚や粘膜のかゆみ

さらに自律神経の乱れは、神経性胃炎やメニエール病、過敏性腸症候群といった疾患の原因となる場合もあります[5]。

健康な毎日を送るためには、ブルーライトによる体内時計や自律神経の乱れを防ぐ必要があります。

ブルーライトによる体内時計や自律神経の乱れを防ぐ方法

ブルーライトによる体内時計や自律神経の乱れを防ぐ方法を2つご紹介します。「よく眠れない」「なかなか寝付けない」といった悩みのある人は、ぜひ試してみてください。

寝る2時間前からはパソコンやスマートフォンを使わない

ブルーライトによって寝つけなくなるのを防ぐには、寝る2時間前からはスマートフォンを使わないようにするのがおすすめです。特に、寝る前にベッドのなかでスマートフォンを見るのは悪影響が大きいので、ベッドから遠ざけるようにしましょう[6]。

もし、スマートフォンを見ないと落ち着かないという場合は、アロマテラピーで香りを楽しんだり、楽器を弾いたりとデジタル機器を使わないアナログな楽しみを持つのもおすすめです[7]。

ブル―ライトカット眼鏡を活用する

慶應義塾大学と大手メガネチェーンJINSの共同研究によって、就寝2時間前からブルーライトをカットするメガネを着用することで、メラトニンの分泌量が増加し、スムーズに眠れることが実証されました。もし、寝る前にスマートフォンなどのデジタル機器を使用する場合は、ブルーライトカット眼鏡を活用し、影響をおさえると良いでしょう[8]。

また、ディスプレイにブルーライトカット効果のあるフィルムを貼るのもおすすめです。

ブルーライトと上手く付き合って、体内時計や自律神経を整えましょう!

ブルーライトは、体内時計の調節に大切なものですが、寝る前に多く浴びてしまうと体内時計や自律神経の乱れ、睡眠の悩みなどさまざまな不調につながります。

パソコンやスマートフォンといったデジタル機器は生活に欠かせないものではありますが、ブルーライトを多く発するため、使い方には注意が必要です。

寝る2時間前には使用しない、ブルーライトカット眼鏡を活用するなどして、上手に付き合いましょう。もし不調を感じたら、健康的な生活を送るために、早めの対策をおすすめします。

 

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考】
[1]体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計とは? | 体内時計.jp (tainaidokei.jp)
[2]セロトニンとメラトニンが24時間の生体リズム(体内時計)を作る! – 【心療内科医監修】睡眠・メンタルの情報サイト|サンヘルス (sunh.com)
[3][7]体内時計に影響する「ブルーライト」 | 健康・医療トピックス | オムロン ヘルスケア (omron.co.jp)
[4]体内リズムが乱れたことによる影響 | 睡眠リズムラボ | 大塚製薬 (otsuka.co.jp)
[5]https://www.s-re.jp/magazine/health/21/
[6]いりたに内科クリニック
[8]ブルーライト研究会

【ライター:川瀬ゆう】

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この記事を書いた人

メノコト365編集部

目の健康に関するあらゆる情報を発信しています。子どもたちが健やかな目で生活できるように、小さなうちから正しい健康習慣を身につけてもらうための健育イベントを開催するなど、目の健康について意識を高めるきっかけになることを願い様々な活動をしています。

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