能登半島のちょうど真ん中に位置する石川県七尾市。七尾市は日本でも珍しい海の温泉が湧き出る和倉温泉や、ブリやカキ、カニなどの冬の海産物で有名な町です。
そんな七尾市に、かつて眼病の治療に使われた池があるという噂を聞き、メノコト編集部が石川県に足を運び、不思議な池の伝説について調べてきました。
神秘的な深い森の中に佇む「御手洗池」
のと鉄道「田鶴浜」駅から車で約5分。御手洗池のある赤蔵山に到着しました。さらに森の中を進んでいくと、目の前に幻想的な景色が広がりました。今回の目的地である「御手洗池(みたらしいけ)」です。
御手洗池の水面からはボコボコと水泡が湧き出ています。なんでも、池の底から毎日600t余りもの水が湧き出ているのだとか! その水は現在も、生活用水や農業用水として使用されているそうです。
池の中を覗き込んでみると、水底がはっきり見えるほどの透明度の高さに感動。なんとも神秘的な雰囲気の場所ですね。
聖武天皇の皇子の眼病治療にも使われた御手洗池のお水
その昔、聖武天皇の皇子が眼病を患った際、御手洗池の水を眼病治療に使ったという言い伝えが残っています。こうして、御手洗池の水は眼病にご利益があるという噂が広まったそうです。ここは長い歴史とともに人々に親しまれている目のご利益スポットなのですね。
また、御手洗池には少し怖い言い伝えも残されています。
戦国時代、戦いに敗れた武将がこの池に愛馬と共に入水したところ、そのまま池に姿を消してしまったそうです。その後、元旦の未明に愛馬が付けていた赤い鞍だけが水面に浮き上がったのだとか。その様子から、ここの地名は「赤蔵」と付けられ、御手洗池のある山も「赤蔵山」と呼ばれるようになりました。御手洗池は赤倉神社境内にあることから「赤倉神社のお池」とも呼ばれているようです。
全国名水百選に選ばれ、人気のスポットに
現在は御手洗池の水で目を洗うことは禁止されていますが、美しい池の風景を一目見ようと全国各地から訪れる人々がいます。
昭和60(1985)年、「御手洗池」は環境省が選定する全国名水百選にも選ばれました。大昔から枯れることなく湧き出る水は、ミネラル成分を含み、お茶用の水としても利用されているそうです。池のほとりには休憩所が設けられているため、訪れた人の憩いの場となっています。
森林浴をして気分も目もリフレッシュ
今回は緑に囲まれた目のご利益スポット「御手洗池」をご紹介しました。霊泉で目を洗うことができないのは少し残念ですが、自然の中で、疲れた目もリフレッシュできたような気がします。
石川県を訪れた際は、ぜひ森林浴を楽しみながら御手洗池まで足を運んでみてくださいね。
【アクセス】のと鉄道「田鶴浜」駅から徒歩約40分(車で約5分)
【住所】石川県七尾市三引町
【見学料】無料
【見学時間】自由
【お問い合せ】0767-53-8424(七尾市役所産業観光振興課)
※本記事内での情報は2019年12月時点のものです。
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