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目の症状や病気と予防・治療法

まぶたがピクピクするのはなぜ?それは疲れのサインかも!?

瞼のピクピクが気になって鏡をみる女性

日常生活の中で、まぶたや目の周りがピクピクして、気持ち悪さを感じたことはありませんか?

まぶたの痙攣か、もしかしたら顔面の痙攣(けいれん)かと不安になる方もいらっしゃると思いますが、ほとんどが「眼瞼ミオキミア」であるようです。「眼瞼痙攣」との違いなども含めて、「まぶたのピクピク」が何か見ていきましょう。

目の疲れが主な原因?眼瞼ミオキミア(がんけんみおきみあ)

症状

  • まぶたがピクピク痙攣する
  • 片方のまぶたに多い
  • 一時的に起こる
  • 数日か数週間で治まる

眼瞼ミオキミアは、目の周りにある輪っか状の筋肉、眼輪筋(がんりんきん)が痙攣することで、上眼瞼または下眼瞼が小刻みに動く症状です。通常は片目に起こります。

ピクピクした動きは数秒間で治まることが多いものの、一日に何度も繰り返すことがあります。

原因

眼精疲労やストレス、睡眠不足などをきっかけとして発症します。また、コーヒーやアルコールの摂取で症状が強く出る場合があります。

治療

原因となる疲れなどが改善すると、数日から数週間で自然と治まることが多いので積極的な治療の必要は特にありませんが、眼精疲労をとる成分が配合された目薬の使用や目の周りを温めるようにすると良いといわれています。

対策

まずは目の疲れを溜めないようにすることです。

目の疲れやストレスが原因となっているわけですから、パソコンやスマホなどを見る時間を見直し、何度か休憩をはさみながら、長時間の使用を控える。目の周りを温めて血流をよくし、目の筋肉の疲れをとる。

目の疲れをとるマッサージやツボ押しなどもおすすめです。目の使い過ぎを防ぐことが習慣になれば、目のピクピクを感じることもグッと減るかもしれません。

きっかけがあれば誰にも起こりうる眼瞼ミオキミアに対して、眼瞼痙攣はそれほど頻繁に起こるものではありませんが、放っておくとほとんど治ることがないようです。

症状の原因は脳にある?眼瞼痙攣(がんけんけいれん)

症状

  • 目が開けにくい、開けているのが辛い
  • 目が自然に閉じてしまう、閉じている方が楽
  • 瞬きの回数が増えた、瞼が痙攣する
  • まぶしく感じる
  • まぶたが下がる
  • 目の不快感、異物感
  • 目の乾燥感、流涙

眼瞼痙攣は眼輪筋の過度な収縮により、自分の意志では瞼を開けていられなくなる疾患です。結膜炎や角膜炎、異物の混入、ドライアイなどでおこる痙攣とは全く別のものです。

眼瞼痙攣の症状が進行すると、まぶたが頻繁に痙攣し、目を上手く開けていられないため、人や物にぶつかりやすくなるなど生活に支障が出るようになります。

また、まぶしい光やストレスは症状を悪化させることがあり、さらに進行すると、自分の意志ではまぶたを開けることが出来なくなるため、視力に問題がなくても盲目状態となってしまうことがあります。

医学的には局所ジストニア(※)という病気に分類され、脳の中の運動を司る部分が障がいされることでおこるといわれています。

※ジストニア=身体のいくつかの筋肉が不随意に持続的に収縮し、捻じれや歪みが生じるもの

原因

眼瞼痙攣の原因は正確にはわかっておらず、中枢神経の神経伝達異常と考えられています。

眼瞼痙攣の大半は40歳以降に発症し、性別の差は1:2~2.5で女性に約2倍多くみられ、神経質な人や、几帳面な生活の人に多いといわれています。

40歳未満の若年発症者には、抗不安薬や睡眠導入剤の服用、化学物質が体内に取り込まれることなどが原因となることが考えられ、その場合は原因となる薬物を中止することでよくなることがあります。

治療

現在、最も安全で確実な治療法とされているのが、ボツリヌス菌の毒素を痙攣している筋肉に注射する方法です。治療時間も短く、次の日から普段通りの生活が可能なようですが、効果の持続期間が約2~3ヵ月となり、再度注射が必要になることがあります。

眼瞼痙攣の場合、症状の進行はそれほど早くないものの、放っておいても自然に治ることが少ないため、治療が必要になります。

目の疲労やストレスを減らす生活を!

「眼瞼ミオキミア」「眼瞼痙攣」の他に、まぶたの痙攣がおこるものに、「片側顔面痙攣」があります。初期症状に下眼瞼の痙攣が多いため、眼瞼痙攣と間違われやすいのですが、進行すれば、頬、口角、下顎へと徐々に痙攣部位が拡がっていきます。顔面の筋肉を動かす神経がどこかで圧迫されておこり、これは頭部MRIやMRA検査で原因を見つけ、それを除去することで改善することがあります。

目の疲労やストレスが原因となっておこることが多い「眼瞼ミオキミア」は気づいたときに、目を休めたり温めたりすることで軽減することが多く、思い当る場合は、可能な限り原因と考えられることを減らす生活を心がけましょう。

しかし症状が強く、長く続くようであれば、別の疾患の可能性もあるため、医療機関で診察を受けるようにしましょう。

 

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【参考】
・「眼科診療ビジュアルブック」 学研
・眼瞼けいれん診療ガイドライン
http://www.nichigan.or.jp/member/guideline/keiren.pdf

この記事を書いた人

戸田 友里

わかさ生活プロアドバイザー。一人でも多くの人に目の健康に関する正しい情報を伝えたいと、Webや紙面で発信する活動を行っています。ビジョントレーニング指導者1級。

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