目の症状や病気と予防・治療法

うちの子はいつも“より目”かも?スマホの使い過ぎによる斜視にご注意!

斜視になる原因?子どもとスマホ

最近、子供や若い世代の斜視が増えているといわれています[1]。斜視とは、片方の目が内側、または外側に寄り、両目の視線がずれることで、ものが二重に見える病気です。片方の目が内側に寄っていると「内斜視」、外側に寄っていると「外斜視」と呼ばれます。近年、若年層に増えている斜視は、片方の目が内側を向く「急性内斜視」で、原因としてスマホ(スマートフォン)やタブレット端末の長時間利用が挙げられています。斜視になってしまう原因は?なってしまうと、何が良くないの?様々な疑問にお答えしていきます。

斜視の図

斜視の原因は?

まず、どうして斜視になってしまうのでしょうか?日本眼科医会によると、斜視の原因はひとつではなく、目(眼球)を動かす筋肉や神経の病気、遠視、視力不良、さらには両眼視の異常などが挙げられています。

筋肉や神経の病気

目の周りにはたくさんの筋肉や神経が存在しており、まぶたの開け閉めや眼球(黒目)を上下左右に動かすときに働いています。これらの筋肉や神経に病気などの異常があると、目の位置がずれ、斜視になります。

遠視

遠視の場合は、近くのものを見るときに強くピントを合わせないといけません。近くを見るとき、目は内側に寄りますが、遠視の人は近くをはっきり見るために強く目を内側によせるので、斜視になる場合があります。

視力不良、両眼視の異常

片目だけ視力が悪い人や、両目でうまくものを見ることができない両眼視異常のある人は、片方の目だけでものを見るようになってしまい、斜視になる可能性があります。両眼視とは、左右2つの目で見たものを脳で1つにまとめる働きのことで、ものの立体感や距離感を感じるために必要な能力です。

▼両眼視について詳しく知りたい方はこちら
目の使い方とモノの見方

しかし、原因がわからない斜視もあり、まだまだ研究や調査が続けられています

スマホの使い過ぎが斜視につながる?最近の研究ニュースを紹介

斜視に関する注目度が一気に高まったのは、こちらのニュースがきっかけでした。

「日本小児眼科学会と日本弱視斜視学会が調査結果を発表。子どもや若者の間で急性内斜視が増加。スマートフォンなどの長時間使用が影響している可能性

メノコト365でも、日本弱視斜視学会・日本小児眼科学会の両学会に所属されている海谷 忠良(かいや ただよし)先生にインタビューを実施しています。

問題視される子どもの後天性内斜視に眼科医77%がスマホの関連を示唆-調査結果を海谷先生が詳しく解説

こちらの調査では、眼科の医師を対象に、「2018年の1年間に若年層(5〜35歳)の内斜視患者を診察したことがあるか」という質問をしたところ、約42%の医師が「診察したことがある」との回答が得られました。さらに、そのうち、約77%の医師が、「斜視とデジタルデバイス(スマホやタブレット端末)の間に関連がある」と答えたのです。

この調査結果が大々的にニュースなどに取り挙げられ、「斜視」とスマホの関連がとりざたされるようになりました。

あなたの家族はスマホをどれくらい使っている?

調査では、スマホの使用と斜視には関連がある可能性が示されました。ところで、どれくらいの時間、皆さんはスマホを使っているのでしょうか?

総務省の発表によると、スマホやタブレット端末の普及率は年々増加しており、2018年には、79.2%の世帯でスマホが使用されています[2]。

総務省データ

また、スマホの使用時間について2019年にMMD研究所が調査した結果によると、男女ともに若い人ほど長時間スマホを利用していました[3]。20代までの人は半数以上が1日3時間以上利用しており、10代女性に至っては、1割以上の人が1日10時間以上使用していると答えています。

大人になってからも、仕事や趣味、最近ではニュースのチェックなどもスマホで行なっていることが多く、改めて考えてみると、結構な時間スマホを使っていることがわかります。

しかし、スマホが普及し始めてからまだ10年程度。そのため、スマホが健康に与える影響に関しての研究や調査はまだ多くありませんが、健康維持のためにスマホとは正しく付き合っていくことが大切です。

斜視には治療方法はあるの?対策は?

若者の中で、斜視と診断される人が増えてきているようですが、診断された場合、治療方法はあるのでしょうか?実は、根本的な治療法や治療薬はありません。現在は手術による治療が主で、そのほかにもコンタクトレンズやメガネによる矯正、視機能トレーニング、ボツリヌス注射などがあります。斜視のタイプや性質、患者さんの年齢などを考慮して、お医者様が治療方法を提案されます[4]。

手術

目の周りに存在する、目を動かす筋肉の位置を手術でずらして、斜視を改善します。手術の場合だと、麻酔も必要です。

コンタクトレンズやメガネによる矯正

斜視の原因の一つに、「両眼視ができない」というものがあります。遠視や近視を矯正することで、両眼で正常に見えるようにし、斜視の原因を解消します。遠視が原因となる内斜視や、左右の視力の違いが原因となる斜視で行われることが多いです。

ボツリヌス注射

斜視を引き起こしている目の周りの筋肉を、ボツリヌス注射によって麻痺させることで目の位置を矯正します。しかし、数ヶ月で効果が弱まるため、数ヶ月毎に繰り返す必要があります。

これらの方法で治療を行なっても、両眼視の働きが悪い場合には斜視に戻ることがあるそうです[5]。そのため、若いうちから正しい目の使い方を実行することが大事です。

正しい目の使い方を教えて

斜視の予防のためにも正しい目の使い方を知り、生活に取り入れることは大切です。メノコト365でも、両眼を上手に使えるようになるビジョントレーニングの方法を紹介しています。

▼ビジョントレーニングについて詳しくはコチラ
ビジョントレーニングの方法・やり方「基本の5種類から始めてみよう!」
ビジョントレーニング無料プリント・ドリル教材27選

寄り目と離し目を繰り返す「3Dビジョン」などはご存じでしょうか。これからも新しいトレーニングシートを紹介していきますね。

また、正しい目の使い方と合わせて、正しいスマホの使い方も知っておく必要があります。斜視とスマホの使用の間に関連があるかもしれないといわれている要因として、

  • スマホの使用によって近くばかりを見ている
  • 長時間連続して見ている
  • まばたきが減る

といったことが考えられます[6]。そのためスマホを使う時は、

  • 長時間連続して使いすぎない(1時間使ったら意識的に10分ほど休憩する)
  • 休憩中は遠くを見るようにする
  • スマホ使用時は意識してまばたきをする

などの習慣を取り入れると良いのではないでしょうか。

また、斜視と診断されなかったとしても、スマホの使用によって目の疲れを感じている人は多いのではないでしょうか。目の疲れに良いとされているものを、日々の食事に取り入れたいですね。

目の疲れと食品の研究情報としては、サプリメントなどで有名なビルベリーエキスを毎日摂取することで、VDT作業(パソコンなどによるデジタル機器を使った作業)が原因の眼精疲労の自覚症状が軽減されたと発表されています[7,8]。

最後に

私たちの生活に欠かせないツールとなったスマホ。とても便利ですが目に悪い影響を与える可能性があります。

正しいスマホの使い方、正しい目のケア方法を身につけて、便利さと健康のどちらも手に入れましょうね。

※ 本サイトにおける各専門家による情報提供は、診断行為や治療に代わるものではなく、正確性や有効性を保証するものでもありません。個別の症状について診断、治療を求める場合は、医師より適切な診断と治療を受けてください。

【引用文献】

[1]神戸新聞 2020年2月1日発行

[2]総務省「通信利用動向調査」

[3]MMD研究所調査結果https://www.bcnretail.com/market/detail/20200219_158642.html

[4]医新会
https://www.ocular.net/treatment/perspective/

[5]日本眼科医会
https://www.gankaikai.or.jp/health/betsu-003/07.html

[6]産経ニュース 2014年10月20日
https://www.sankei.com/life/news/141020/lif1410200032-n1.html

[7]ビデオディスプレイ端末光への曝露に起因する眼精疲労自覚症状に対するビルベリー果実抽出物含有食品の保護的効果

[8]標準ビルベリー果実抽出物による眼疲労改善効果

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この記事を書いた人

大江 絵美

健康食品管理士

わかさ生活研究員。岐阜薬科大学薬効解析学研究室に4年間出向し、目のことやビルベリーの健康効果の研究を行ってきました。目のこと、サプリメントの素材について新しい研究や調査を行っています。

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