仙台市にある「宮城県民の森」の中に佇む青麻神社(あおそじんじゃ)。神社の周辺地域は古くから交通と開拓の要地だったため、今も多くの遺跡や伝承が残っているようです。
青麻神社は中風病退除・海上安全にご利益があることで知られていますが、実は眼病平癒にまつわるお話が残されているのだとか。
一体どのような言い伝えが残されているのでしょうか。
メノコト編集部スタッフが現地に足を運び、青麻神社について調べてきました。
緑豊かな森の中にある「青麻神社」
青麻神社に向かう途中には、国指定史跡である高森城趾や県民の森中央記念館など見所がたくさんあります。桜の名所としても知られていて、春には満開の桜並木を見に来る花見客でも賑わうようです。
緑豊かな道を進んでいくと、太鼓橋が見えてきました。青麻神社の入り口です。この朱い橋を渡って青麻神社の境内へと入ります。
仁寿2(852)年に現社家(しゃけ:特定神社の神職を世襲してきた家のこと)の遠祖・穂積保昌が、現在の京都府である「山城国」からこの地へ赴いたことが青麻神社の始まりといわれています。
穂積保昌は里人に麻の栽培を教え、一族が崇敬していた日月星の三光神である天照大御神(アマテラスオオミカミ)、天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)、月読神(ツキヨミノカミ)を三峡の岩窟にお祀りしたそうです。
「青麻」の社名も地名も麻の栽培を行ったことに由来し、神紋も麻を用いています。
眼病を患った村人の前に現れた不思議な老人の言い伝え
それでは、なぜ青麻神社が目のご利益スポットになったのでしょうか?
その由来が、江戸時代に仙台藩が編纂した『封内風土記』の中に記されていました。風土記の記述によると、青麻神社には眼病平癒に関するこんな伝説が残されています。
昔、青麻神社を篤く信仰する所兵衛という村人がいました。彼は長年眼病を患っていました。
天和2(1682)年、所兵衛の前に一人の老人が現れ「丑の刻に斎戒沐浴をして天を拝みなさい。私の教えに従えば、目の病は癒えるだろう」と告げたそうです。
所兵衛は老人の教えの通り、毎夜丑の刻に天を拝み続けました。やがて所兵衛は月の光が感じられるようになり、30日余り過ぎた頃、目の病が全快したといいます。
その後、再び老人が現れ、所兵衛にこう告げました。
「我は源義経の家臣・常陸坊海尊(ひたちぼうかいそん)である。今よりこの土地の窟に三光神を祈念して三光窟と称し、末永く国家安泰を祈りなさい」
その後、老人は三光窟の中へ入っていったとのだとか。
こうして所兵衛の眼病快癒をきっかけに、青麻神社は眼病平癒のご利益がある場所として知られるようになったのです。
眼病平癒にご利益があるお守りを旅のお土産に
青麻神社では眼病平癒にご利益があるお守りも販売しています。
カラフルで可愛らしい見た目は、お土産で渡しても喜ばれそうですね。
青麻神社のご利益が詰まったお守りが、旅から帰った後も私たちの目の健康を守ってくれそうな気がします。
四季折々の自然を楽しめるスポット
森の中に位置する青麻神社は、春は桜、夏は若菜、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の風景を楽しむことができます。
境内では清水が湧き、その水を汲みに毎日多くの人がこちらを訪れているようです。参拝をした後に、清水でのどを潤してリフレッシュできそうですね。ぜひ目のご利益だけでなく、大自然の恵みも享受していってください。
裏参道方面には沢乙温泉もあるので、帰りに汗を流すこともできます。ハイキングを兼ねた参拝もおすすめです。
【アクセス】・表参道 JR「岩切」駅より車で約20分
・中参道 利府街道「県民の森入口」より車で約10分
・裏参道 JR「利府」駅より車で約20分
【住所】宮城県仙台市宮城野区岩切青麻山
【お問い合せ】022-255-6670
【拝観料】無料
【参拝時間】9:00~17:00
【HP】http://www12.plala.or.jp/aosojin/
※本記事内の情報は2019年7月時点のものです。
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