昔から運動は体に良いなんてことをよく耳にしますが、これは目でも例外ではありません。特に有酸素運動が目に良い影響を与えてくれます。有酸素運動が目に与える効果は以下の3つです。
- 眼圧を下げる
- 加齢黄斑変性症の進行を遅らせる
- ドライアイの改善につながる
そこで本記事では、有酸素運動をすることで得られる効果の詳細やどんな運動をすればいいかを解説します。ぜひ最後までご覧ください。具体的な運動方法については、後編で解説します。
有酸素運動が目に与える効果
有酸素運動が目に与える効果は以下の3つです。
- 眼圧を下げる
- 加齢黄斑変性症の進行を遅らせる
- ドライアイの改善につながる
それぞれ解説します。
眼圧を下げる
眼圧を下げるには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的だといわれています。眼圧が上がると、日本人の失明原因で最も多い緑内障を発症するリスクが高くなるのですが、有酸素運動を取り入れることでそのリスクを軽減できるのです。
有酸素運動と聞くと、ジョギングやウォーキングなど軽めの運動をイメージされる方が多いと思います。しかし、東都大学の研究では眼圧の低下が確認できたのは酸素摂取量の多い高強度の運動※のみでした。
つまり、眼圧を下げるには、キツめの有酸素運動が必要ということになります。
※VO2max(最大酸素摂取量)70%程度の運動
加齢黄斑変性症の進行を遅らせる
キツめの有酸素運動をしないと、眼圧は下げられませんが、軽い有酸素運動ならどうでしょうか。軽い有酸素運動の場合、加齢黄斑変性症の進行を遅らせるという研究結果が米Emory University大学で発表されました。
マウス実験ではありますが、網膜色素変性症を引き起こす有害な光を使って運動させたマウスとさせてないマウスにそれぞれ浴びさせました。すると、運動しなかったマウスよりも運動したマウスのほうが、光に反応する細胞が残っていたそうです。
つまり、有酸素運動は網膜に関連する症状の進行を遅らせる効果があるということです。筆者も網膜色素変性症を患っているので、これは良い発見でした。
ドライアイの改善につながる
PCやスマホの見過ぎでなることが多いドライアイも有酸素運動をすることで、改善できるかもしれません。
ドライアイは、血流が悪くなることで目に必要な酸素や栄養素が行き渡らなくなってしまい目のコーティングが上手くできなくなることが原因で発症します。
有酸素運動をすることで、血流が良くなり目を守るコーティング(油・水・ムチン)のバランスが調整されドライアイを改善できるのです。
後編へ続く
【参考文献】
メタアナリシス「急性有酸素運動後の眼圧低下(直訳)」
Care Net「高強度運動中は眼圧が低下する」
Pud Med「有酸素運動は、光による網膜変性から網膜の機能と構造を保護します。(直訳)」
QLifePro 医療ニュース「運動は目にも効く」